ベーシックインカムと情報デフレ/白い悪魔の相似形
このところベーシックインカムに関する話題で世界各国が持ちきりだ。
お近くのタイでは、何となんと、
国民の8割にあたる5000万人にベーシックインカムを開始するというアナウンスがなされた。
もうベーシックインカムは遠い対岸の花火ではない。
このベーシックインカム。
難しい事のように捉えれれがちだが、実は簡単なものなのだ。
国民はその個人情報を国家に託す。
その見返りとして、国家は最低所得を国民に支給する。
非常にわかりやすい。
これがベーシックインカムの基本構造なのだ。
今日はこのベーシックインカムと情報デフレとの密接な関係を述べてみよう。
情報デフレとは?
情報デフレとはこれまた聞きなれないフレーズが飛んできた。
だが、大丈夫。
情報デフレとは何だろうか?
説明しよう。
読者は情報デフレという言葉の意味が気になって気になって気になって仕方ない。
そこで、検索エンジンに「情報デフレ 若い頃」と打ち込んで検索をかける。
この時だ!
この時に、
読者の「誰が」「いつ」「どこで」「何を知らないか」といった個人情報がIT企業に筒抜けになる。
読者の個人情報が商品化されてIT企業に売却されたのだ。
結果、言葉の意味サービスという従来は有料の辞書がやっていたコトを無料で利用できる。
個人情報を商品化して売却した代金分だけ、値引きがなされ0円で言葉の意味サービスを購入したのだ。
このように、
1995年にインターネットが普及してからというもの、
我々は知らず知らずのうちに個人情報を商品化して売却しているのだ。
そして、個人情報の商品化代金は「商品の値引き」という形で価格を押し下げる。
つまり、個人情報の商品化にはデフレ圧力があるのだ。
こうした個人情報商品由来の価格下落並びにそれに端を発する物価下落を総じて、「情報デフレ」と呼ぶ。
30年デフレ、失われた30年の真実
日本では「失われた30年」と云われるフレーズがある。
バブル崩壊後、デフレ基調の不況で成長が失われたという含意だ。
期間にすれば1995年から2024年までと見るのが自然だろう。
では、なぜ日本は1995年ごろからデフレ不況に見舞われたのだろうか。
こうしてみると、
次のような仮説が浮かび上がる。
1995年にインターネットが普及して、個人情報の商品化が開始された。
個人情報の商品化売却は情報デフレバイアスを商品にかけはじめる。
そして、アジア通貨危機や公共事業削減などの物価下落要因と合流して、日本は1997年から深刻なデフレ不況に突入した。
これが上記年表から捻出される仮説である。
情報デフレバイアスが失われた30年ないし30年デフレの主因ではないかという仮説だ。
ベーシックインカムと情報デフレの本質は同じ
少し本題から逸れていたようだ。
話題をベーシックインカムと情報デフレの関係に戻そう。
ベーシックインカムの概念図と、
情報デフレの概念図を並べて観てみよう。
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これはスラムダンクの最終巻のようなものだ。
最大の危機にして最後の好機が訪れ…
流川から花道にはじめてのパスが通った…
もはや説明はいらない…
…読者が解釈を添えるだけ…という段階なのだ。
とはいえ、ここまで読み進めてくれた聡明叡智な読者に敬意をあらわし野暮を承知で説明を加えさせて頂こう。
ベーシックインカムの本質は国民の個人情報と最低所得給付の交換取引だ。
他方、
情報デフレの本質は、国民の個人情報商品とその商品代金の交換取引だ。
どちらも国民が個人情報を差し出し、金銭を受け取っている。
ベーシックインカムも情報デフレも、本質は同じなのだ。
個人情報と金銭の交換取引である。
情報デフレの終着駅がベーシックインカム
情報デフレは商品の価格に下落バイアスをかけ続ける。
商品の価格には人件費も含まれるから、情報デフレは人件費を押し下げて労働者の雇用と所得を奪う。
つまり、情報デフレは我々から雇用を奪っているのだ。
結果、国民はつぎつぎと失業し、日銭に事欠くようになっていく。
そこでベーシックインカム、基礎所得補償制度のお出ましとなった!
情報デフレによって物価ひいては人件費が下落し、国民がどんどん失業状態になっていく。
この貧困状態を救うために、タイなどの国家がベーシックインカムを導入する運びとなっているのだ。
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主演:個人情報 21世紀の絶対教養
では次に、
「個人情報」に着目してこの図を解釈しなおそう。
かたや、
個人情報を商品として、インターネットを介しマイルドに収集してきたのがIT企業であり、これが情報デフレと世界的な失業危機を招いた。
かたや、
個人情報をデジタル通貨などで、一気呵成に収集しようとしているのが国家であり、これが失業者救済のベーシックインカムとなる。
我々が生きている21世紀の世界は「個人情報」を中心に回っているのだ。