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【社会環境部会コラム】社会と環境について思うこと(19)川越の歴史、文化の再確認、そして…

川越を再確認し、情報を発信

 私は昨年、小さな出版社「仙波書房」を起業。川越市仙波町出身ということで、「仙波」の地名を付けて命名し、出版活動を行っている。

 記念すべき1冊目は、出身地である川越に存在する建物をテーマに企画検討を行った。起業前に知人と企画について相談する機会があり、その際に手厳しい言葉があった。それは、私が川越について勉強不足だということを強く指摘される。川越に30年住み、川越については熟知していたつもりであったが、実際のところ、何も知らないということを痛感した。

 このことを契機に川越の歴史、文化を再確認するために、多くの資料を読み、多くの人に会う機会をつくり、積極的に川越を知るように自らを変える。調べた情報を元に、地元の人々の話を肉付けし、人々による経験が加わることで、情報はよりリアルに昇華していく。

 人との出会いも、人が人を呼び、輪が拡がっていくことを実感。

 そして、今度は集めた情報をやさしく要約し、本にして発行。出版社として本の発行だけではなく、川越の建物本と連動したイラスト原画展、対談、街歩き、ツアーガイドなどを行うことで、さまざまなイベントでも集めた情報の発信を行う。そのような複合的な出版活動を現在も続けている。

「川越市環境行動計画」を一読

 さて、図書館で平成29年川越市発行の「川越市環境行動計画」を手に取った。こちらには、様々な立場の方が共働で「みんなでつくる自然・歴史・文化の調和した人と環境にやさしいまち」の実現をめざし活動を行ってきたのが、「かわごえ環境ネット」と冒頭に記されている。

 一読することで、「かわごえ環境ネット」の活動方向を再確認することができ、私は勘違いしていたことに気付く。

 これまで参加してきた活動内容から、「自然共生」、「安全・安心」という環境目標に目が行きがちであった。しかし、私の行っている川越を調べ、川越の魅力をわかりやすく紹介するという出版社の活動も「地域づくり・人づくり」のテーマ内に「歴史と文化を生かした地域づくり」とあり、私も協力できることがあるかもしれないということを確認するよい機会にもなった。

 先ほどの「川越市環境行動計画」内には環境に配慮した行動(チェックシート)の項目があり、「地域の歴史や文化に興味を持つ」という項目も含まれている。川越の建物本を通し、建物の背景となる川越の歴史や文化を紹介することで、多くの人に建物、川越を知ってもらうことができる。

 今後も会での活動に加え、出版活動を通し、川越の歴史・文化を発信する機会を多く提供し、川越市のよりよい環境づくりに貢献していきたい。

(神谷利一)

「川越市環境基本計画」と「川越の建物」の表紙

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