留守番は虐待?から浮かんだ記憶

以前に〈留守番は虐待?〉が話題になっていたが
私も、小学校入学時から両親が共働きだったので留守番組だった。
たまにうちに姉がいたが、姉はほとんど外出してたので
夕方の6時半ごろ、または夜の7時半頃まで家で一人、〈鍵っこ〉(ああ懐かしい言葉)をしていた。

小学校6年の頃はもう何ともなかったが、小1から3年までの今でいう〈学童〉から帰っては、さすがにうちに一人が怖いこともはたあった。これは
今で言う怖さではなくて・・・〈幽霊〉が怖かったのである。子供の時はこの世にいるものは全て存在する、と思うものだ。当時は〈こっくりさん〉も全盛期で、またオカルト全盛期であり
学校に同級生がそれら関係の小さな写真付きの本を持ってきていたし、
なぜか小1から4年までの、期限付き学童にも
〈こっくりさんに憑かれて大変なことになった女の人〉という内容の、
今なら禁止処分でも受けそうな少女マンガまで置いてあった時代だった。

〈多分見たらだめなものを見たがってしまう〉
これは大人も子供もおんなじで、私は
見たらうちで留守番できんぞ、とか思いながら結局ページをメクッて見たものだ。結果、
うちで留守番時はそれは怖くて、
雨の日にうちの鍵を忘れた時はガレージで白い空を見ながら泣き声を上げた。

ある日、
その日も鍵を忘れた私はなんとかうちのドアを開けるぞ、と思い、
小枝をいくつか鍵穴にブチ込んで両親からカミナリを喰らいました(なんとか修理されて安心したが)。

当時は、鍵を忘れて外にいても周りの大人が見て見ぬふりをするのが不思議だった。ところで近所のおっちゃんが家に入れてくださってケーキまで食べさせてくれたこともあった。私は夕方6時ごろになると通りに出て、

あのライトは母親の車のかな?

と推理するのが日課だった。そのうち母のライトが片方見えただけで、母の車だと100パーセント的中させる視覚能力がついた。

当時の留守番時の楽しみはテレビの〈再放送〉だった。だいたい3時ごろからが再放送フェスだった。そのリストはというと・・・

〈特捜最前線〉
〈必殺仕事人〉
〈あしたのジョー〉
〈黄金バット〉
〈デビルマン〉
〈ハングマン〉
〈アラレちゃん〉
〈西遊記〉
〈カリメロ〉

だいたいこういったもので、〈あしたのジョー〉そして
リアルタイムの〈北斗の拳〉に熱狂した。学校で北斗の拳ごっこをやって
〈秘孔〉を押すが、それがツボ外れなのでケガにつながりますよ、ということで、〈北斗の拳禁止令〉が出されるぞ…の噂まであったほど当時は人気があったものだ。

戦隊シリーズや宇宙刑事ものも好きだった。あれはOP・EDの歌がなんともよかったのだ。
今でもこの手の歌は好きで、デンジマンにチェンジマン、ギャバンの歌は特にいい。デンジマンは今は亡き成田賢さんのもの。

保育園と小学校時分、里親さんにもお世話になったが、
里親さんの旦那さんと3人で煙だらけで焼きそばを食べた記憶は自分だけのプレミアだ。旦那さんは、

〈これはブタのあたまで作った焼きそば〉と言われたのだが、
〈ブタのあぶら〉の私の聞き違えだったらしい。しかし
おっちゃんは〈あたま〉と言ったと、今も煙の中の記憶は鮮明にある。煙、焼きそば、たばこ、小さな部屋、そばには窓、夕日のオレンジ。

里親さんの家では〈チェンジマン〉のテープが流れていたが、影山ヒロノブさんの声は今も、たまに聞こえてくる…ほんとに。私はいま、〈デンジマン〉のDVDセットを買おうか本気で考え中。

留守番時ケーキをくださったおじさん、そして里親さん夫婦も今はあの世の人。今年、探していた里親さん夫婦のお墓所がようやくわかって、やっと線香を差し上げることができた。

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