サバンナワゴン
今日の夷隅川河口、天候は晴れ、北の風オフショア、波の高さは腰
なんていうサーフィン情報を聞いてから千葉へ向かったのだった。
昔、自分はサーファーだった。
クソ下手なサーファーだった。
毎週日曜日は千葉へ行くのだった。
あの頃は土曜日なんて、休みでもなんでもない平日だった。
金も無いのにボロいワゴンを持っていたのだった。
月賦で買ったボードとウェットスーツも持っていたのだった。
片岡義男の小説が好きで、オールデイズの曲を聴いていたのだった。
頭はマッシュルームで、いつもビーサンを履いていたのだった。
アメリカ人とのハーフで、元自衛隊員のメイ君と一緒にサーフィンしに行っていたのだった。
彼はバカでかいアメ車が好きで、ど派手な赤いアメ車のオープンカーを持っていた。
走ると、ドドドドっとすんごい音がしたのだった。
燃費が恐ろしく悪いので(リッター2キロくらいじゃなかったか)、
サーフィンに行く時は、自分のサバンナワゴンで行ったのだった。
ロータリーエンジンは、灯油で薄めたガソリンでも走るのだった。
ガソリン代を節約できるのだった。
千葉のドライブインでトルコライスを食べたのだった。
普段はポークビーンズを食べたりしていたのだった。
なんだかアメリカかぶれだったのだった。
いつだったか、自分が嫌になって、日記帳や写真を全部捨てた事が有った。
なので、昔の写真が殆ど無い。
奇跡的に数枚残っていた写真です。
金も無いのに、なんであんなに楽しく生きていたんだろう、と、
不思議な気持ちで時々思い出す事があります。
あの頃の雰囲気がぎっしり詰まった映画「メイン・テーマ」が大好きです。
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