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ネットメディアと紙メディアの深い関係

ゲームやPCの雑誌が、ほとんど姿を消し、インターネットのメディアに変わってしまった。これは周知の事実である。とはいうものの、インターネットのメディアの経営者や創業者には、紙の時代を経験した人たちが結構いる。
 
例えば、ゲーム関係のメディア。『ファミ通.com』『電撃オンライン』はKADOKAWAグループなので言うまでもない。それぞれうまくインターネットメディアにシフトしている。
 
ゲームのインターネットメディアの老舗といえば『4Gamer.net』だろう。2000年から情報サービスを開始し現在に至っている。
運営会社Aetasの社長兼『4Gamer.net』編集長の岡田さんは、元の会社の後輩だ。彼が所属していたのは、シャープのPC専門雑誌の、最後期の編集部だった。
 
『Game Watch』を運営しているインプレスは、もともとアスキーの創業者のひとりで出版部門の責任者だった塚本さんが1992年設立した。
アスキー時代に面識があったので、インプレス創業のころ、三番町東郷元帥記念公園付近にあった同社を訪ねたことがある。社内のサーバールームを紹介してもらったとき、「これからはインターネットの時代ですよ」と言われたことは今でも覚えている。間もなくそういう時代になった。
 
『Game*Spark』と『GameBusiness.jp』『インサイド』を運営しているイードの代表取締役宮川さんは、元アスキーの出版関係の人だ。『月刊アスキー』の編集長だった遠藤さんに紹介してもらったことがある。
 
インプレス、イードともに創業者や経営者は、アスキーの出版部門の出身だ。アスキーのPC雑誌は1980年代から1990年代にかけて業界でや読者にブランド力があった。
『月刊アスキー』は不動のポジションだった。その別冊として独立したPCゲーム雑誌『ログイン』もまた業界にとってブランドになっていく。エンタティメント性の高い雑誌だった。
個人的に、宮崎さん、小島さん、河野さん、新井さん、高橋さんという歴代編集長と交流があった。それぞれのキャラクターを生かした誌面作りに独自性があり、おもしろかった。
 
インプレスとイードは、IT関連の情報メディアも運営している。
IT関連というと、アイティメディアの『ITmedia』に触れておきたい。
代表取締役社長の大槻さんは、元の会社の出版部門広告担当だった。当時はずいぶんお世話になった。とはいえ、自分の雑誌は、ほかのゲーム誌に比べてなぜ広告が少ないんだ、といつも文句ばかり言っていたと思う。
 
主要なインターネットメディアの創業者や経営者は、これまで説明したように雑誌出身者である。
こうした人たちが、紙メディアとビジネスモデルが多少異なるインターネットメディアで、それぞれ現在に至るまで成功を収めていることは元関係者として高く評価したい。

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