ストーブリーグのストーリー(1)

はい。今年のnoteはつまんないダジャレでスタートします笑

昨年は初のカップチャンピオンを筆頭に得るものも多かった半面、3連覇の夢やACLを失うといった零れ落ちたものも多かったシーズンとなりました。

今年は昨年の時点から天皇杯やらオリンピックやらのせいで過密日程が決まっていた上に、ストーブリーグに本格参入するのにも遅れ、私が文章を書いてる今の時点で既にチームは始動しているというてんやわんやな幕開けとなっています。

とりあえず、チーム始動まで来たところでストーブリーグの動きについて振り返って見ることにしよう。

そんな趣旨の文章となります。



ストーリーで考えてみると


昨年はやや不満足な印象の残るシーズン終わりに加え、ある程度早い段階から主力級の移籍の噂がたち、RSBを筆頭に早急に補強なりなんなりで手を打たないといけないポジションが複数存在しました。

そういった「危機感」がサポや上層部にも漂っていたにもかかわらず、天皇杯決勝が神戸‐鹿島の組み合わせになってしまったため、ACLの出場可否が年明けになるまでわからないという条件まで追加されてしまいました。

こういった危機感やもどかしさを感じながら12月7日のリーグ戦最終節を終え、9日に米山コーチの契約満了とタツヤの第1子誕生の報を受けてフロンターレのストーブリーグが開始されていきます。


ここから先は選手がまとめて抜けていくこともなくパラパラと抜けて、それよりかは少ない印象の人数がちらほらと加入決定が行われていくという「アンバランス」な印象も含めて、サポは否応なく一喜一憂していくことになります。

この時点では「予定は未定」ということからはっきりとしたことが言えず、どうしようもなく不安に駆られている時間が多かったですが、一通りの出入りが終わってみれば、その理由含めてある程度ストーリーが掴めたという人も多いと思います。


私のツイッターの友人はこの一連のストーリーを「推理小説のようだ」と形容していて、私も深く共感しました。


そのストーリーを途中で見抜けなかったという反省も含め、時系列を選手の出入りのタイミングを中心に振り返って、ストーリーを再確認してみましょう。



シーズンオフ~年末にかけて


まずはシーズンオフまでの状況確認から始めましょう。


シーズンが終わりストーブリーグが始まる前にチームがやらないといけないのは

今季の総括→課題の洗い出し→来年の目標設定

という一連のプロセスで、反省点や継続点をリストアップして来年の目標に合わせた動きを策定するということですが、フロンターレはリーグ4位で3位の鹿島は天皇杯準決勝進出したという決定事項のせいで、最後の来年の目標設定を確定させられないという状況になってしまいました。

なので天皇杯準決勝のある12月21日まで、そこで鹿島が勝てば翌年の元旦16時過ぎまでACLの出場可否が不明ということになってしまうことが、12月7日の試合結果で確定しました。

フロンターレの今期のストーブリーグの開幕は、この12月7日で、状況は他力本願かつ予定は未定。という大変苦しくもどかしいものだったということになります。

起承転結の起の部分はいかにも小説っぽい波乱の幕開けと言うべきでしょう。


年末にかけて他チームの動きも活発化する中、噂の真意は不明でも移籍の噂があったフロンターレの選手は少なくとも10名以上。しかも奈良ちゃん、あべちゃん、家長の主力3名は例年同様噂があり、碧は能力的に海外からの声を心配する声もあった。ソンリョンは一部の界隈では帰国や引退という声があり、ブラジル人選手も契約更新が必要だったように、ほとんどの選手も確定事項が出せない状態でした。


いち早く移籍が決定したのは新井(12月13日)

新井はルヴァンで一躍有名になったとはいえ、能力的にもJ1でバリバリやれるというわけでもなく、ソンリョンの壁すら超えられるか不透明といった状態だったため、名が売れた今出場機会を求めて移籍するというのは至極当然の話。

ここは推理をするまでもなく予測可能な展開と言えるでしょう。

行先がジェフだったのも田坂の縁や距離的な事を考えれば不思議なことではないですし、そもJ1で厳しい選手ならJ2に行くのは当然です。


次に決定したのは知念(12月20日)

知念は小林ダミアンと2枚FWがいる中、チームは1トップという事情も含めて、ベンチ外の時間も長かった不遇な選手の筆頭格。

本来ACLに出続けるのであれば2チーム分の戦力として確保したい選手ですが、下からは宮代や旗手などが突き上げている今、誰を残し誰を切るかというのは重要な決断でした。

ただし、結果も残した知念を早々にレンタルで出したというのは少なくない衝撃がありましたが、後に発表される宮代の復帰と合わせて考えれば、完全に「次世代育成」に舵を切ったと考えると、知念の出場機会と2兎を取る選択という意味で納得のいく選択でしょう。

ただし、この選択は知念が帰って来るという前提条件がクリアできればの話ですが。


宮代の復帰(12月24日)

知念レンタルの穴を埋めるようにクリスマスにやってきた朗報は、山口で頑張っていた宮代の復帰。

確かにJ1で通用するのか、結果がある知念と比較すれば不安な部分もありますが、知念と宮代を交換というのは良いチャレンジだと言っていいでしょう。


激動の25日 鬼木監督、寺田&戸田コーチ、丹ちゃん、馬渡、山根、赤崎、米山元コーチ


25日以降は年末にかけて大きく動きがありました。


25日には指導陣の動きが活発で、懐かしの川崎山脈の一員である寺田周平がアンダーからトップチームに昇格し、戸田コーチも補強。加えて去就に注目が集まっていた鬼木監督の契約更新が正式に発表されました。

この時点で来期も鬼木サッカー、ディフェンスとサイドアタックのコーチを補強という、なんとなく来期のチームの目指す形の片鱗が見えてきました。


そしてかねてから問題点となっていたRSBに動きがあり、馬渡がベルマーレへ、逆にベルマーレから山根が加入するという、実質的にトレードを行うことが正式発表されました。馬渡は対フロンターレ戦に出場できない形のレンタル移籍、山根は完全移籍ということで、このトレードの主導権はこちらが持っていたことがうかがえます。

山根は3バックの右で使われてた印象が強いこともあり、4バックのRSBはどうなるかという見方も無くはないですが、プレースタイル的には和製エウシーニョということもあり、エウシーニョロスに悩んでたチームの目についたのは納得です。

加えて資金難のベルマーレに主導権を持って交渉できたことから、おそらくリーズナブルな価格で獲得できたという美味しさもあったでしょう。


セレッソから完全移籍で獲得したキーパーの丹野は、間違いなく新井の後釜でしょう。年齢や経歴的にも文字通りベテランで、会見でのしゃべりを見てもチームのまとめ役や裏方役に適していると見えます。おそらくソンリョンを押しのけてスタメン固定というのは難しいでしょうし、そこまでするのであればただでさえ余らせている外国籍枠をもっと残念なことにしてしまうことにつながります。

この時点で来期はレイソルが上がって来て中村も来るであろう中、J1トップクラスのキーパーが不在という不安が強まり、かねてからくすぶっていた中村獲得の要望が強まっていくことになります。


赤崎は結局フロンターレで大きな仕事をすることなくグランパスから仙台に完全移籍で流出。言い方は悪いですが「あれ、保有権持ってたの?」という人も多いかと。

彼も一時期点を量産しテクニカルなシュートで注目を集めたので、石原や梁の抜ける仙台が欲しがるのも納得です。あまり注目していなかったのでこの文章を書きながらベガルタの移籍の動きを確認したところ、ハモンと阿部も抜けているので、赤崎獲得は急務だったことがうかがえます。


契約更新を行わないと発表のあった米山氏は町田ゼルビアのトップコーチに就任することが決定し、元フロンターレ監督の相馬監督とタッグを組むと思われていましたが、後日相馬監督は鹿島に復帰することとなり、その縁はなくなることとなりました。



遠野、えいちゃん、馬渡洋樹(12月27日)


27日は未来志向の日と言うべき日で、GKのえいちゃんが完全移籍になって正式加入し、第2の馬渡であるキーパーの馬渡洋樹も完全移籍に移行しました。加えてJFLからという異例の流れで遠野を獲得し、同時にJ2で苦しんでいたアビスパに期限付き移籍が決定。

この3人の動きからして、完全に来期はGKを育成、数年後の選手層を確保するために各ポジション動くんだろうなということを、察しのいい人は感じ取ったかもしれません。



ポープの再レンタル(12月28日)


2人のGKの完全移籍が発表された中、ポープは大分から岡山へ再レンタル。

この時点でソンリョン、丹野、ポープ、馬渡、藤嶋とキーパー5枚の保有権を持つということになり、まだ去就の不透明だったソンリョンにこれまで以上に注目が集まることになりますし、ソンリョンの動き次第では守護神の争奪戦に参加ということも発生しうるということを示唆していました。



流出の30日 あべちゃん、マギーニョ(12月30日)


30日はサポどころかリーグに衝撃が走る発表がありました

あべちゃんのグランパス完全移籍

これは賛否両論というよりほぼ否、もしくは悲鳴の非と言うべきでした。

同日にマギーニョの横浜FCへの期限付き移籍も発表されたため、19年に獲得したRSB2人がその年の内に結果も残せず出されてしまうという事態に。この失態も含めてかなりフロントへの疑念を抱いた人も多かったでしょう。

しかし、最終的にストーリーが完結した後振り返って見ると、なるほどなとなることもあるので、またその部分をじっくりと別の項で話します。



年末の時点でのまとめ


新井の完全移籍からスタートしたストーブリーグは約1か月の間に

流出6人 新井、知念、赤崎、馬渡、あべちゃん、マギーニョ

(ポープのように既にレンタル中が行先が変わっただけというのは排除)

加入3人 遠野、山根、丹野

(既にレンタルで来ていたえいちゃんなどと、レンタルバックは排除)

といったように、やや恣意的なくくりではありますが、出入りの人数がかなり合わない上に即戦力の流出量と加入量はさらに大きな差となっています。


全ては元旦の試合結果次第ということはあっても、不安な年末を過ごすことになりました。このストーリーの答えは、最終的にマテウスの会見当日発表までわからないということなので、サポの胃が痛む年末でしたね。笑



2と3もあるよ


既に4000字オーバーですしあべちゃんの移籍については深掘りしたいと思っているので、2はあべちゃんについてがっつり書く予定です。

で、年明け以降からマテウスの当日発表までを3ということで3本仕立てでいこうと思います。

お気持ちよろしくです。