苦手な業務を繰り替えす中で見つけた、Job Descriptionの大切さ
苦手な業務との対峙
2018年10月にぼっち採用担当として入社してから1年間、職種もレイヤーも様々な採用に向き合って来た。種々の採用活動はもちろん、採用継続の是非を判断するために事業部の数字に向き合ったり、自分のやれることの幅が圧倒的に広がった感覚があるのだが、未だに極めて苦手にしている業務がある。
こればかりは一向に慣れる気配がない。全くテンションの上がらない業務である。
通勤と退勤(帰宅)だ。
ちなみにオフィスにいる時間や、オフィスで働くこと自体は好きだ。シャワーとPS4とテンピュールさえあればすぐにオフィスに住むことを決意できる。
最近、この一向に慣れない動作をしていて、少し面白い気づきがあった。
ほぼ毎日すれ違う人がいるのである。
厳密に言えば、同一の一個人ではない。「職種」とも言うべきか。
「警察官」だ。
今所属するREADYFORは、9月末にオフィスを移転した。
ご覧の通り、皇居の目の前に位置しており、治安維持のため常に警察官がゆったりとした動作で巡回をしている。
それはそれは圧倒的な治安の良さである。
ドトールは21時に、居酒屋は22時に閉まる。めんどくさい酔っ払いに出会ったことがない。なんなら最寄りのファミマすら23時に閉まる。
先週、全く車が見えない状態で赤信号を渡ったサラリーマンが警官に注意されていた。それくらい平和である。
通勤は池袋駅からしている。
みなさんご存知の通り池袋というのはあまり治安がよろしくない(エリアによるのだが)。僕が住んでいるこの5年くらいでも全国ニュースで報道されるような生命に関わる事件・事故が何度もあった。。。
池袋の警察官からすれば客引き同士の喧嘩ですら放っておきたいレベルだろう。赤信号の横断なんか眼中にないはず。
そんな両極端な世界を行き来していて思ったのだが、この人たちは同じ「警察官」なのだ。なのにこうもミッションや環境が違う。半蔵門の警察官は巡回する(存在する)ことにより犯罪を抑止するという役割があり、池袋の警察官は有事の際の事態収拾にメインの役割があるだろう。
「職種名」の無意味さ
どこかから怒られそうなので、そろそろ本題に入ろう。
そう、「警察官」という職種名は意味をなさないという話だ。
「警察官」という言葉の存在自体は否定しない。
なぜなら、同一クラスタのものを大雑把に一義で解釈しようとする方が圧倒的に楽だからだ。「大阪人は面白い」「ベンチャーは忙しい」「Twitterは民度が低い」などなど。個別にみれば例外だらけだったりするのだが、まあそういう括りが許容されてきたし、自分自身極度のめんどくさがりとして易きに流れることを強く否定はできない。
ただ、採用においてはそうはいかない。
重要かつ不可逆な組織の生死に関わる意思決定だから。
Job Description(=JD)はそういう「楽な」クラスタリングに対するアンチテーゼに他ならない。
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「人材紹介事業部 マネージャー」という採用ポジションがあったとしよう。
なんとなくの想像はつく。ただ、これだけで十分なマッチングは生み出しづらい。
「良質な求人の獲得が急務」なのか
「Crowd Agent使っているから案件獲得は不要」なのか
「ネームバリューで安定した登録者獲得ができている」のか
「立ち上げ期でタレントリサーチが必須」なのか
「売り上げを伸ばして欲しい」のか
「従業員満足度を高め離職率を下げてほしい」のか
事業として「職種を広げていく」のか
「ニッチ領域のNo.1を目指す」のか
現状や目指す未来によって必要な能力や立ち回りは違うはずだ。
石倉さんの記事にもあったように、結局は採用=課題解決の手段でしかないのだ。その課題がすりあってないと採用による課題解決はできなくなってしまう。
JDのまとめ方
では、どのようにJDを作っていけば良いのだろうか。
正解はないと思うのだが、5W2Hで整理したらなんとなく大枠はできるんじゃないだろうか。
・Why(なぜ / なぜやるのか、なぜオファーするのか)
・What(何を / 何を達成してほしいのか)
・with Who(誰と / 組織体制。上司や同僚の経歴、得意ゾーンとか)
・by When(いつまでに / ミッションの期限とか、行動サイクルとか)
・(from)Where(どこ(から) / 今の状況・環境、マーケット立ち位置)
・How much(いくらで / 使える予算・リソース)
・How(どのように / 手段。まあなくてもいいと思っている)
必ずしも全てを求人票に落とし込む必要はないかもしれないが、すべての採用活動において(Howを除く)これらを明確にした上で動き出したいと常々思う。
一方でこの世の求人はHow(≒業務内容)にフォーカスが置かれた求人が多い気がしている。Howだけでなく全体感をしっかり共有することで、できることの拡張性は明らかに変わってくるのではないだろうか。
手前味噌ながら、個人的に頑張って書けた求人。他チャネル含めて20名くらいお会いしたが、そもそもの価値観やスタンスのズレを感じた面談は1件もなかった。情報は一部当時のものがそのままである。ご容赦いただきたい。
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入り口がJDなら出口は「オファー」だ。
「理想だなー」と思ったオファーがある。
クラシルからBasecamp坪田さんへのオファーだ。
経験を求める採用においては、このようなオファーを基に、「じゃあ条件はこれくらいっすかねー」「そうっすねー」という合意がなされる世界が理想かなと思ったり。一方的な提示ではなく。
最後に
最後に出す話でもないのだが、採用においては「要件定義」が8割だと思っている。次に填めるピースを正しく縁どれるかが重要だ。
僕は少なくともREADYFORにいる間は「ミッションの明確でない採用はしない」と心に誓っている。
一方で事業・組織は変化していく、今あるその人のミッションが永遠にあるとは限らない。
その変化に対して、「採用する側」がどう向き合うかはまた別の機会に。