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#019 死者を復活させたいなら本人の同意があった方が良い

生成AIによって死者が話しかけるような動画を作成している人がいるようですが、この辺りは流通してきた場合法整備が必要だと思います。

私自身でイメージすると、死後に「意図しない発言」が動画として作成されるのは嫌です。死者は当然ですが口が塞がっていますから、何も抵抗できない「弱い」存在です。こうした弱い存在に対して一方的に想像で発言を再現するのは倫理的に良くないです。自分が意図した発言と違っていた場合に反論ができないですから・・・。


「本人の同意」と「発言範囲の提示」


近親者が亡くなった際にまた会いたいという需要はわかるので、こういったサービスが普及するのは避けることができない流れだと思います。その際、「本人の同意」と「発言範囲の提示」は必須だと思います。記事にもありますが「死者への冒涜」にならないかの注意は必要です。


本人の同意ってどうするねん、という話ですが、これは臓器提供みたいに生前に何らかの形で署名つきで証明書を持っておくことだと思います。これらがない場合、本人の同意なしに生成AIによって動画を生成し、発言を加えることは違法とすべきでしょう・


発言範囲の提示は、死後に意図しない発言が繰り返されるのを防止する目的です。どのレベルの発言までは生成AIでしても良いのか、などの範囲を定める必要があるでしょう。コービー・ブライアントなど発言力のある有名人が死後に「実は中国の政治は・・・した方が良いと思っています」みたいな発言をしている場合、影響力が大きいので対策が必要だと思います。まさに「虎の威を借る狐」のように死者の発言力を利用する輩も出てくるでしょうし・・・。


死者への冒涜は罪になるのか


wikipediaによると、現在でも、客観的事実ではない冒涜は罰せられるとのことでした。生成AIによって死者を蘇らせた場合、「発言させている」とみなされそうなので、やはり客観的事実とは虚偽の発言をさせた場合は死者への名誉毀損となりそうです。

死者に対する名誉毀損は、その事実が(客観的に)虚偽のものである場合にのみ成立する(刑法230条2項)。

死者に対する名誉毀損罪の保護法益については、議論があり、4説挙げられている。(1)死者に対する社会的評価(追憶)という公共的法益。(2)遺族個人の名誉。(3)遺族が死者に対して抱いている尊敬の感情。(4)死者自身の名誉。通説は(4)である[1]。

wikipedia


死者への扱いは倫理として超えてはいけないラインがあるので注意が必要ですね。

おしまい。

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