青春の当事者

お風呂に入りながらインスタグラムを徘徊していたら、ほとんど運命的な音楽と出会った。

なんと形容すべきだろうか。簡単に天才という言葉を使いたくはないのだけれど、さしずめ「青春の天才」というべきかな。
シティポップの懐かしさもありつつ、R&Bのような都会的な音の響きがある。耳に残るキャッチ―なメロディーと、心が落ち着くような安定したリズム。
どんな人たちなんだろうと思ってプロフィールに飛んだら、「現在受験のためライブ活動休止中」と書いてあった。青春を塗り重ねるな、私へのダメージがでかい。

長い事、青春コンプレックスだった。振り返ってみれば、そこそこしっかり青春しているんだけど、一つのことに打ち込むことができなかった。高校三年間ですっかり根性なしができあがっていた。そのことがずっと足かせになっている。
中学生の頃はずっと、高校生は無限の可能性があると思っていて、毎日充実しているんだと思っていた。それはまったくのまやかしで、可能性があることは間違いないが、充実度は各々の努力による、ということに卒業してから気づいた。
それ以来、どうしてあの時もっと一所懸命に頑張らなかったんだろう、ということばかりが胸に残って、結局大学生になっても吹っ切れず、最後の青春の機会を失った。大学生になっても、いくらでも青春できたなって、結局また卒業してから気づいた。
後悔していると目の前のことの魅力とか、可能性とか、良さみたいなものに一生気づかないまま、ただただ時間だけが過ぎていく。そのことに気付くまでずっと、高校三年間を後悔して、コンプレックスを抱えたままだった。

大好きな漫画に、大好きなセリフがある。
「年をとって まず無くすのは”勇気”です」(『おまけの小林クン 7』森生まさみ)
勇気がある限り、私も頑張れるだろうか。体は年齢とともに年をとっても、心はまだまだ若くありたい。社会の役割は果たすけど、そのうえで好きなことができるのが、大人の魅力だと思う。
おそらく、かつての私なら、ほんの最近まで、彼らを嫉妬の目で見ただろう。しかし、いい加減私も大人になった。彼らが、彼らの頑張りたいところで頑張れるように、社会を回すのが社会人としての私の役割だ。彼らよりもずっと若い人たちも、大人になりたいなと自然に思えるような世界を作りたい。
でも、一所懸命に新しいことに挑戦するのは、私が私らしくあるための私の役割だ。そのことも忘れずにいたい。いつまでも青春、していいんじゃないかな。

素敵な音楽がこの先もずっと続けられるように応援しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?