フロンターレは4-3-3との報道が

今年のフロンターレは攻撃に味を出すぞ

と新体制会見でも言っていたことから、昨年のマンネリ感や停滞感に辟易としていたサポの方々も期待感が高まる中始まったキャンプですが、報道を読み取っていくと4‐3‐3の文字が頻繁に出てきます。

今回は4‐3‐3についてのおおざっぱな解説というかフロンターレに絡めた紹介でも書こうかと思います。



4‐3‐3はブーム真っ最中


4‐3‐3のチームといわれたら多くの人はバルサやリバプールといった、欧州でも一流のチームを挙げるでしょう。

実際にどちらもこのフォーメーションで成功を掴んでいますし、これを見習って採用を始めるチームや、本格的に対策を迫られるチームが頻出していることから、好き嫌いに関係なく今のフォーメーション理論の中で主役となる存在です。


4バックはサッカーの基本という根っこから始まるフォーメーション理論で考えると、一般的な考え方で当てはめると

バランス重視の4‐4‐2、攻め重視の4‐3‐3というのが通説です。

攻撃に比重を置く(置ける)チームの採用率はどの時代も高いため、珍しいわけでも新しいわけでもない、古典的なフォーメーションです。



ブームの理由


最近の4‐3‐3のブームの理由としてよく挙げられているのは「守備力の改善」です

4‐4‐2はバランスよく守りにも攻撃にも転じやすく、守備を固めるのであれば3バックにSBまでラインに組み込んだ5バックや、中央を制圧することに長けた3‐4‐2‐1や4‐2‐3‐1などが採用されることもあります。

それに対して4‐3‐3は、守備的に考えて3トップではなくサイドアタッカーを下げることで1トップ主体の形で守るという、変則的なやり方もありますが、最近は「3トップを前に残しても守れる」ようになったからブームになったといわれています。


中央を4枚で守る4‐4‐2と比べて3枚で守る4‐3‐3は、どこかしらに穴ができます。基本的に中央で3枚の塊を壁として守ることから、サイドの突破に対して弱いというのが通説です。

サイドの穴を相手に使わせないようにする

サイドの穴を埋めてしまえる運動量や守備範囲がある選手を採用する

サイドに起点が作られても跳ね返せる守備陣を揃える

などが解決策として考えられてきましたが、近年のポジショニング理論の成熟でやっと1番最初の解決策が現実的になったことがブームの要因といわれています。



どうやって守るのか


4‐3‐3の構造的な欠点であるサイドの穴を守る方法は、端的に話せば「前からのプレスとポジショニング」の2つで行います。

これを詳しく話し出すと万単位の文字になり、今回のフロンターレの話どころじゃなくなってしまいますので、詳しく書いている記事などを参照してください。

ただし、実現可能なのを1流クラブが証明していますし、日本国内でもポジショニングの解明や成熟は日進月歩で進んでいますので、凄いチームでしかできない神業というわけではないと思ってよいでしょう。

ただし、弱点であることに変わりはないので

ちゃんと守れなければ穴になります

守れるようになったとはいえ、一番の長所である攻めが完結してある程度殴り合いでも勝つぐらいのことは必要でしょう。


実際にバルサやリバプールも失点はしてますし、穴を使われるシーンも無いとは言い切れません。

リバプールといえば話題の南野。ザルツブルグで1G1Aした試合のザルツブルグの2点目3点目は、変則的な形ですがサイドの穴から上手く中につないだものです。

ゴールの斜め前でボールが持たれてしまうと、バランスが良いとは言えない形故に1本つながれば決定機になるというのは事実です。



フロンターレは上手くできるのだろうか?


攻撃に比重を置くフロンターレ

と聞くと、鬼木政権以前の殴って殴られての頃を思い出す方も多いと思いますし、私もその一人です。


まずジェジエウの重要度は否応なく高まるでしょう

フロンターレが完全にポジショニングで穴をカバーしきれるとは考えにくいし、攻めの基礎はパスでのビルドアップですので、CBのパスワークと奪われてからの対策は必要不可欠。

大島がケガ対策をしたように、ジェジエウも無事故無欠勤でお願いします。


中央3枚の組み合わせは未知数

そもそもフロンターレにダブルボランチ以外に選択肢があるとは思ってなかった私からすると、どこに誰を置くのかも凄く可能性があると思っています。

要石となる中央を大島にするのもありですが、少しでも前からパスをゴール付近に出すという意味や、サイドとの攻撃のつながりを強めるという意味では、一番パスの上手い大島をサイド側に置くのも面白そうです。

しかも中盤には脇坂も可能性がありますし、下田や守田なども守備のタスクを重視すれば活躍の期待ができます。

ここをぴったりはまる組み合わせを見つけるのも1つのキーワードでしょう。


小林かダミアンか

CFの序列はどうなるのか

ゴールテープを切る役を決める大事な選択

昨年は小林が右に行くこともありましたが関係性はいまいち、それに右で固定になれば家長を余らせることにもなりかねないため、MFに降ろすなんてことにもなりかねません。

どちらもCFとしてはリーグトップクラスなので、片方ベンチに置けば恐ろしい陣容である反面、なんとももったいない。

2トップを諦めた以上、共存には小林右しかないため、ここの序列や小林の動きにも要注目です。

リーグとカップ戦で使い分けるのを、本人がそれで満足ならサポとしては最高の選択です。


SBの活躍も重要


3トップを採用することから、おそらくはエウシーニョのような突撃を要求されることは少なくなると思いますが、それでもSBの攻撃参加は厚みをもたらす上でとても重要なポイントです。

特に中央3枚と前3枚で、リバウンド対策はばっちりなことから、アーリークロスの重要度は高まります。ダミアンならなおのこと。

守備時には、おそらく手前で起点を作られての撤退守備という難易度激ムズの仕事をしないといけませんし、攻守共にSBの価値を高めないと厳しい戦いになることは間違いありません。


時には「蹴る」選択も


フロンターレは昨年まで中盤を飛ばしての攻撃の少なさから、相手は食い止めるまで行かずとも「時間稼ぎをしてブロックを作ってしまえばいい」という割り切りで守れてた部分もありました。

元から両サイド高い位置に選手がいて、中央にもボール回収力に優れた中盤がいるから、蹴って前に出すというのも選択肢として頭に入れてもいいと思います。

そこからコーナーにつなげられれば、マテウスはキッカーもできるみたいですし、可能性が広がるはずです。



ダミアンが軸に…?


なんだかんだでそう考えるとダミアン先発が理想的ですね笑

トレーニングマッチなどではダミアンが大活躍してるようなので、チームもそうみてる可能性は高いと思われます。

そうなるとカップ戦で小林先発という贅沢なこともできるので、どちらが軸になるにしてもハイレベルな争いはプラスに傾くと思われます。


とにかく箱を開けてみてのお楽しみということで、あと約1ヵ月、妄想をしてうずうずするような時間を過ごしましょう。

お気持ちよろしくです。