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Vリーグ男子D1 第2節を終えて

久々の投稿になります。河野です。

今回は10月15日から始まりましたVリーグ男子D1、第2節を終えた段階での感想を簡単ではありますが、述べたいと思います。

■1番の違いは『昨年の下位チームが素晴らしい成長を見せている』です。昨年は戦術にしても、ゲームプランにしても、上位チームのスタンダードと下位チームのスタンダードには明確な差がありました。ざっくりと分析すると、まず攻撃参加の枚数が違う。オフェンスシステムのデザインが違う。そしてブロックシステムが違う、さらにサーブ戦術の精度が違っていました。

◆攻撃の違い

上位チームのスタンダードは4枚攻撃+MBの打数がセット5本以上、決定率60%以上、下位チームになるとMB2人で1試合10本以内というのが特徴的であったと認識しています。そしてオフェンスのデザインですが上位になるほど外国籍選手の負担が少なく、セッター以外の5人がバランス良く攻撃していました。もはやVリーグは外国のスーパープレイヤー1人で勝てるリーグではありません。拾って繋いで外国籍選手というバレーは過去のものになったと言えるでしょう。今年開催された東京オリンピックでもそうでしたが、サイドプレイヤーが素晴らしいのはもはや当たり前で、今はMBのクオリティーがチームのクオリティを上げる重要な要素であると言えます。サイドアウトにしても、ブレイクにしても、MBがポイントすればする程後半勝負所でサイドが生きてきます。加えてbickを活用しながらスロット3〜Aあたりの中央エリアを活かす事がセッターの腕の見せ所であると考えます。


◆守備の違い

昨シーズン、上位チームはバンチリードシステムとテディケートシステムを使い分けながら、下位チームはテディケートシステムとコミットブロック(1部バンチリードシステム)を使い分けながら戦っていました。結果下位チームは4枚攻撃に対してコミットしてしまいディフェンスが崩壊する場面を何度も目にしました。これはサーブ戦術につながってくる事ですが、サーブで崩せなかった為に4枚攻撃をされるパターンが多かったとも言えるでしょう。そしてネットディフェンスとフロアディフェンスの連携にも違いがありました。上位チームはネットディフェンスの成功率が高く、フロアディフェンスとの信頼関係が構築されており、所謂『抜かせるところ』が決まっていました。下位チームはネットディフェンスが崩れる事が多く、どこに抜けるかが今ひとつはっきりしなかった為フロアディフェンスとの連携がうまく行ってなかった印象があります。そこがトータルディフェンスの完成度の違いとして見えてきたものになります。

◆今シーズンのアップデートされた部分

まだ2節が終わったところだが、とにかく『連勝しづらい』『簡単に勝てない』といった印象。その要因は明確だ。単純に全チームのレベル差が少なくなったのだ。第2節にして全勝チームが消えたことからもお分かり頂けるだろう。ではどこのレベル差が埋まったのか。

私が考える解答は『勝てるゲームプランの理解が進んだ』である。速い攻撃やバンチリードシステムの導入といったミクロな部分ではなく、勝つためのゲームプラン、こんなゲームに持ち込まないと勝てないといったもっと大きな部分で監督、コーチだけでなく選手やファンの皆さんの認識、理解が深まった結果であろうと考える。その結果、サーブで攻める意識が向上し効果率が上がったり、ディフェンスにおけるシステム化が進み、オフェンスにおける4枚攻撃の標準化が進んだのであろう。これによりチーム間のレベル差が埋まり今シーズンの混戦を引き起こしているのではないか。

来年の事を言うと鬼に笑われるかも知れないがD2.D3においても、アップデートが遅れるとチャレンジマッチの壁は厚くなる一方になってしまう。もっと言えばジュニアカテゴリーに於いても高校の上位は既にこのシステムで動いていることは春高バレーを見れば明確だ。将来のVリーガーの為に、日本がオリンピックでまた飛躍する為に、バレー界が一致団結する時は今なのかも知れない。

まだまだ熱戦が続くVリーグ、D2.3の配信も決定した。是非D1だけでなく、D2.3もVTVにてお楽しみ頂けたらと思う。

拙い私見に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。




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