韓国語 語源マラソン〈ㅅ〉語頭の単語

昨年は私の文を読んでくださった皆様、真にありがとうございます。

語源マラソン今回はㅅ(s)語頭音の単語です。

사거리(十字路) 漢字「四(発音사)」と固有語「거리-通り・道」との合成で、原意は「四つの道」=十字路・交差点。北朝鮮では、固有語네を使った「네거리」もある。

사람(人) 「살다-生きる」に語源との説。小倉進平教授は『朝鮮語学史』でハルバートの『Korean Etymology』(1901年)にこの説があると記述している。この説は現在も有力の模様。
 삶(人生の意)やはりこの動詞が語源とされる。
 ところで、살다が語源ならば사람の原意は「生きているもの」になりそうであるが、生きているものは人間のみでなく動物も植物もみな同じである。しかしこの言葉は「人」のみをさしている。実はコリア語で「人」を指す言葉は사람以外にいくつもある。



쟁이

팽이
인간(人間)
しかし사람のみが一般的な「人」の意味で使われているあたり、
これは살다に語源があるのではなくコリア語以外つまり外国にも「対応語」があることを推測する。

사랑(愛) ①漢字語「思量(発音사량)」語源説。この漢字語は中国・日本ともにあるようで元は漢語の模様。李氏朝鮮期はこの漢字語に「思うこと」「愛」の意味があったが、18世紀以降に「愛」の意味だけに意味が縮小されたという。発音は사량→사랑とㅑ→ㅏと母音単化が起こったが、この母音単化はコリア語の歴史的事実であり、この語源説の有力性を裏付ける一つの要因。 
      ②動詞「살다(生きる)」語源説。
      ③英語「Daring」対応説。これは小倉進平教授がやはり『朝鮮語学史』でアライッソの『Kinship of the English and Korean』(1896年)から紹介している(小倉教授はこの対応見解に否定的だったよう)。

살다(生きる) 豚の三枚肉焼肉「삼겹살」にもみえる固有語「살-脂身・脂肪」が語源か。たしかに人間も動物も、体の脂肪は生きる根源の一つとも言えなくない。

새(新) 古語「시(東)」に語源か。東は太陽が上がる方角で、「新しい一日」とも言うように、東方・太陽を「新」概念に結び付けたとの発想。朝鮮半島東南部に起こった国家「新羅(신라)」の시やはり東との説がある。

새(鳥) これの語源はいまだ定かではないというが、
シベリア・ツングースまたその王室がツングース系だったという古代国家・高句麗で
「鳥」が神の声を人間に伝える動物として神聖されたという話にヒントがあるような感(鳥が天気の変化に敏感なことがその源流の一つか?)。새を分解すると →「사이(あいだ)」と言えなくもなく、彼らの思想に関し「鳥は天と人間のあいだつまりは仲介者」と言えなくもない感。高句麗壁画には
鳥が登場するうえ、高句麗人の冠には鳥の毛が使われたことが壁画からわかる。

생각(考え、思い) 漢字語「生覚」に由来か。

세로(縦に)「세우다-縦にさせる、立てる」などに見られる「세-縦」と方向助詞「로(~に・へ)」によって。 

속다(だまされる)「속-奥」に語源。ところでこれは「心」の意味もある。つまり속다の原意は「(悪い方向に)心を動かされる」。

순두부(豆腐のチゲ) 漢字「純(発音순)」と두부(豆腐)の合成か。「純」はここでは「それ一つ」の意。スンドゥブはたしかに、豆腐が主要具材。この語源説でいくと、スンドゥブの原意は「豆腐のみ」になる計算。

 

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