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撮影ログ〜高尾山①〜

夏の暑さが遠ざかり、秋ど真ん中へ向けて肌寒くなってきた10月某日。新宿から京王線の車窓に流れていく景色を眺めながら高尾山へ訪れた。

高尾山口駅で京王線を降りると時刻はおよそ11時半。駅前は朝から登山を楽しんだ山好きと昼から山頂を目指す観光客が入り乱れていた。
混雑する駅前を背に山頂へと足を運びはじめる。

朝からお握りを一つ食べただけだったので炭火で焼かれる団子の匂いに耐えることができず、思わず買ってしまった。
後々知ったが三福(さんふく)だんごという高尾山の名物らしい。三福には大福、幸福、裕福の意味が込められているそうだ。

高尾山の麓から山腹まではロープウェイを使った。
狭い車内から外を見るとロープウェイが緑をかき分け登っていくのがわかる。

ロープウェイは終着点である高尾山駅に到着する。駅と言ってもこのロープウェイには出発点の清滝駅と終着点の高尾山駅しか存在しないのだ。

高尾山駅を出ると時刻は12時半ごろだったが午前中の雨の影響か、あたりは薄く霧が立ち込めている。
あまり信心深い方ではなかったが、これには霊験あらたかな高尾の空気を感じざるを得なかった。

山腹まで"楽"をして登ってきたわけだが、ここからは脚を使っていかなければいけない。
山腹から頂上を目指すルートはいくつかあるが、一般的には高尾山薬王院の表参道である1号路が人気らしい。

しかし今回は4号路を選択してしまった。理由は『吊り橋』である。
綺麗に舗装された1号路に対して、明らかに険しい道のりが予想される4号路。しかしその先に待つ『吊り橋』にはなかなか心をくすぐられてしまった。

4号路はまさしく山道だった。1メートルほどしかない道幅のすぐ横は崖で、少し湿った土で足を滑らせないように恐る恐る歩いたのを覚えている。

15分ほど歩くと件の吊り橋が見えてきた。

山の中で無機的だが緑に溶け込み、崖と崖を繋ぐ役割を担う吊り橋は、最初からそこにあったかのようで美しかった。

登山はまだ続く

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