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この英単語を覚えるだけで、英文の9割は読めるようになるという話【NGSL,NAWL,TSL,BSL】

【要約】
最高の英単語帳を見つけました。
しかもなんと、その英単語帳は『無料』です。
このnoteでは、その画期的な英単語帳の紹介と、英単語帳のデータを無料配布します。


【更新履歴】

22/08/19:
・8000件を超える改善を行いました。
・改善をリアルタイムで配布データに反映できるように、データのダウンロード方法を変更しました。


21/12/09:
・iOS/Android版アプリをリリースしました。




科学者がつくった最高に怠惰な英単語帳

「これだけ覚えておけば英語が読めるようになる英単語帳とかないかなぁ〜〜」

なんて考えたことありませんか?

わたしはわりとあります。

プログラミングを始めてからは、英語に触れる機会が格段に増えたこともあり、わたしの中でこのニーズはますます強くなっています。

しかし、わたしは怠惰です。
できることなら、最小限の努力で英語を身に付けたい。

そこでわたしは、最小限の努力で英語を身につける方法を探しました。

努力を惜しむための努力は惜しまないのがわたしのモットーです。

幸いわたしの努力は実を結び、ついに『もっとも効率的な英単語帳』を見つけることができたのです!やったね!

しかもなんと、その英単語帳は『無料』でした!

タダより高いものはない?
ご安心ください。

その英単語帳は、言語学者の学術研究から生まれたもので、科学的根拠も公開されており、大変信頼できるものです。

その英単語帳こそ、

・基礎英単語を学べる『NGSL(New General Service List)』
・学術英単語を学べる『NAWL(New Academic Word List)』
・TOEIC英単語を学べる『TSL(TOEIC Servise List)』
・ビジネス英単語を学べる『BSL(Business Service List)』

の4つです。

この記事では、そんな魔法のようなすばらしい英単語帳たちをご紹介しましょう。

絶対に覚えておくべき基礎英単語帳『NGSL』

まずはじめに、4つの英単語帳の中でも最も重要な『NGSL』についてご紹介しましょう。

NGSL(New General Service List)は、一般的な英文に含まれる単語の92%を学べる2800語の英単語帳です。

9割ですよ9割!!
すごくないですか!?

実はこのNGSL。
「New」とついているように、わりと歴史のある英単語帳です。

NewではないGSL(General Service List)は、1953年に言語学者Michael West が収集した2000語の頻出英単語リストでした。

このGSLも英語学習者に大変重宝されましたが、なにごとも半世紀も経てば古くなるもの。

そこで2013年、最新のリサーチ手法を使って、明治学院大学のCharles Browne教授、青山学院女子短期大学のBrent Culligan教授とJoseph Phillips教授によって選定された頻出英単語リストが、このNGSLです。

NGSLは、GSLに比べて現代にあった内容となっており、「日常会話、テレビ・ラジオ番組」で話されている英単語の『92%』もカバーする英単語リストとなっています。

しかもこのNGSL、なんと下のサイトで日本語訳つきで「無料」で公開されています!

【20/10/14】
このnoteでは、上記サイトで配布されている英単語リストに、『辞書による解説文』と『例文』を追加したものを配布します。

↓NGSLのダウンロードページ↓

さて冒頭で私は、NGSLは、このnoteで紹介する4つの英単語帳の中で最も重要であると述べました。

なぜでしょうか?
理由は2つあります。

一つには、NGSLが『頻出の基礎英単語を学べるもの』であるためです。
NGSLは、英語学習者が基礎を固めたり、基礎知識の抜け漏れを見つけるのにとても役立ちます。

もう一つの理由は、次から紹介する他の3つの英単語帳「NAWL, TSL, BSL」はすべて、『NGSLと合わせて学ぶことで効果が発揮される英単語帳』であるためです。
次から紹介するようにNAWL・TSL・BSLは、NGSLを覚えた上で学習することによって、さまざまな分野の英単語を習得できるのです。

『NGSLまとめ』
1, NGSLは、一般的な英文に含まれる単語の9割を学べる英単語帳!
2, NGSLは、英単語の基礎固めに最適!
3, NAWL・TSL・BSLは、NGSLと合わせて学ぶことによって効果を発揮する!

学術英文の9割を網羅する英単語帳『NAWL』

NAWL(New Academic Word List)は、学術的な英文に含まれる単語の9割を学べる英単語リストです。

NAWLは、NGSLと合わせて覚えることで、学術的な英単語の92%をカバーできるとされています。

NAWLで学べるのは、大学の教科書や講義などの硬めな英文に頻出する938個の英単語です。

とはいえこのNAWLの中には、特定の分野に特化した難解すぎる専門用語などはほとんどありません。

NAWLに収録されている単語のレベルは、NGSLに含まれていない中級レベルの英単語が中心となっています。

なのでNAWLは、一般的な英語学習者にもとても役に立つ英単語帳です。

NAWLも、NGSLと同じく、公式サイトで日本語訳つきで無料公開されています。


↓NAWLのダウンロードページ↓

どんな単語が学べるのか気になった方は、確認してみると良いかもしれませんね!

【NAWLまとめ】
・NAWLは、学術的な英文に含まれる単語の9割を学べる英単語帳!
・NAWLでは、中級レベルの英単語が効率よく学べるので、一般的な英語学習者にもオススメ!
・NAWLといっしょにNGSLを学ぶことを忘れずに!

TOEIC英文の9割を網羅する英単語帳『TSL』

TSL(TOEIC Service List)は、TOEICの英文に含まれる単語の9割を学べる英単語帳です。

TSLは、NGSLと合わせて学ぶことによって、TOEICの英文に含まれる英単語の99%をカバーすることができるとされています。

99%ってすごいですね!!

ただし、注意してください。
公式サイトによると、TOEIC英文のカバー率の内訳は、次の画像のようになっています。

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つまり、TOEICに出てくる英単語の94%はNGSLに含まれているということです。
そのためTOEIC対策には、TSLだけでなくNGSLを学ぶことが非常に重要です。

「NGSLにくわえて、TSLの1200語を覚えてもカバー率が5%しか上がらないんじゃ、TSLって学ぶ意味ないんじゃないの?」なんて思われた方、いませんか?

一般的に、『文章中で知らない単語の意味を推測するためには、その文章の中の95%以上の単語を知っている必要がある』とされています。

そのため、試験中に知らない単語が出てきても焦らないようにするためには、TSLも学んで94%から99%までカバー率をあげることは重要です。

TSL、めっちゃ意味ありますね!!

TSLもまた、公式サイトから英単語リストをダウンロードすることができます。

...ただ...とても残念ながら、TSLは2016年に公開されたばかりということもあり、日本語訳のついた公式データはいまだにありません...。

しかし!!
わたしは努力を惜しむための努力は惜しまない男です。

自作した日本語訳・発音記号・解説文・例文つきのTSLのデータをここで無料配布します!!


↓TSLのダウンロードページ↓

ぜひTOEIC対策などにご活用ください!

【TSLまとめ】
・TSLは、TOEICの英文に含まれる単語の99%を学べる英単語帳!
・TSLを学ぶときは、NGSLをいっしょに学ぶのを忘れずに!
・知らない単語の意味を文脈から推測するためには、文章中の95%以上の単語を知っている必要があるため、TSLを学ぶことには大いに意味がある!

ビジネス英文の9割を網羅する英単語帳『BSL』

BSL(Business Service List)は、ビジネス関連の英文に含まれる英単語の9割を学べる英単語帳です。

BSLは、NGSLと一緒に学ぶことで、ニュースや専門誌などに出てくる英単語の97%をカバーすることができます。

97%!!
これもまさに「知らない単語の意味を文脈から推測するために必要な語彙量」ですね!

またBSLもTSLと同じように、そのカバー率の多くはNGSLによってもたらされています。

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BSLを学ぶにあたっても、NGSLを学んでおくことは必須と言えるでしょう。

さて、このBSLも、英単語については下の公式サイトからダウンロードすることができます。

しかし、残念ながら、BSLも日本語訳つきのものは未だ公開されていないようです...。

しかし!
もちろん、わたしはベストを尽くしました。

日本語訳・発音記号・解説文・例文をつけたBSLをここに無料配布いたします!!


↓BSLのダウンロードページ↓

ぜひご活用いただき、あなたのビジネス英語向上に役立ててください。

【BSLまとめ】
・BSLは、ビジネス英語の9割を学べる英単語帳!
・BSLを学ぶときは、NGSLも一緒に学ぶことを忘れずに!
・知らない単語の意味を文章中から推測するためにも、BSLを学ぶことは重要!


NGSL,NAWL,TSL,BSLを効率的に学ぶ方法

さてここまで、

・基礎英単語を学べる「NGSL」
・学術英単語を学べる「NAWL」
・TOEIC英単語を学べる「TSL」
・ビジネス英単語を学べる「BSL」

の4つを紹介し、それぞれのデータを配布しました。

しかし、これらの公開されているデータはすべてエクセルデータです。

そのまま学習に利用するには不便という声もあるでしょう。

そこでわたしは、これら4つの英単語帳を、
簡単に!
便利に!
そして効率的に学ぶことのできるシステムを開発しました!

それが絶対に忘れない単語帳サービス『DiQt(ディクト)』です。

DiQtでは、「NGSL」「NAWL」「TSL」「BSL」を学べる単語帳を用意しています。

さらにそれだけでなく、DiQtではそれぞれの英単語帳の『4択問題』『スペル問題』『リスニング問題』『発音問題』といった豊富なバリエーションを揃えています。

これらの豊富なバリエーションは、英単語を多角的に学習するのに役立ちます。

またサービス自体にも、あなたの英単語学習に役立つ機能をたくさんご用意しています。

たとえばDiQtでは、間違えた問題を自動で手間なく復習できるので、英単語を効率的に記憶に定着させることができます。

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また、問題を解くと自動で学習記録を保存してくれるので、モチベーション維持や学習管理、弱点分析も簡単です。
(おかげで自分も365年毎日連続で学習できました!笑)

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さらに、正解したり連日問題を解くことによってレベルが上がったり勲章が手に入る仕組みによって、ゲームのように楽しく学習を継続することができます。

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このほかにも、DiQtではあなたの単語学習をサポートする機能をたくさんご用意しています!

ぜひご活用ください!


でも、結局、どの問題集から学べばいいの?

NGSL,NAWL,TSL,BSLをあわせると、DiQtには、ぜんぶで22種類も問題集があります。

これだけ種類があると、いったいどの問題集から解けばいいのかなんてわかりませんよね...。

もちろん、いきなりすべての問題集を解く必要なんてありません!

まずは4つの英単語帳のうち、基礎であり最も重要な『NGSL』の問題集から解きましょう!

ただ、NGSLの問題集だけでも6種類もあります。
いったいどの問題集から解けばいいのでしょうか?

こういうときは心理学に頼りましょう!

認知心理学には、「転移適切性処理説」と呼ばれるものがあります。

これは「学習とテストの状況が近ければ近いほど、学習効果が高くなる」という現象です。

転移適切性処理_transfer_appropriate_processing

この「転移適切性処理説」から考えると、あなたが「はじめにどの問題集を解くべきか?」は、あなたが英語を学んで「何をしたいか?」次第です。

もし「英語の文章が読めるようになりたい!」のであれば、最初に学ぶと良いのは『英単語をみて、和訳を答える』以下の問題になるでしょう。

一方で、「英作文が書けるようになりたい、英語で発信したい!」ということであれば、「日本語をみて、英単語を答える」以下の問題を解くと効果的です。

「英語を話したい、英語を聞き取れるようになりたい!」のであれば、「英語の音と意味を紐づける」以下のリスニング問題や発音問題を解くと良いでしょう。

「え〜、べつに英語を学ぶ目的なんてない!」という方にオススメするのは、4択形式の問題集です!理由は、英単語を入力するより選択肢を選ぶほうが簡単だし、サクサク進むので解いてて楽しいからです笑

でも簡単だからといって、選択肢型の問題集の学習効果がないわけではありませんよ!

まれに、「選択肢型の問題を解いても学習効果はない」といわれることがありますが、その主張に科学的根拠はありません。

語彙と意味の紐づけを学習する場合には、選択肢問題は記述問題と同じくらい効果的であり、むしろ学習効率の面からは選択肢問題のほうが優れていることも明らかになっています。
(もちろん転移適切性処理説から、単語のスペルを覚えたい場合には、選択肢式より記述式の問題を解くほうが効果的です。)

なので、安心して選択肢式の問題を解きましょう!

ほかにも、DiQtは、テスト効果や分散効果などさまざまな心理学に基づいて設計されています。
DiQtに採用している心理学の一部は下のモーメントでも紹介しているので、ぜひご覧ください。

大事なことを言い忘れていましたが、DiQtは、学習心理学に基づいた科学的に効果の高い学習サービスなのです。

【まとめ】
・まずはNGSLの問題集から解くのがオススメ!
・自分の英語を学ぶ目的にあった問題集を解こう!
・英語を学ぶ目的が明確でない人や、そもそもそんなに英単語を知らないという人は、NGSLの4択問題から解いてみよう!(最初は、英訳の4択問題がいいかも!)
・DiQtは心理学に基づいた科学的な学習アプリ!

Web版:

iOS版:

Android版:


英単語を覚えたら

英単語を覚えた方のために、頻出英熟語の問題集も提供しています。
詳しくは以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。


22/08/19追記:
単語データの改善にご協力ください!🙇‍♂️

このnoteで配布しているNGSLやTSLといった単語データは、すべてDiQtの英和辞書と同期しています。

そしてDiQtでは、ユーザーが自由に辞書を編集できるようになっています。

そのため、英和辞書の単語データを改善すれば、自動的にその改善がこのnoteで配布しているデータにも反映されるようになっています。

もし改善できる単語データを見つけましたら、ぜひ積極的にご編集いただけると嬉しいです。

今回、単語データを8000件以上改善して再配布いたしましたが、それもすべて、地道に編集してくださったDiQtのユーザーの皆さまのおかげなのです。


辞書の編集方法はとても簡単です。

まず次の辞書ページで、改善したい単語を検索してください。

以下の画像のように、検索結果の単語には、「項目を編集する」と書かれたリンクがございますので、そこから単語を編集してください。

スクリーンショット 0004-08-19 19.33.10

編集方針については、ガイドラインもご用意しています。

その他ご不明な点などあれば、Discordのコミュニティからも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!


ぜひ一緒に最高の単語データをつくりましょう!!


クレジット

【単語】
New General Service List by Browne, C. and Culligan, B.
New Academic Word List by Browne, C., Culligan, B., and Phillips, J.
TOEIC Service List by Browne, C. and Culligan, B.
Business Service List by Browne, C. and Culligan, B.
【解説】
EJDict-hand
【例文】
Tanaka Corpus
Japanese Wordnet (v1.1) © 2009-2011 NICT, 2012-2015 Francis Bond and 2016-2017 Francis Bond, Takayuki Kuribayashi
【改善&協力】
DiQtのユーザーの皆様

ライセンス

表示 - 継承 4.0 国際 (CC BY-SA 4.0)





あなたの貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!