クロコムラサキ

クロコムラサキの採集地と採集方法

普通コムラサキは茶色地に橙紋の蝶なのですが、劣性遺伝で黒地のものが現れることがあります(↓画像右側)。これをクロコムラサキと呼んでいます。

こむらさき

褐色のコムラサキは全国に広く分布するのですが、クロコムラサキの分布域は限られ、多く見られる場所は主に本州中部付近に集中しているようです。特に奥能登のコムラサキは劣勢遺伝子100%で、クロコムラサキしかいないとされています。

長野県の山なんかでコムラサキを見る時は、だいたいそこらじゅうコムラサキが飛び回っています。目線の高さまでびゅんびゅん滑空して、おちょくるように人の周りを飛び回る、食樹を見れば枝先に翅を開いて止まっている、樹液にも止まっている、という蝶で、確かに飛ぶスピードは速いけれど、割と捕れるチャンスのある蝶に見えると思います。

ところが、クロコムラサキがよく見られるような場所でのコムラサキは生態が違います。そもそもコムラサキは集団でそこらじゅう飛び回っていません。夕方に数頭の雄が食樹の上で団子になって喧嘩しますが、夕方以外は意識して探さないと目につきません。時々高い枝先にチラリと飛ぶのを追って、捕るチャンスを計る蝶です。
そして環境も違います。こちらではヤナギの複数生えるような河川沿いは、藪になって人の侵入を拒むか、綺麗に整備されて数本の大木しか残っていないかどちらかです。

そういうわけで、クロコムラサキの採集はそもそもがハードです。がんばったってめったに捕れないのがクロコムラサキだと思っています。
長い竿が扱えず速く飛ぶ蝶を捕るのが苦手な人にはまず向いていません。
だけどそれでもどうしても憧れのクロコムラサキを捕りたい!という人のために、どんくさくても採集の可能性のある採集地と採集方法を書き記します。

※ここに書く場所と方法はどんくさい人向けです。
そもそも長い竿が扱えて速く飛ぶ蝶が捕れる自信のある人は他に行ってください。

採集地について

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