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コロナ禍における居宅検疫期間中の暮らしについて

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こんな生活(ウソです。というか引数をどこでもらってるんだよ。)
'''
i = 0 '''上陸日はカウントしない'''
while i <= 14:
    meal = quarantine(bodyTemperature, healthCheck, locationMonitoring)
    feel = Isolater.eat(meal)
    result = Isolater.do(Job, feel)
    i += 1

はじめに

先日のノートで台湾の入国時の防疫システムについてご紹介しました。その後、防疫タクシーに乗り、安心防疫旅館(Quarantine hotel)での14日間の居宅検疫生活が始まるのですが、放任されているわけではありません。
居宅検疫ではITがどのように使われているのか、居宅検疫期間中はどう過ごしているのかをまとめておきます。

防疫タクシー

空港の入国審査を抜け、外に出ると、通常ならばMRT(桃園捷運)一択なのですが、公共交通機関は使えません。先日のノートでも書いた「入境検疫系統」サイトで交通手段の申告をしていますので、それに従い防疫タクシー(防疫車隊)を使います。

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行き先のホテルの住所と自分の台湾の携帯番号を申込書に書いて、カウンターで料金を支払い、そのままクルマに乗り込みます。メータータクシーではなくハイヤーですね。

安心防疫旅館

安心防疫旅館(防疫ホテル)に到着して、フロントでパスポートを提示する。ここはいつもどおり。さらに例のスマホのスクリーンショットを送れと言われる。どうやって?

台湾はLINEが比較的カジュアルに使われていて「LINEでこのIDを友達登録して、ここに送れ」と言われる。っていうか、このID誰のだよ?
それ以前に私は日本でMVNO回線を使ってて、LINEの年齢認証を通していない、台湾のプリペイド携帯でも年齢認証は通らない(たぶん)ので、「IDで友達登録できないよ(誰だか知らないし)」と答える。

そうするとフロントが「じゃあ、ホテルのメアドに送って」と言うので、メールで送ることにしました。パスポート番号とか書いてあるんだけどなぁ。

「部屋に入る前に隣のコンビニ行っとく?」と言われたので、よくわからないまま、2Lの水を2本と台湾ビールを4本購入。今考えるとかなりミスチョイスです。

その時にフロントから「買い物行くなら携帯電話はここに置いたままで」と言われる。つまりすでにこの段階から位置情報が捕捉されているということです。そういうことなんだよ。

隔離生活の始まり

狭いホテルの部屋で14日間も滞在するのは気が滅入るだろうと思って、少し部屋のグレードを上げたつもりだったのだけど、少し期待しすぎてました。

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どうやら、部屋から一歩たりとも出させない気です。見えてないところでタオルも積まれてました。そして、大量に水あるし(台湾の水道は飲水ではないので備えつけの水があることに気づけば良かった)。

検温

一日2回の検温があります。朝食時と夕食時。いずれも部屋の入口まで食事が届けられる際に、おばちゃんに計測されます。計測結果はドアに貼ってある記録表に記入されます。

健康観察(電話)

事前の説明では毎日2回、台湾の携帯電話に健康状況を確認する電話が来ると言われていました。

確かに電話は来ました。でも初回の一度きり。名前とホテルの住所と部屋番号を確認されただけです。そして、またもや「LINEのIDを教えろ」と。

LINEのIDを教えても、(年齢認証してないから)そっちからもこっちからもIDでの友達登録ができないんだよ。と説明しても、全く理解してもらえない。とほほ。というか、LINEをユニバーサルサービスと捉えるのは間違いだと再認識しました。

結局その後、この人(地域で担当が決まっているらしい)のメールアドレスに私のQRコードを送り無事に登録となりました。私のLINEには知らん人がリストに載っています。

たぶん電話のやり取りにお互い辟易としていたのでしょうか。その後電話は来ることがなく、現在までLINEで健康観察が続いています。それが良いのかは私に聞かないでください。

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健康観察(SMS)

その代わり(と言ってはなんですが)、翌日から私のSMSに健康観察のメッセージが届くようになりました。こちらは衛生福利部からのようです。

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機械的に数字を入れて返すだけです。これもSMSを使った簡易ボットサービスだと思えば、実装は簡単だと思います。つまりショボい技術を使うという原則はここでも貫かれています。

ちなみに意図しない回答を入れると、やんわりと再入力を促されます。
エンジニアですから、やっぱりこういうのは試してみないとね。

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まとめ

今回は台湾での居宅検疫期間中の暮らしをITの切り口からご紹介しました。
ポイントは(繰り返しになりますが)ショボい技術の活用です。
個人を特定する手段は携帯電話の電話番号ですし、それなりの数の人間が関与しています。
前提条件が違うので比較してはいけないけど、日本のように公的個人認証に過度に依存して難しく考える以外の選択肢もあるということでしょう。自動化による人員の削減も本当に人が不足しているのならば考えるべきで、人がサポートする範囲はまだまだ多いのではないかというのが率直な思いです。

高価なITソリューションを使わずとも目的が達成できるのならば、その方が良いわけで、その見極め(ここにはリスク識別も含まれる)と「こうあるべき」という外野からの圧力に負けない行動が求められるのではないかと思います。


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