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第21回 母屋のリノベーションの変遷

前回説明したように、予算制約から母屋のリノベーションも、なかなか思うように計画できなかった。その推移を、ここで整理しておきたい。

1)カフェあり当初案

まず、カフェ棟建築する予定だった当初案(2022年4月22日打合せ資料)。母屋南側にデッキを設け、そこにカフェ客用のスペースを確保するつもりだった。下の平面図右下の「軒下(外部)小上がりデッキ」と書かれた部分の上半分は、現在和室となっている(図面「畳スペース」と一体)ので、そこは外部化することになる。

また、玄関から土間を通りそのまま北側に通り抜けられるようにしたり、その土間を横T字型にして、西側に立つAWAZUKU HOUSEから母屋に入れるような扉も設置する予定だった。そのどちらも現在は壁なので、くりぬかねばならない。人の動線と風の通り抜けに配慮した設計だ。

カフェあり案 1階

下図は母屋の2階。ゲストルーム1とサンルームは、現在ひとつの部屋。そこを区切って、北側にサンルームを設ける案だ。また、階段横に吹き抜けを設けている。

カフェあり案 2階

その後、二階サンルームが北側にあるのはあまり効果的とはいえず。南側の陽当たりのいい場所を、オープンスペースとして使えないかとの僕の要望を受け、以下のように修正された。カフェ客も、母屋2階まで入れる想定だ。

カフェあり 2階修正案

2)カフェなし第一案

次に、カフェ断念後の、9月2日に提示された修正案。
カフェ用デッキが不要になったため、右下の和室がそのまま残された。また、南北に通り抜けられた土間の北側が塞がり、そこに浴室を設置。その分、水回りが東側にずれて、北西側に和室を一部残した(現在はその下側の土間と一体の6畳和室)。ただ、この和室は陽当たりもよくなく、デッドスペースになる恐れもあると思う。

カフェなし案 1階

2階はサンルームと階段わきの吹き抜け、そして通り土間テラスがなくなり、現在の間取りから変わらない。

カフェなし案 2階

カフェあり案の段階で、施工会社への見積もりを依頼したところ、予算を4割以上もオーバーする金額となっていることが分かった。それゆえ、母屋のカフェなし案は、コストをどこまで削減できるかという観点からの提案だろう。

3)カフェなし第二案

10月11日、栗原さんから更なる母屋のコスト削減案が提示された。平面図上の見かけは変わらないが、そこには表現されない部分でコスト削減を図るという大胆な提案だった。以下が変更点。

・外壁板貼りの取りやめ
現在外壁はトタンだが、それを板張りにする予定だった。それを取りやめ、外壁はそのままで維持。

・階段付け替えの取りやめ
階段は新しいものに取り換える予定だったが、現在の階段をそのまま使用。

・耐力壁追加をしない
現在、耐震基準は満たしていない。完全に耐震基準を満たすには大きな投資が必要なので、それは諦めていた。とはいえ、最小限であっても耐震性能を高める修繕をする予定だったが、それも断念。

・新設サッシと断熱材を取りやめ
やはり現在は断熱性能の基準を満たしていない。同様に、少しでも基準に近づけるために断熱性能を高める修繕をする予定だったが、それも断念。

・1F通り土間を取りやめ
一階廊下部を通り土間にする計画だったが、それを取りやめ。現在の玄関で靴を脱ぐスタイルのままに。

これらにより、対予算1.9%増までに圧縮できるという。確かに大幅なコスト削減がなされるが、果たしてここまでスペックを落としていいものだろうか?もっと細かく見る必要があるだろう。


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