分配関数(1):分配関数とは

※ここに書いてあることは筆者自身が少し調べて自分なりに解釈したものであり、内容の正誤については責任を持てません。何かあれば連絡してください。

 分配関数は別名「状態和」という。これを式で書くと、ΣP(x)と書ける(P(x)はある状態をとる確率を表す)。しかしこのままではわかりにくいので簡単な例をかんがえてみよう。

 具体例として、サイコロを振ることを考える。サイコロの出る目をxとすると、P(x)=1/6 (x=1,2,3,4,5,6) となる。ここで状態和を考えると、

ΣP(x)=P(1)+P(2)+P(3)+P(4)+P(5)+P(6)=1/6×6=1

となる。確率をすべて足せば1になるという当たり前のことをしただけである。

ここで次のようなことを考えてみよう。もし、サイコロの出る目の相対的な確率しかわからなかったら?つまり、P(1):P(2):P(3):・・・=1:1:1:・・・ということだけがわかっているとしよう。この相対的な確率をP(x)'とすると、P(x)'=1 (x=1,2,3,4,5,6)となる。この状態和を考えると、

ΣP(x)'=P(1)'+P(2)'+P(3)'+P(4)'+P(5)'+P(6)'=1×6=6

となる。相対的な確率の和は1にならないことがわかる。しかし、確率の和は1になってほしいものである。そのためには、元の確率P(x)'をΣP(x)'で割れば良いことに気付く(これを、規格化という)。式で書くと

P(x)'/ΣP(x)'=1/6

となり、P(x)と一致することがわかる。このΣP(x)'を規格化定数といい、これから扱う分配関数というものの正体である。(分配「関数」というので誤解しやすいが、本当は規格化定数=ただの数字である)

 以上がサイコロを用いた具体例である。次回からはこれを分子にどう適用していくかについてまとめる。


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