試合勘で差を見せろ vsベルマーレ レビュー

連勝を伸ばしついに暫定首位に立ったフロンターレだが、中2日や中3日の連続でチームの疲労感はかなりキツい。
前節の鳥栖戦も試合は快勝のスコアだったが、複数人が試合中に足のつりを訴えベンチメンバーから感じる元気もやや物足りなかった。

そしてそんな状況下で次に迎えるのはアウェイでのベルマーレ戦。こちらは中2日であいては中12日のとんでもない差がある一戦だ。

ベルマーレは残留争い真っ只中だが、忘れる事のできないインパクトを残した前回対戦の0-4大敗がこの戦いに重い影を落としている。
楽に勝てる相手なんかではない、むしろリバウンドメンタリティ持ってチャレンジャーとして全身全霊で戦わなければ負けるくらいの気持ちでいいと思う。
神奈川のチーム相手にシーズンダブルを食らうなんてのは許されない、ましてやベルマーレが相手なんて後にも先にも発生させてはならない。そういう覚悟を持ってやらなければならない大事な試合だと思う。

10日差はデメリットだけではない

10日のコンディション差は言うまでもなく大きい、ましてやこちらはコンディションを戻す間もない連戦で夏場というセット。厳しいという以外にない。
相手は約二週間フロンターレだけを想定して練習とコンディショニングをしてきているが、逆を言えばその間試合をやってないのも事実。試合勘の部分ではフロンターレに大きなアドバンテージがある。

ここで差をつけるくらいしかアドを稼げそうなカードは無いため、とにかく試合の中できっかけを見つけてソコからチーム全体で押し込むような強かな戦いができれば、この苦しい日程でも勝利をつかむ可能性は十分にあると思う。

鳥栖戦で見せたように、高い位置からの守備とセットプレーの跳ね返しの長短両方で相手ゴールを狙えればベストたが、体力的に常に両方狙うのは厳しいので、行くところ行かないところをはっきりさせて、行くべきところではリスクも体力も半分無視して行き切る。こういうメリハリと決断ができれば最高だ。

時間帯で意思統一するのもやり方としてアリだろう。
前後半の開始直後に先制パンチを仕掛けられれば理想的だが、相手もそれはもちろん狙ってくるはず。フロンターレに先制パンチを食らってからひっくり返すパワーがあると言える保証がないためだ。
しかし、相手の出鼻をくじくだけでも相手に嫌な感じを与えることができるため、開始直後の時間帯はしっかり耐えきる時と意思統一して遂行するという考え方もいいだろう。
どちらにしてもこの時間帯をちゃんとやりきるのは試合結果に大きな影響を与えるポイントなので、試合への入り方は要注目だ。

要注意人物は町野だけじゃない

前回対戦で暴れ回られた町野は前節後半の頭から出場しているため、おそらく先発で出てくるであろう。
彼をどう抑えるかも大事だが、ツートップで相方となる瀬川も危険人物だ。
得点こそFWとしては寂しい数字だが、フルタイム出場が多くしっかり前から追い回して限定をかけられる選手なので、疲れてるフロンターレにとってかなり嫌な存在となるはず。
味方がボールを奪えばその機動力とスタミナは攻撃の厚みや速さにもつながるため、瀬川に直接ボールを奪われなかったとしても、瀬川が原因で起きたパスミスから瀬川を通しての町野のゴールなんて形は普通にありえるので、攻守共に瀬川をどう抑えてどう外すかは注目してみたい。

他に要注意人物を挙げるとしたらサイドの高橋と畑の2名、二人共推進力とクロスを上げきる能力があるため、町野へのホットラインができてしまうとかなり厳しい。
今年のフロンターレはクロスを簡単に上げさせてしまいそれをきれいに決められるシーンが少し目立つため、クロス攻勢をどう止めるかも注目だ。

この二人は家長のようやキープ力やテクニックで打開するタイプではなくスピード型という印象。しっかりついていって蓋をすればある程度抑えられるはずだが、疲れてる選手にスピード型の蓋をさせ続けるのは難しさがある。
相手が高い位置を取り続けるようではこちらの反撃も鈍るため、ボールを保持してサイドを押し下げて相手の反撃の芽を無くしてやる時間帯を伸ばしていきたい。

中盤の要である米本は出場停止なので1つ大きな障壁が減ってるのは好都合だ。

引き分けは相手を利する状況

苦しい日程ではあるが、ベルマーレ戦もそれ以降の試合も全て引き分けはマリノスを有利にさせてしまう行為なので、可能な限り勝利を目指して戦う必要がある。

マリノスの相手はFC東京、前節6得点で勝利したとはいえ相手の退場が出てから2得点で逃げ切り。退場が出るまでで考えれば4点取ってこそいるが3失点もしている。この脆さはマリノス相手には致命的。マリノスの勝率はかなり高いと見ている。
マリノスのその後の対戦相手を見ると、ほとんどが残留争いに巻き込まれている中位以下のクラブで、現状の最下位から7クラブが揃っていて、広島と柏が残っているフロンターレと比べると多少難易度が低いようにすら思える。
もちろん終盤に向かうに連れて残留争いのクラブも必死に勝ち点1を狙いに来る難しさもあるが、それを言い出したらフロンターレも終盤に当たる神戸や京都に同じことが言えてしまう。

マリノスは勝利を重ねていくという前提で考えてもおかしくない相手が揃っている。
フロンターレは苦しかろうが辛かろうが勝ってプレッシャーを与えるしかない。
フロンターレが苦しみながらも勝てれば、マリノスが楽そうな相手に勝てなかった時のダメージが計り知れない。
まずはベルマーレとのリベンジマッチ、試合勘と強かさで勝利して暫定首位をキープしよう。

お気持ちよろしくです。