(炊飯器連載 番外編) 今話題の糖質カットの秘密に迫れ!!
炊飯器が景品表示法違反?
皆さんは、炊飯器で糖質カットができると知っていましたか?
昨今のダイエットブームで特に糖質を気にする方は多いかと思います。
いつもの分量、炊飯器で炊き上げモードを変えるだけでなんと糖質カットができる!
スゴイ技術ですよね。
なぜこのようなことができるのか、消費者庁が炊飯器に対して景品表示法違反で措置命令を出したという珍しいニュースにもなっていたので調べてみました。
秘密は水分量です。
この凄そうな技術、種明かしをすると、水分量の話です。
炊くときに一粒一粒多くの水を含んで炊き上げることで、大げさに表現するとお粥のようになって、グラムあたりの糖質量が減るという考え方です。
例えば同じ100gのごはんを想定して考えてみます。
水分量が多くなることにより、同じ100gでも水が占める割合が増え、
結果的に糖質の割合が下がるという考え方が一般的な糖質カットの炊飯器です。
ここで注意が必要なのが、グラムあたりの換算では確かに糖質を摂取する量は減るということがわかりましたが、お米一粒あたりの糖質量は変わらないのです。
ごはんの量をグラムを測って食べるのであれば効果は出せそうですが、いつもと同じ感覚でごはんを盛ると一切意味がないのです!
この方法では米粒の水含有量に限界があるため、せいぜい1割〜2割の糖質が関の山で、たまにインターネットで糖質50%カットなどを謳っているものもありますが、正直カット効果が最大限出ているか怪しいところです。
これら炊飯器の糖質カット性能については、国民生活センターでも注意喚起がされています。
上記のグラフは独立行政法人の国民生活センターにて調べた結果です。
報道発表資料(詳しくはリンク先)に掲載されておりますが、糖質カットを謳っていた中には表示を満たしていないメーカーもあったようです。購入の際には注意して購入しましょう。
参考URL 独立行政法人国民生活センター
ホームページより:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230315_1.html
もちろんすべての糖質カット炊飯器がダメなわけではありません。
なかには別のやり方の糖質カット炊飯器もあります。
やり方としては糖質が含まれているでんぷんが溶け出した煮汁を排出し、
糖質をそぎ落とすような炊飯器があります。
そのような炊飯方法であれば溶け出したでんぷんを摂取しなくて済むので、実質的な糖質カットと言えるでしょう。
私的炊飯器論『炊飯器とは!』
ここからは個人的な所感ですが、
よく、糖質カットのメリットとしてさっぱりとした味になることが挙げられますが、お米が持つ本来の甘さを軽減することになるのでお米の本来の味ではなくなってしまっているともとらえられます。
私は炊飯器というものは、
〈お米を美味しく炊くための機械〉
だと考えています。
大手炊飯器メーカーが、揃って糖質カット炊飯器を売り出していないのは、おそらく、
味を追及するため
ではないかと思われます。
そのため、個人的には炊きあがりの味を変えてまで糖質を落とすのはどうかなと感じてしまいます。
とは言っても、血糖値が高く、白米を食すことを止められている方が、どうしても、ご褒美でごはんを食べたい、そんな時にはーという理由もおそらく存在しているので、用途としては理解できます。
理解はできるのですが、糖質を抑えた炊飯器で無理にごはんを食べるのではなく、普段の食生活で糖質バランスを見直した方が健康的ではと思ってしまいます。
結論としては、糖質カットのためだけに専用炊飯器を購入するのではなく、
いくつかある炊き上げモードの一つくらいとして捉えた方が良いと判断します。
詳しくは別記事にて紹介しますが、やはり、炊飯器は、
お米の味を引き出しつつ好みの炊き上げができること
がおすすめです。
編集猫 KAURU memo
何台も炊飯器を同時に所有する人はまずいないし、一度買うと、すぐに乗り換えもしない。車のように試乗するわけでもないので、紛らわしい広告や訴求はよくないニャね。
電気、ガス、コンロ派など、炊飯器の世界は奥が深そうだニャ。