シカの頭蓋骨ありますか?(上)

 東京に住んでいても頻繁に行く場所と十年は住んでいるのに一度も行かなかった場所とかがある後者の代表は銀座とか有楽町とか六本木だ。伊勢丹とかなんて入った記憶もない。きっと私には関係のないものが売ってるんだろう伊勢丹。きっとなんかの薬屋だ。小さい丸薬でも売ってるんだわ伊勢丹。そういう薬は飲まないからいいんだ。銀座とか有楽町とか六本木とか、私の友人は誰も誘わなかったな。きっと彼らもそっちには縁のない人らなんだろう。六本木ってダウンタウンブギウギバンドの歌詞にも出てくるから知ってるくらいで字をみたら八戸とか二十四軒みたいなイナカ臭い地名だななにがカッコマンだきっと6本の木が生えてたんだろう昔の地名なんかそんなもんだ。

 札幌に数十年も住んでたら市内の道路はだいたい走ったことはあるのだけど、それでも十年に一度とか二十年に一度みたいな地域はある。私にとってそれは平岸とか白石とか南郷とか北郷とかだあっちはなんとなくしかわからない。
 ちょっと探し物があったので豊平方面に出かけた。あそこは祖母が住んでいたのでちょっとわかるが、そこから南平岸つまり元の霊園前駅にいくと「こんな道走ったことがないわwww」に出くわした。まあそこも難なくクリアし、せっかくだから大谷地に20年前にあった夫婦でやってた古道具屋でもみてみようかでもまちがいなくもう廃業している。跡継ぎはいなそうだった。当時で私の二十くらい上だった。

 動物の骨を集めるのが趣味だった時代がある今でも集めているが前ほどの熱意はない。見かけたら買ったり拾ったりする。肉を買ってきて自分で骨取り作業もしていた。そんな時代にその店に立ち寄り、
「シカの頭蓋骨ありますか?」
とか訊いた。店主の男性は「あー、あったかも!」といいながら奥の別棟の倉庫に入っていく。奥の方によじ登る、そして「あったー!あ!!!!!」と声を上げる。その声を表すために太文字にしたそのくらいの「あ!!!!!

 下半分が段ボールだったその鹿の頭蓋骨は正確には頭蓋骨ではなかった。

(ここからすこしグロい描写があるので指先くらいのグロさも嫌だという方は引き返してくださいそして「スキ」だけ押してください「スキ」を押しますと今週末あなたとあなたのまわりにいいことが訪れますグロい話は次回書きます)
(つづく)

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