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江戸弁 東京の話し方

自分は東京の山の手生まれ。

ご幼少の頃はお金持ちの家のお坊ちゃまだった。

東京の文化は、山の手と下町に分かれていて、ずいぶん違ったりする。

下町は割と有名だと思うけれど、

べらんめぇ調で喋る、江戸落語に良く出てくる八つぁん熊さんみたいな、

てぇへんだてぇへんだ、だの、何を言ってやがんでぇ、みたいな話し方。


山の手の喋り方は随分違っていて、ちょっと上品ぶった喋り方です。

お父様、お母さま、それでは行って参ります、みたいな感じです。

自分が子供の頃、一緒に住んでいた従妹の女の子が「わたし」というと

「わたくし」と言いなさいと直されていたりした。

5歳くらいの女の子が「わたくし」というのがなんだか可笑しくて、

大人たちもちょっと笑っていたものだった。

「ただいま帰りました」と帰って来ると、

「あ、わたくしが帰ってきたよ」とか言って笑っていたのだった。


現在使われている、いわゆる「標準語」というのは東京の山の手の言葉が元になっているそうだ。

今ではNHKでさえも、普通に「ド真ん中」と言うけれど、そんな言葉を使うと、

「まんまんなか」と言いなさいと叱られたものだった。

江戸は武士の町だったので、関西とは随分違う文化が有った。

例えば、お店などの商人は、大阪とはまるで違っていた。

「へい、いらっしゃいまし」と揉み手で迎える様な文化は無く、

お客が来ると、「なんですか?」みたいな、まるで愛想が無い商人が多かった。

自分が生まれたのは昭和半ばなので、もうそういう商人も少なくなっていたけれど、

一度、浅草の観光目的ではない呉服屋さんに行った時に、そこの女将さんが、

「いらっしゃいませ」でも「こんにちは」でもなく、

「なんですか?」みたいな態度で出てきたのを目撃したことが有った。

士族の商法、なんて言葉を習った事が有りますよね。

もちろん、今の東京はそんな事はなく、みんな「いらっしゃいませ」なのだけれど。

山の手の人間はいつも気取っているかというと、そういうわけでもなく、

下町の喋り方にも影響を受けていて、くだけた雰囲気で喋る時は、

結構べらんめぇ調に近い話し方もしたものだった。

西の方の人からすると、東京の話し方はちょっとキツく感じる事も有ると思う。

なんだばかやろう、こねやろう、おめえなんか死んじまえ、

なんて言うのは完全に東京弁で、かなり愛情を込めた言い方だ。

なので、西の方の人は、「てめぇ」、とか「死んじまえ」と言われたら愛されているのだと思ってください。

また、話し方が丁寧過ぎてちょっと冷たく感じる、と思う時も、江戸弁なのだと思ってください。

まあ、そんな江戸弁を喋る人も少なくなりましたけど、東京育ちの人には、部分的にそういう話し方が残っていると思います。

話し方が冷たいと感じた時はこの話を思い出してくださいませ。


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