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肩関節前方脱臼対応

こんにちは。柔道整復師のかわです。
今日は肩関節前方脱臼について書いていきたいと思います。

肩関節前方脱臼は接骨院でも整形外科でももしかしたら出かけ先でも遭遇するかもしれません。そんな時柔道整復師として脱臼かどうかを判断して応急処置(整復固定)できたらいいと思います。

今日は僕の記事が皆さんの利益に少しでもなれるように書いていきます。

まずどんな時に外れるか。
肩関節の脱臼は介達外力で発生することがほとんどです。
受傷起点は若者だとスポーツでの転倒
高齢者だと歩行時の転倒です。
30代40代も転倒が多いですが反復性脱臼が多い印象です。
基本的に初回脱臼は私の経験では転倒がほとんどです。
また幼児でお母さんが肩が外れたかもということがありますが、幼児で肩が外れたのはみたことがありません。
ほとんどが肘内障ですが鎖骨骨折、上腕骨骨折、顆上骨折、橈骨骨折は稀にあるので注意してみましょう。

肩脱臼の症状は
肩の激しい痛みを訴える人が多いです。座位で肘を自分で抱えていてこちらに持してくれない。動くと痛いので臥位にもなれない方もいます。
また、外観像として肩関節脱臼の固有症状「三角筋部の膨隆の消失」が挙げられますが、これは左右で確認してみると肩峰が視診上はっきりと見え、三角筋の膨隆がないことが分かります。これはエコーでも確認できるので三角筋部から長軸でみてみてください。
ポイントは肩を両方しっかり出し左右差をみることです。またこれは整復後の確認としても使えます。

肩脱臼の応急処置
肩脱臼と判断したら次は整復です。これは初心者の時はコツが掴めず、なかなかうまく戻らないことが多いので、3回やってダメだったら、もう自分では手に負えないと思って、三角巾をして次のところに送るか他のスタッフに変わってもらった方が良いです。

整復する時はまず患者さんと打ち合わせをします。
「肩の脱臼で一番大事なことはあなたが力を抜くことです。力が入ると戻るものも戻りません。そのためにも深呼吸してなるべく私がやることに抵抗しないようにしてください」
とあらかじめ言っておくといいです。
そして患者さんと息を合わせ中がゆっくりと牽引して、ゼロポジション整復法などをやってあげるといいと思います。
ゼロポジションをする時は牽引したまま肩甲棘のライン上に上腕骨を持ってくるように外転させそこでなるべく軸がぶれないようにして内外旋するといいです。
ポイントは術者が慌てないことです。
大胸筋や僧帽筋などに力が入ってしまうとうまくいかないことが多いのでそこの力も抜くようにするといいです。

それでも入らなかったらスティムソン法でベッドにうつぶせになってもらいベッドから肩を出し、患者がリラックスできる程度の重錘を手首に巻き下垂牽引します。
これは決して負けではなく、この患者さんは普通の整復では戻らない人なんだと捉えた方がこちらの精神衛生上良いです。普通の整復で痛すぎて起き上がってしまい、整復不能なかたはスティムソン法が向いていると思います。

それで整復されると患者さんの痛みが劇的に楽になります。
これでやはり肩関節脱臼なんだなと判断することもできます。
痛みが引かない方は
◉まだ整復されてない
◉脱臼骨折である
◉そもそも肩関節脱臼ではない
のどちらかです。
脱臼骨折は高齢者に多い印象ですが、誰にでも起こると思うので整復後のレントゲンは医科で撮ってもらうことを強く勧めます。

固定はうちの職場では三角筋+バストバンドですが、外旋位固定をするところもあるようです。外旋することで肩甲下筋を伸張させ、上腕骨が前方に行かないようにするとかだったと思いますが、とりあえず応急処置なら三角巾だけでも楽かもしれません。
バストバンドをすることで上腕の動揺性がさらに抑えられ楽になります。

以上簡単ですが肩関節脱臼対応です。

もし肩関節脱臼がきたらどうするか想定されてますか。
柔道整復師としていつでも対応できるよう評価・整復固定・経過管理・リハビリテーションまで考えておくことが重要です。そしてできなかった時のことも考えるべきです。
自分で手に負えないと思ったら次に回す潔さも柔道整復師として大切な業務だと思います。それは整形だけでなく、知り合いの柔整の先生に託すなど横のつながりも持っておくといいと思います。

今日は以上です。今日も見ていただきありがとうございました。

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ではまた

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