見出し画像

香川県ゲーム規制条例を考える 問題の所在

 ゲームの利用を1日1時間に制限する香川県のゲーム規制条例について、執筆した記事、その流れ、参考になる記事を集めてみました。

 この条例は成立までに大きな問題を抱えていました。まず、情報非公開の姿勢ですね。議事録も残さず、会議もメディアに見せない。おまけにパブコメの即日公開も渋りました(後日、メディアの情報公開請求で明らかになっています)。

さらにパブコメの募集期間が、通常の半分の2週間で、一般の意見は香川県内のみ。寄せられた条例賛成の意見は「8割」としながらも、実は意見の誤字脱字まで同じものが多数。パターン化しており、偽装工作の疑いがあります。

2020年5月14日、条例について、高松市の高校生と母親が「基本的人権を侵害された」などとして、県を相手に国家賠償請求訴訟を起こす準備をしていると報じられました。訴訟費用はクラウドファンディングで捻出するそうです。

「ゲーム条例は憲法違反で人権侵害」高校生が香川県を提訴へ(KSB)
http://www.ksb.co.jp/newsweb/index/17324

20202年5月24日、香川県弁護士会が「条例は、憲法が保障する自己決定権を侵害するおそれがある」などとして、条例の廃止などを求める声明を発表しました。浜田恵造知事は「憲法の理念や法令上の規定に反したものではないと考えております」と実質的に反論しています。

ゲーム条例の廃止を…香川県弁護士会が異例の会長声明(KSB)
http://www.ksb.co.jp/newsweb/index/17429

条例案から浮かぶ三つの疑問 “ゲーム狩り”の第一歩(2020年1月配信)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20200126-00160162/
エビデンス(証拠)がない、条例がゲームを知らずに設定している、WHOのゲーム障害について妄信している……の三点から説明しています。

令和によみがえった「ゲーム脳」の“亡霊”(2020年2月配信)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20200216-00163200/
条例の音頭を取った大山一郎議長が、疑似科学として(少なくとも現段階で)否定された「ゲーム脳」の理論を元に、条例を推進したことに触れています。

条例案 パブコメの件数が語る“真意”(2020年3月配信)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20200315-00167818/
※賛否を問わないはずのパブコメに対して「8割賛成」をリリースで協調。それを受けて大手メディアが、疑うことなくそのまま報じた点を疑問視しました。

イチから分かる 香川県ゲーム規制条例解説(2020年4月配信)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20200419-00174085/
※条例成立後、メディアがパブコメ「賛成8割」の偽装工作を追求しています。

WHO「ゲーム依存」疾病認定までの6年間、舞台裏の記録(2018年9月)
https://www.huffingtonpost.jp/higuchi-susumu/smartphone-addiction_a_23543061/
ゲーム依存の危険性を訴える久里浜医療センターの樋口進院長が、ゲーム依存を病気としてWHOに認めさせたことを語っています。

国内中高生93万人にゲーム依存の疑い?!が報道される前に(2020年2月)
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20200206-00161937/
カジノに精通する木曽崇さんが、樋口院長がゲーム依存をアピールするデータの“トリック”について解説しています。「93万人のゲーム依存」の論理は、あらゆるところで使われています。

井出草平の研究ノート 2006年大山氏議会発言(2020年2月)
https://ides.hatenablog.com/entry/2020/02/14/170311
ひきこもりや不登校などの社会学が専門で、条例案を批判している大阪大の井出草平・非常勤講師が、大山議長の昔の発言をつきとめ、問題点を指摘しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?