新緑の季節の映画記録(5月に観た映画)
2024年のちいさな目標、それはコンスタントに映画を観ること。
もう10月!しかし記憶はまだ5月…(振り返りレビューちう)。
記憶と記録によると、5月は娘のリクエストに応えて観た映画が2作品(うち1作品は2回目w)。
この月は映画以外にも展覧会などのお出かけもあったので、自分の趣味で観たのは2作品のみでしたが、このふたつがなかなか印象深く…!
というわけで、忘れかけた記憶を一生懸命掘り返しながらの5月の鑑賞記録を、どぞ。
『異人たち』
山田太一さんの『異人たちとの夏』のリメイク。予告を観て気になっていた作品なんですが、これが、すごおく良かったのですよ…!
今年観た作品の中でかなり印象深い作品。
映像の質感がとてもよき…(すばらしく好み)。ちょっと靄がかったような、日常と非日常が溶けていくよな質感、というかテクスチャーというか(意味一緒やん)。どこか現実離れしている浮遊感があって、だからこそ、この状況は長くは続かないだろうな、という不安もずっと在って。危うくも保っているバランスだからこそ、愛おしくて、大切で…。そんなアンビバレンツ(←言ってみたかっただけ)な感じが最初からずっとあるから、観てる方もずっと孤独で、ずっと泣きそう(てか泣いてた)。
最初に主人公アダムが外から自分の住むアパートメントのビル全体を眺めるシーンがあるのだけれど、そのシーンがアダムの状況を象徴しているようで、静かで、孤独で、寂しくて、でも、すごく幻想的でした。
ラストも美しくて、観る人に委ねられるような終わり方だったように思えます。家族との最後の場面では号泣必至。映画館なんでかなり頑張って自重しましたが、家でひとりで観てたら絶対嗚咽漏れてしまうくらい泣く自信あり(今思い出しても泣ける)。
個人的にはとても哀しいラストに思えたのだけれど、もしかしたら違う解釈もあるのかもしれない、或いはあれはもしかしたら希望になりうるのかもしれない。そんな風にあとで思い返せたから、それがちょっと救い。
原作小説『異人たちとの夏』は未読だったので、余韻を味わう良い機会と思い、本屋さんで探したけれど見つからなくて。後日、図書館で借りて読みました(表紙の装画がホックニーやったのが私的に「をを!!」ってテンションあがった瞬間)。
原作小説版の感想は、「怖っ!!ホラーやん!!」。主人公の設定が山田太一さんと被りすぎて「実録ホラーかよ!!」ってツッコんだのは私です、さーせん。だけど不思議と、あの「空気感」は同じなんですよね…。日常と非日常の溶けていく感じや浮遊感。だけどこちらがもともとの原作だから、
アンドリュー・ヘイ監督のこの作品はうまく空気感を再現されてるんだろうな、と。
大林宣彦監督の映画版『異人たちとの夏』はまだ観てないのですが、一度観てみたいなと思っています。でもちょっと観るの怖いよぅ(ホラー味強そうで)。
今回観たヘイ監督作品はどちらかというとファンタジー的な色合いを感じて、それがとても好みな作品でした。あ、でもちょっと絡みがある(R15+)ので、気になる方はひとりで鑑賞あれ。
『名探偵コナン 100万ドルの五稜郭(みちしるべ)』
娘はんのリクエストで2回目です(1回目は4月に鑑賞)。2回目というだけあって、落ちついて観られました。娘とツッコミ入れながら楽しめた。早くも来年の次回作が楽しみやね(続きっぽい!)。
『悪は存在しない』
こちらも予告で気になっていて。なんとなくいいな〜と思って観に行ったのですが、カンヌで話題になった『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督の作品とな(知らんかった奴)。さらにこの『悪は存在しない』は、同じく『ドライブ・マイ・カー』で音楽を担当された石橋英子さんのライブパフォーマンス用の映像『GIFT』と対になった作品、とな(知らんかった奴)。
物語の舞台は自然が豊かな高原。小さな集落にグランピング場建設の話が持ち上がり、住民説明会が開かれるが、やってきたのは東京の芸能事務所の社員。実はこの計画はコロナ禍のあおりをうけた芸能事務所が「補助金ありき」で計画したもの。よってツッコミどころありまくりのテキトープランニング。水源や森の環境を崩しかねないこのずさんな計画に、住民は当然反発する。
…というストーリー仕立てなのですが、前半の穏やかな感じから一変、
終盤からラストにかけての展開が「え?」「え!?」「ええっ!?」てな感じで、
急に変貌して終焉を迎えます。
え、あれどーいうことやったんやろ…!?なんかメタファー的なアレか…?
てな感じで、めっちゃ気になるし、考えちゃう…!!
(逆に考えんかった人います?)
思いっきり何か投げてきたな!?みたいな衝撃。
観た人同士で語り合いたくなる作品。考察したくて「もっかい観に行くか?」ってめっちゃ思った(予定合わずに断念したけど)。
え、濱口監督てこんな感じなんデスカ…!?
え、『ドライブ・マイ・カー』も観てみっかな…??と、俄然監督の他の作品も気になり出す。
ちなこちらも話題になった『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹さんの原作ということしか知らず、恥ずかしながら村上作品に馴染みのない私はあまり食指が動かず…(個人的理由)、しかしこれを機に観てみるか…?なんて思っております、恐るべし、濱口監督。そうだ、肝心の音楽、石橋英子さんのも不穏でよろしおしたでおます(何語)。
『ウマ娘 新時代の扉』
こちらも娘はんのリクエストにより、無理くり連れていかれる。公開初日が自分の都合が良かったため、娘はんの帰宅後に近くのシネコンへGOしました。結構人入っててびっくり、人気なんですね…!
『ウマ娘』の設定はかろうじて知ってる、くらいのまっさらな状態で観る。
私が細かいツッコミという名の疑問を差し挟むと娘に怒られるので大人しく観る。観る。娘はんはちょっと感動していたらしい。鑑賞後、もれなくグッズを購入すべくめっちゃ悩んでおられました。母は隣で「まだかえ~?」と待機しておりました。娘孝行完了。
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そんなこんなで5月も無事映画を4作品鑑賞いたしました(うち1作品は2日目、もう1作品は娘リクエスツ)。6月は『オッペンハイマー』(4月鑑賞)と並んで気合い入れて観たいあの作品や、原作ファンのあの作品となかなか珠玉の映画鑑賞となります…!その時の感触を思い出すべく、せっせと記憶の掘り起こしをば。その前に9月のレビューが先になるやもてますが、またお会いしましょう、アデュー。
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