見出し画像

日本とワイン


畑にて、穴を掘っている。先程届いた苗木を植えるための穴である。
穴は直径50~60cm、深さ60cm。掘り返した土に腐葉土を混ぜ、深さ30cmまで埋め戻しす。そこに、根を広げた苗木を支柱に沿って真っ直ぐに立てる。そうして、再び土を被せていく。苗木の周りに円形の土手を作るようにし、水をあげても外に逃げないように、水鉢なるものを作る。最後に、苗木の先を少し切り詰めて、終了。

日本国内で栽培したブドウ100%原料に、日本国内の醸造所で造るワインを"日本ワイン"と言います。
今回は、我が日本には、日本酒、焼酎、クラフトビール…以外にも、"日本ワイン"があることを知っていただきたいと思います。


日本では、北は北海道の名寄を北限として、南は沖縄県の恩納村においてワイン用ブドウが栽培されています。故に、国内の畑(鉢植えでも)では何処でもブドウ栽培が可能です。そして、それを近くのワイナリー(醸造施設)に持ち込み委託醸造してもらえば(持ち込む量、ブドウの質にもよります。)、自分が栽培したブドウ100%のワインになります。
我々も、自分たちの住む町の畑で育てたブドウ(カベルネ・ソーヴィニヨン、マスカットベイリーA、シャルドネ、デラウェア、ピノ・ノワール)を、とある醸造所にて、"無添加"の赤ワインにしていただきました。
"無添加"というのは、やはり、自分たちの町の畑でできたブドウの個性を大切にしたかったからです。加えていえば、ブドウ栽培は、無農薬無施肥を実践しており、まさしく我が町の土壌気候の中で育ったブドウであり、他の土地には無い個性を持っているはずだからです。そして、醸造でもブドウに付着した畑由来の野生酵母で発酵し、酸化防止剤を含む添加物を一切使用しない醸造を行っておられる、醸造所を探して、無理を聞いていただきました。
もちろん、一般的なワインを造る方法ではありませんが、折角町内の畑で育ったブドウの風味を活かせるワインの方がストーリーを感じられるという考え方を持っていたからでした。
ワインとしては、とても満足のいくできでした。果実味からくる、厚み。酸はあまり感じないが、出汁感がとても自分好みでした。

さて、皆さんはどういったワインに魅力を感じるでしょうか?具体的に説明するのが難しく感じるワインですが、"日本ワイン"としてはどうでしょうか?
自分が生まれた日本という国で、都道府県で、市町村で栽培されたブドウを原料としたワインにストーリーや魅力を感じませんか?そしてそれだけでなく、日本に咲く花や果物、根菜、調味料、塩気、土の匂いなど"日本ワイン"からしか感じられないニュアンスがあります。そして、そのどれもが懐かしく、穏やかな気持ちにさせてくれます。
きっとそれは、ワインの向こうに畑を自然を感じられるからに違いありません。

まだまだ、ワインの文化、飲み手の数、日本の気候土壌に適したブドウ品種、栽培技術や醸造方法には、改善や発展の余地が沢山あります。
皆さんが飲むグラス一杯 、ボトル一本が日本ワインのアップデートに繋がります。
是非、今夜はお近くの日本ワインを置いているワインバーやワインショップで一杯、一本どうですか?


ご静読ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?