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夢と恩返し

1. 気付き

 実はつい最近まで私には明確な夢や行きたい事業部などはなかった。しいて言えば、「年収1000万プレーヤーになる」という漠然としたものだった。だから正直、すでに行きたい事業部が固まっている同期を見ると羨ましかったし、少し焦っていた。
 しかし、最近就職活動を終えて時間が経ち、改めて感じていることがある。これは就活当時は感じていなかったが、NCGを選んだ志望動機と呼べるものかもしれない。
 それは、キャリアアドバイザーとして一人でも多くの学生の就活を手助けするというものだ。

2. 救われた未来

 この経緯に至ったのには自分自身の就職活動が大きく影響を及ぼしている。
 私は大学4年間は工業大学に通っており、理系大学生だった。そこでは建築や環境について学んでいたので、業界研究をする大学3年まではその分野で社会人になるつもりでいた。しかし建築業界の将来性や大学院出身者でなければ希望する業務を担当することが難しいという現実を知り、大学で得た知識を活かすことをあきらめ、文系就職を決意した。
 「芝浦工業大学出身」ということに学歴コンプレックスを抱えていた僕は、書類選考をスタートとする選考ルートでは勝負できないと考え、「6社合同選考会」というものに参加した。これは参加者が1チーム7人ほどのグループに分けられワークに取り組み、その様子を各企業の人事が見て評価するというものだ。評価が高かった人は特別選考ルートに招待されることもある。僕は初対面の人とコミュニケーションをとることが苦手ではないので、「これならエントリーシートのみで判断されずに選考に行ける」と思ったのだ。僕はこの会に5,6回参加した。
 そしてある時、会の終わりに「キャリアアドバイザーに相談しながら就活をしてみませんか」とスタッフの人に声をかけられた。自分に合った企業を紹介してくれるということなので、迷うことなくお願いした。
 そこから先はキャリアドバイザーからのサポートを受けながら就活に取り組んだ。まず気付かされたのが、自己分析がほとんど行えていないことだった。エントリーシートを書くことをそれまで避けていたことが恐らく原因だったと思う。志望動機や自己PR、どんな環境の企業が向いているかなどキャリアアドバイザーの方との面談で初めて自覚することが多く、プロの第三者の目の大切さを存分に感じた。
 この自己分析のステップを終えると、キャリアアドバイザーの方は僕に向いてそうな企業を次々に紹介して下さり、自分はどんどんその選考を受けに行った。もちろん一次選考で落ちることもあったが、2次・3次選考に進んだ企業もあった。その1つがNCGだった。ところがNCGの最終選考手前までいったところで僕はまた壁にぶつかることになる。担当リクルーターとの面談だ。最終選考に進む前は全員必ずこの面談があるというのだが、僕の前は特に長かったと思う。
 その人との面談では、まず今までの僕の就活に対する姿勢を改めさせられた。この企業は何を事業としているのか(企業分析)、働くとはどういうことなのか、どういう働きの対価として「年収1,000万」を獲得するつもりなのか、徹底的に考えさせられた。またしても、プロに自分の甘さを自覚させられた。
 何度もこの面談を繰り返し、紆余曲折あってなんとかNCGの内定を獲得することができたが、時期が7月の終わりということもあり受かったのは本当に奇跡だと思う(キャリアアドバイザーの方の人もそうおっしゃっていた)。

3. 新入社員離職問題

 長くなってしまったが、これが僕の就活だ。あの時キャリアアドバイザーと出会っていなかったら、NCGと巡り会っていなかったらと思うと、どうなっていたか恐ろしくてたまらない。ひょっとしたら、内定を頂いた(行きたくもない)企業に適当に入り、「働きたくないなあ」と思いながら4月までの期間をぼんやりと過ごしていたかもしれない。
 ただ、この「あったかもしれない未来」は多くの学生が陥っているルートなのではないかと僕は思う。新入社員の3割が3年以内に離職しているという現実がなによりそれを物語っているのではないだろうか。

資料

さらにその離職理由ランキングがこちらだ(2018年 The Adecco Group調べ)。なんと業務内容に関する理由が3割以上を占めているのだ(1,3位)。

大卒3年以内離職理由

 どうしてこのようになってしまうのか。僕なりに一つ感じていることが「就職することへのモチベーションが就職活動を通して十分高められていないのではないか」ということだ。就活において一学生が自分で考えられることには限界がある。
 僕の場合は自己分析ですら一人ではできなかった。あのままでは内定先を探すのに必死で、「内定をもらうこと」が就職活動の目的になっていただろう。
 さらに自分がどういう働きをしたいのか、ということも一人では考えられていなかった。それこそ、「自分の希望と業務内容のミスマッチ」に繋がっていた恐れがある。仮にもともと要領がよく、自己分析が一人でできて就活がスムーズに進んだ人でも、ここまでできる人はそう多くはないだろう。
 新卒入社社員が上記のような理由で辞めてしまうことはその人自身にとっては勿論、企業にとってもマイナスになる。退職した本人はもう一度時間をかけて再就職先を探さなければならないし、企業側はその人を採用するのにかかった費用を無駄にすることになる。これは非常にもったいないことだと思う。

4. 抱負

 繰り返すが、僕は就活において二人のプロに助けられた。これから社会人として働くことに対しても、多少不安はであるが楽しみでもある。それはこのお二方のおかげだ。キャリアアドバイザーには人の未来を良い方向に変える力があると感じている。
 数年後、自分がキャリアアドバイザーとして一人でも多くの学生をこの「不幸な未来」から救うことができたなら本当にうれしいと思うし、自分を導いてくれた人たちへの恩返しにもなると思う。

 これから先どんなことがあるかわからないし、視座が高くなって気が付いたらこの夢は変わっているかもしれない。ただ今この時点では、キャリアアドバイザーとして一人でも多くの学生の就活を手助けすることをNCGで働く一員としての目標としたい。