街の空気。
街の”空気”がかわりつづけている。人がどっと街にあふれたり、ぎゃくに街から人がいなくなったり。かならずしも病気になる人の数と正比例しているわけではない。偉い人がなにかいったから、かわるものでもない。
なにかのきっかけで、人々のきもちはうつろい、”空気”をかえていく。
二度目の緊急事態宣言が発出された翌日。緊張しながら会社にむかった。人の出はまだらだった。朝の太陽がまぶしくて、綺麗なコントラストをつくっていた。
それから人出は次第にへっていった。週末の夜の新宿三丁目地下通路。人でごった返すこの場所も、がらんとしていた。
東京の街が静かになるのは、めずらしいことじゃない。お盆とか、お正月は、繁華街は閑散としている。でもこんなに長く、人の姿がまばらになることは経験したことがない。
この街は、たくさん人がいることを想定されてつくられている。もっといえば、オリンピックで外国から人がくることをみこして、どんどんとビルをたて、その想定はどんどんふくらんでいた。
しかしその流れはすっかりかわった。たくさんのお店がシャッターをしめた。
長い停滞がつづき、街の空気がはりつめている。
「あの頃、みんなマスクしてたよね」
そんなふうに笑って話せる日が、早くくればいいのに。
あなたからのサポート、すごくありがたいです。