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【子育て】「大変だったけど、子育ては楽しかった」人生の先輩たちの言葉

運転免許は持っているが、もう十数年運転していないペーパードライバーだ。

車は一人に一台と言われる土地に住んでいるが、維持費がかかる。
職場は歩いて行ける距離だったこともあり、私は結婚を機に自分の車を父に譲り、徒歩の生活を始めた。

大変だったのは、子どもが生まれてからだ。
小さい頃はとにかく病院に行ったり、健診だなんだと出かけることが多い。
夫が通勤に車を使うので、私はタクシーを利用した。

迎えに来てくれたのは、おばちゃんのタクシードライバーだった。

抱っこひもで子どもを抱え、タクシーに乗り込む。
行き先を告げ、走り出すとおばちゃんが訊いてきた。

「何ヶ月なんですか?」
「6ヶ月です」
「あらぁ、大変な時期ねえ。でもかわいいですねえ」

フロントミラー越しにおばちゃんの笑顔が見えた。

「私も子育てしましたけど、やっぱり、子育てしている時期が一番楽しかったですよ。大変だったけど、子育てしている時期が一番よかったと振り返って思いますよ」

当時の私は慣れない育児にイライラすることばかりで(もちろん今もだが)、毎日、早く手が離れればいいのにと思っていた。
おばちゃんみたいに言う人が他にもたくさんいたけれど、子育てしている時期が一番楽しかったとか、よかったとか言えるようになるなんて、その頃は想像もできなかった。


その頃赤ちゃんだった我が子は今、毎日成長している。
何もかもしてあげなければいけなかった頃と違う。
日々、少しずつなんでも自分一人でできるようになっていっている。

一人で食べられなかったのに、着替えられなかったのに、靴も履けなかったのに。
いつの間にかフォークやスプーン、箸を使えるようになって、身支度もできるようになった。
一人で絵本も読めなかったのに。
いつの間にか絵や字を上手に書けるようになった。

まだまだ私は子育ての途中で、子育てを語れる経験値はないけれど。
これからママになる人になら、言えることがあるかもしれない。

おむつを換えてもミルクをあげても抱っこしても、泣き止まない夜。
夫は仕事で疲れている、寝ていて泣き声になんて気づかない。
私だって眠い、疲れてる、しんどい。
でも私は一日中家にいてお金も稼いでいないから、夫を起こして、つらいから助けてなんて言えない。
誰かに警察に通報されるかもしれないけど、でもどうしようもない。
赤ちゃんと一緒に泣いていた。
もう嫌だ、こんなはずじゃなかったのに、どうして。

一時間も過ぎれば、赤ちゃんは泣き疲れて寝てしまった。
布団に寝かせて泣かせ続けて、そんな赤ちゃんを見ながら一緒になって泣いてる自分は相当ヤバイな、と思う冷静さは戻ってきていた。

我が家の夫は子どもの夜泣きで起きたことが一度もない。
いまだに、どんなに具合が悪くてぐずぐず言っていても、自分が蹴られたりなんらかの被害に遭わないと目が覚めないらしい。
(子どもの不調や泣き声で起きないんだから、蹴られたくらいで文句を言わないでもらいたい)

……とまぁ、書き出したら止まらないけど、それはまた、別の機会に。

そんな日もあったけど、過ぎ去った今はそんな日すら懐かしく思える。
今ならもっと楽に、余裕を持って育てられるのになぁ、なんて思う。
夫は仕事で疲れているなんて変な気遣いをせず遠慮なく叩き起こし、理由はわかんないけどそういう気分なんだろうなって見守って、泣いてる赤ちゃんを前に途方に暮れることもないだろう。
まだたった数年なのに、あの頃はまだラクだったんだなぁ、よかったなぁと懐かしく思うことがたびたびある。

夫婦も、子どもも。
年月を重ねて少しずつうまくバランスが取れるようになっていく。
今つらくても、きっと未来には笑っているだろう(と、信じている)。
だって人生の先輩たちが、口々に言うのだから。

子育ては大変だったけど、本当に楽しい時期だった、と。

振り返ってそんなふうに思うくらい楽しい時期を、めいっぱい楽しまないなんて損なんじゃないか。
楽しむのはいろんなコツや工夫がいりそうだけど、なんとか自分なりに楽しんでみよう。
できることからひとつずつ。
正解なんてない。
自分と家族が納得して、満足できればそれが正解だと思う。


いつか振り返ったとき、おばちゃんみたいに笑って言えますように。

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「面倒くさい」が口癖のアラフォー主婦。節約・時短・効率化で小さな暮らしを目指す1児の母。人生最後のダイエット中。家事・育児・暮らしのことな…

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