ブックオフは終わったのか?/MATANAの臨界点
都内にてブックオフが10月に続々と閉店していくようだ。
このままブックオフは終わってしまうのだろうか。
新古書店という新基軸
2000年代に一世を風靡したブックオフ。
古本のみならず出版社が売り捌くのに難儀している「新古書籍」を販売することで人気を博した。
古本販売もブックオフのような大規模書店は当時存在せず、古本を身近に購入できるようにした功績は大きい。
ブックオフもいわゆる「規制緩和」の申し子であり、自民・公明連立政権の落し子なのだろうが、今日はそれについて筆を避けようではないか🥴
業績好調なのに閉店?
上記でリンクを貼った週刊現代発・Yahoo!経由のニュースによれば、
直近においてブックオフは売り上げと経常利益が増収増益だったとのこと。
確かに2024年8月の売り上げは2023年8月に対して107パーセントとなっており、7パーセント増で好調に見える。
これを根拠として、ブックオフは好調だったとして上記記事は論を進めている。
だがちょっと待ってほしい。
「売上」というものは、ビッグセールを行えばいくらでも増えるものだ。
閉店セールをすればその企業の売り上げはバカほど伸びる。
灯籠の火は最後に最も激しくなると市場相場で決まっているのだ。
ブックオフが在庫一掃セールを行ったため売り上げが前年同月比で増加した確率は40%以上ある。
「業績好調」と「投げ売りによる売り上げ増加」を混同してはならないのだ。
税理士試験・簿記論&財務諸表論2科目科目合格(1発!)の筆者を舐めてもらっては困る😉
まあ、今日は気分が良い。
ブックオフは業績好調だったということで筆を進めようではないか。
最強の図書館 ブックオフ
業績大好調のブックオフはこれから光り輝くビジネスモデルだ。
現下において紙媒体の出版がジリ貧になっている。
図書館も行政のコスト削減を受け蔵書数は減る一方だ。
結果、皮肉なもので紙媒体書籍の数が減ることで、紙媒体書籍の価値が上がっている。
その紙書籍を満天下の中で最も所有しているのがブックオフである。
だからブックオフにはこれから光輝く未来が待っているのだ。
冒頭のYahoo!経由の記事では「ブックオフは紙媒体書籍を主力に扱っているから斜陽は避けられない」という論調だ。
筆者はまったくそうは思わない。
「ブックオフはこれからどんどんどんどんど価値が上がっていく紙媒体書籍を保有している。だから光り輝く未来がある」という塩梅だ。
無手勝流 ブックオフの約束された未来
はっきり言ってブックオフはもう何もする必要がない。
これから右肩上がりで価値が上がっていく「紙書籍」という「お宝」を無数に抱えているのだ。
下手に現存の書籍を売却すればそれだけブックオフの価値が下がる。
ブックオフが処分すべきは、かつてベストセラーとなって10円買い取りでこれでもかとダボついている書籍(デフレの正体など)やCD(スキャットマン・ジョンなど)である。
問題なのは莫大な書籍を保管するコストだが、莫大な「お宝」の価値を勘案すれば、そんな些細なコストはいくらでも捻出できる。
Amazonが頑張って電子書籍化が進行すれば進行するほど、ブックオフの価値が上がる。
ブックオフは何もしなくていいのだ。
Amazonが額に汗して頑張るだけで、紙媒体のタマ数が減って紙媒体書籍の価値が上がり、ブックオフの企業価値が鰻登りになっていく。
日本の小売業はくまなくAmazonにいっぱい食わされ続けているが、
ブックオフだけはAmazonを踏み台にした利益構造を確立していたのだ。
あのAmazonが小銭を稼げば、ブックオフにある紙が金に近づいていく。
なんという素晴らしいビジネスモデルなのだろうか。
現代のミダス王 Amazon? BOOKOFF!!!
ギリシャ神話に登場するミダス王は、手に触れるものを全てゴールドに変える元祖・スタンド使いだった。
Amazonは21世紀に入り、手付かずだったサイバー空間においてゴールドを作り出してきた。
だが覇者Amazonに陰りが見える。
皮肉にもAmazonが破壊してきたリアルの傍にこそ、新たな「金のなる木」が出現しているからだ。
MATANAの死角/日本企業の捲土重来
アメリカ大手IT企業の総称が「MATANA」。
マイクロソフト、アップル、テスラ、アップル、エヌヴィディア、アルファベット(グーグル)の頭文字をとったものだ。
詳しくはこの記事が簡にして要を得ているのではないだろうか…
このMATANAによって20年近く日本は蹂躙されてきた。
だが、虚業は所詮虚業。
実体と誠実さを伴ったビジネスこそが真に必要とされる。
アマゾンには利便があっても誠実さはない。
実体があるように見えて、日本においてAmazonという可視化実像は存在しない。
今更誠実さを装っても、それはアフターカーニバルだ。
超過収益力の低さを鑑みれば、
利便性で少しでも斜陽し始めた時。
それがAmazonをはじめとするMATANAの最後だ。
つまり、MATANAは常に勝ち続けなければならない。
だから諦めかけている日本企業はよく肝に銘じて欲しい。
MATANAの優位は常に薄氷の上にあるということを。
MATANAは日本企業に対し大きく水をあけているように思える。
だが実際には大した差ではない。
一瞬でもけたぐりをかませば、ひっくり返る僅差なのだ。
MATANAと日本企業の製品が拮抗しているとして、
誰が好き好んでMATANAを選ぶだろうか。
世界中でネコ一匹MATANAを選ばない。
MATANAはあまりに怨嗟を買いすぎた。
知ってるでしょ🥴
大差をつけなければ、世界中で誰もMATANAを選ばない。
それを知っているから、MATANAはつねに大量リードを求める。
しかも、上述したようにMATANAのビジネスモデルは、
必ずリアル経済のどこかに新たな金のなる木をつくる。
ブックオフの紙資産がその格好の事例だ。
日本企業にはこの「金のなる木」を絶対に逃して欲しくない。
簡単なことである。
MATANAがサイバー空間で勝ち続けようとすればするほど、リアル空間の資産価値が上がる。
極論すれば、何もしなければ勝てる。
やっこさんたちは何をしようが勝てない。
ブックオフの資産価値をもう一度よ〜く精査することをオススメして筆を置くとしよう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?