無題111

頼もしさと怖さ

なんかめっちゃ気持ちいい2得点で勝利しましたね。

勝ったこと以上にスカッとする得点シーンのおかげで、2度連続で埼玉スタジアムで歓喜の勝利を得ることができました。


勝ったことと複数得点完封勝利と、嬉しいことづくめですが、今回は頼もしくなってきた若手3人にフォーカスをしたいと思います。そして後半は少しだけ話題になった審判の判定について、ルヴァン決勝の件と合わせて紹介します。



頼もしい若手達(守田・碧・脇坂)


今日の試合、1点目を取った脇坂は勿論のことですが、碧と守田も随所で良さを見せて勝利に大きく貢献してくれました。


守田は一時期スランプにも陥りましたが、RSBに紆余曲折合ってコンバートされてから、いい部分が目立つようになってきました。

碧は代表でのブラジルからミドル2発、トゥーロンでの国際的な注目、そしてなによりもコンスタントにフロンターレで試合に出続けること。この大きなことだけでなく継続して結果を出し続けてるという意味ではこの3人の中でも頭一つ抜けた評価をすべきでしょう。

脇坂は比較対象が中村憲剛ということもあって、この3人の中では一番出場機会に恵まれない立場ですが、今期既にリーグでは4得点。他の2人がボランチがメインであることもありますが、守田は先日プロ初得点。碧は昨年のデビュー弾と合わせてもチームでは得点数で劣ります。出場時間や試合数で換算すれば脇坂の得点能力はこの3人の中でも異次元だと思います。


簡単にタイプ分けして比較すると(個人的主観で)

攻撃能力 脇坂>碧≧守田

守備能力 守田>碧>脇坂

対人 守田>>碧>脇坂

テクニック ほぼ同等

ファンタジスタ度 脇坂≧碧=守田

といった感じで私は見ています。



守田

対人、特に1対1で強さを発揮して守れる守田は、危険察知能力やそこへハードワークをし続けられるのが強みで、名字の通り「守」に輝きがあります。

攻撃に関しては鋭い縦パスを急所に刺してお膳立てをしたり、今日はサイドらしくクロスでアシストもしたりと、攻撃面でも成長中ですが、やはり大島と比べるとまだまだ。ミドルや視野などが育てば本当に1流になれるだけの素質は感じられるので、これからに超期待です。

RSBへのコンバートは半ば苦肉の策ともいえる苦しい選択でしたが、マギーニョは安定感がなく、馬渡は怪我も複数回で質もいまいち。他の選択肢はLSBから左利きをコンバートということもあって、比較的駒の余っているボランチから「基礎技術」と「ポジショニング」と「対人守備」の3点を揃えた守田が抜擢されました。

最初から無難にやってはいましたが、回数を重ねるごとに質も上がってきて、本人のコンディションもスランプを抜けた感じがあるのと合わせて、今では2ndチョイスか場合によっては1stチョイスにまで序列が上がりました。



碧はもしかしたら一番期待度が低かったという選手。ところが、今では評価や期待値では国内の若手の中でもトップになってしまったほどに、デビューから急上昇してきた存在です。

昨年はリーグ戦4試合のみの出場ながら、3枚目のカードで投入された初出場の試合でいきなりプロ初ゴール。そこから地道に出場を重ねながら信頼と経験を得て、アンダー世代の国際大会で結果を残して世界から評価をされました。その経験が今のフロンターレでも存分にいかされていて、ファンの中でも「碧が居ればやってくれる」といった信頼するムードがあります。

ボランチで隣には大島が居たり前に憲剛が居たりと、フロンターレでは千両役者のサポートに回ることも多いですが、最近ではミドルや前への意識が強まってきたので、ゴールに関係するプレーでも碧の存在感は高まって来ています。



脇坂

入団当初から「憲剛の後継者」という大きな看板を背負っていましたが、実際にプレーさせてみたら憲剛とはまた違った意味で攻撃的なトップ下でした。

憲剛は長短の精度の高いパスを主体に、時折見せるミドルで得点に直結するプレーを連発するタイプ。

脇坂は憲剛ほどパスの視野と能力は高くないものの、ドリブルやシュート、相手の急所に自分が飛び込むといった点では憲剛以上。若いこともそうですが、見た目以上にフィジカルコンタクトができて走力もあるので、蛍のようなガツガツ来る相手に引いてしまう憲剛とは対照的です。

タイプこそ違いますが、技術の高さは見劣りしないので、視野を養いアイデアを蓄積して来れば、パスの面でも憲剛と同等まで育つ可能性は十分にあります。そこまで行けばもはや憲剛の後継者どころか、憲剛の強化版と言うべきでしょう。

数こそ多くないですが、得点を重ねてアシストもできているので、実績を上げ続けてそれで成長できているのではないかと思います。



活躍は嬉しいが、それ故の怖さも…


守田と脇坂は共に95年生まれ、碧はもう少し若く98年生まれ。全員20代前半ということもあって、彼らの将来を考えると、Jリーグという舞台故の怖さがあります。

まず間違いなくこの3人は「フロンターレやJ1で選手生活を終わらせればいいや」といった低い目標でやってはいません。代表で海外に出た選手やチームと戦うことで、むしろ日増しに海外への意欲は高まっているはずです。

今欧州を中心に若手の日本人選手を買うケースや行先は増え、先に行った選手達が結果を残すことでJの評価も高まって来ています。憲剛のようにデビューから引退まで1つのチームでという例は、Jでは今後はほぼ発生しなくなるだろうということも予想されています。


守田、碧、脇坂の3人も、このまま順調に育っていけば、遅かれ早かれもっと上の世界に旅立っていくはずです。早ければ今シーズンの終わった後、来期の夏のマーケットで声がかかってもおかしくないでしょう。それがいつになるのかを考えると、頼もしさが増すほどに怖さも増えてしまいます。


おそらく今最も買い手が付きやすいのは碧でしょう。年齢も一番若く、示した結果では断トツ。守田はボランチとRSBができるとなったらそれだけでかなりの価値を示せるのではないかと思います。SBはJクラブの中でも人材不足が目立つので、もしかしたら大金積まれて国内移籍ということも無いとは言えないかも。脇坂は数値で示しやすいポジションなので、数字を出し続ければそれだけでも評価は上がっていくでしょう。


彼らの成長や若さをいかすのであればサブで持ち腐れにするのはもったいない以上に、本人の出場意欲に反してしまい、出て行く理由になってしまいます。試合に出続ければ評価が上がっていくので、それも上から引き抜かれる理由を増やしてしまう。

といったように、どうやっても彼らがステップアップをするということは、いずれはフロンターレやJ1という檻は狭くなってしまう時が来ることと直結します。

等々力やフロンターレのユニで見れるのは実はもう残り少ないんじゃないか?といった気持ちを持って、より一層応援していけたらいいんじゃないかと思います。



他の若手も…嬉しい悩み


フロンターレは毎年高卒や大卒の新人を複数加入させますし、最近では積極的な起用も目立ちます。

序盤はなにかと助けられた知念も、ダミアンが一定時間の出場を得ることによってベンチ外が続き、今期の加入組は出場すらありません。宮代のように修行に出た選手も居るように、若手を加入させるからこそのマネジメントというのも今後はさらに重要になってくるでしょう。


フロンターレは期限付き移籍に「フロンターレとの試合に出場できない」の条件を付けなくって泣かされた例がいくつもありましたが、最近ではその条件をつけているため、今期で言えば三好がリーグ戦ではメンバー外になっています。

板倉と三好のように、修行の成果をフロンターレに還元する前に海外へ行ってしまう例が増えると、あまりフロンターレに旨味が無いですし、歳をとってから帰って来るという保証もありません。


トップ昇格のプロセスと、修行に行かせるかどうかのプロセスに関しては詳しくないですが、チームに旨味があるようなやり方ができるといいですね。宮代やジェフが完全移籍ではなくしっかり戻ってくるかどうか。まず今オフはこの点に注目してみましょう。

お気持ちよろしくです。