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分配関数(2):ボルツマン因子

 前回、相対的な確率を分配関数ΣP(x)を用いて規格化することを学んだ。今回はそれを分子にどう適用するかについて学ぶ。  タイトルにもあるボルツマン因子とは何かについて説明する。ボルツマン因子とは、平衡状態にある系において、特定の状態が発現する確率を表す式である。 ボルツマン因子:exp(-βEi) β=1/kT (k:ボルツマン定数、T:絶対温度)、Ei:状態iのエネルギー(※iは下付き) 大事なことなのでもう一度言う。この式はそれぞれのエネルギーをとる確率を"相対

    • 分配関数(1):分配関数とは

      ※ここに書いてあることは筆者自身が少し調べて自分なりに解釈したものであり、内容の正誤については責任を持てません。何かあれば連絡してください。  分配関数は別名「状態和」という。これを式で書くと、ΣP(x)と書ける(P(x)はある状態をとる確率を表す)。しかしこのままではわかりにくいので簡単な例をかんがえてみよう。  具体例として、サイコロを振ることを考える。サイコロの出る目をxとすると、P(x)=1/6 (x=1,2,3,4,5,6) となる。ここで状態和を考えると、

    分配関数(2):ボルツマン因子