揃って足踏みをどう捉えるか vs鳥栖

J1第14節は1~3位が全て勝利できないという結果に終わった。
鹿島と差はつかずマリノスとは少しだけ差が開いた、その代わり広島がぐいっと近づいてきたという状況。
過密日程に加えてのアウェイ連戦ということも含めて、今回の結果をどう捉えたらいいのか、所見を書き連ねていく。

「引き分けは上出来」と見たい


基本的にコンディション条件ではフロンターレが不利だったと思うし、ACLから帰ってきての流れを考えるとよりフロンターレのキツい条件は見えてくる。
そのコンディション差は試合中だいぶ見えていたと感じる、相手の方が動けるし頭も回ってる。特に終盤に向かって選手交代をしていくと差は広がって谷口の退場で1つの終着点となった。
こういう試合でも無失点で切り抜けれた、しかも何かと悪い印象が最近は多い九州の地で勝点を得られた。これはもう上出来と言っていいのではないか。

谷口のレッドは「妥当」


イエローからレッドへのグレードアップというパターンでVARが入るのはあまり記憶に無いが、VARの運用ルールとしては正しい。
そして一番重要なのは「決定機を阻止したかどうか」という部分だが、ここについては距離などの複数条件が絡むため判断が分かれるのも理解できるが、私は妥当な判断だったと受け入れたい。

あのファウルの瞬間の私のツイートが上記の物だが、そもそもあの状況でファウルで止めること自体がリスクを背負った行為であり、現状の試合運用だど目立つ形のファウルとなればVARが介入する可能性は高い。

VARが入るとどうしても印象が悪くなりがちなのはもうわかりきっているので、あの状況でファウルで止めるという判断、それより手前のファウル覚悟で止めに行かないといけない状況になったことを悔やむべきだろう。
審判に文句を言っても仕方がない。

ではなぜそういう考えになったかを少し話そう。

1,ボールにプレーができていない。
ボールを突いて残った足に引っかかったとかならまだ情状酌量の余地はあるだろうが、ただ単に垣田をタックルで突き飛ばしたようにしか見えない。これは最低限イエローは確定する要素。

2,ディフェンスラインと相手選手の位置で見れば決定機
あのシーンで相手が一番可能性を広げるプレーは、垣田がドリブルでペナ角付近まで持っていき、中央を走って上がってきた選手へのプレゼントパスと自分のシュートの2つの選択肢を持ってゴールへ向かう形。
タックルが入った瞬間のディフェンスラインは谷口の位置、中にパス出せばその他のフロンターレDFより一歩飛び出てた鳥栖の選手が受け取ってそのままGKと1対1になれそうな状況だった。
なので距離が遠かろうとパス一本で決定機になる瞬間を止めたということで、決定機と認識しやすい。

谷口はどうすればよかったのか


完全にたらればの話になってしまうが、あの退場シーンを防ぐにはどうしたら良かったのかのようなイフストーリーも考えてみたい。
まずジェジエウがいればボールだけ蹴り飛ばしてて可能性はある。だが谷口では実際にダメだったと。
じゃあ無理に止めに行かずコースを限定しながらという事ができたかというと、先程も書いたように谷口が垣田に付きに行った分他の選手とラインの隙間ができてしまっていたため、コース限定は相当至難の業。

じゃあソンリョン様頼みか相手のシュートミスで無失点ノーカードを狙うという形はどうかと考えると、あの状況あの時間帯で失点のリスクはそこまで背負いたくない。
そう考えると、谷口の退場で勝点1を得られたという考え方にも至れなくはないと思う。

谷口の退場+出場停止が結果的にいい選択だったと言えるようにするためには、これから先の出場停止期間の試合でしっかり代役の山村が仕事を完遂すること。それから休養期間と捉えて復帰後の谷口がコンディションをより高くすること。
ここまでやって長期的に本人とチームでこの結果を良い選択だったと言えるようにしていこう、そうやって前向きに消化していこう。


サブメンバーの質


状況が状況とは言え、一番ゴールへ向かう迫力があったのは谷口が退場してから。それまでの時間人数も揃っていながらフロンターレの攻撃は決定機すらほぼ無く、守備もハマらないシーンの連続。
こういうのを見てしまうと、今回スタメン変更を複数人一気に敢行してどうだったかと考えた時に、力不足でしたと言いたくなってしまう。
HTで交代となった小塚、明らかに攻撃の勢いが増した遠野、ダブルボランチで安定感を増したというより一人だと色々と不安なシミッチ。居るだけで何かと顔を出して役目を果たしてくれる橘田。
まぁいろいろと言いたいことはあるが、ベンチメンバーといつものスタメンではクオリティが変わってしまうのは事実だろう。
ACLでお試しがほとんどできなかったツケを払わないで済むようになるには、けが人の防止等かなりの無理難題を突破しないといけないが…

お次は勢いに乗る湘南ベルマーレ


ベルマーレはカップ戦含めて連勝、苦しい試合は続くがGKの谷を中心にチームで勝ち取った勝利。勢いはあるはず。
しかもホーム連戦からの等々力遠征なのでコンディション調整に関してはかなりアドバンテージが有る。ベルマーレが持ってる手札は「頑張って走り続けてしぶとくねちっこく」しか無いので、このコンディションのアドバンテージは願ったり叶ったり。ここは要注意ポイントだろう。

リーグ戦はやっと最下位を抜け出したところだが、ルヴァンでは首位でGS突破しているし、リーグ戦含めて戦績こそ悪いが無得点試合というのはそんなに多くない。すなわち毎試合点は取れてるということなので、ロースコアで勝つ事の増えたフロンターレなら十分に勝ち目も1-1での引き分けも狙えるということだ。

そして最大の懸念点は谷口が出場停止で山村が代わりに入るという点。
山村は谷口よりスピードが劣る、素早い展開で攻めてくるしかないベルマーレにとって完全に狙い所。ウェリントンや町野の高さに対しては十分に抵抗できるだろけど、瀬川や2列目からの攻撃にはチームでの対策が必要だ。
CB適正のある選手のベンチ入りがゼロになるため、不用意なイエローだけでも致命傷になりかねない。90分通して山村に負担の掛からない守り方をするためには、パスミスからのカウンターもゼロに近くしないといけない。
こういった縛り要素がたくさんあるので、早いとこ点取って自分達の主導権を確保したい。


忍び寄る広島の影


上位が一斉に勝点をこぼして、柏も勝ちが伸ばせなくなってきた。
この状況で存在感を増しているのがサンフレッチェ広島だ。
ルヴァンは首位突破、リーグも鹿島と京都から3点取って勝つなどここ数年で一番盛り上がってる状況だ。
これから先上位陣が昨日のように揃って躓くことが続かない限りは優勝争いに入って来ることはできなさそうだが、カップ戦ではダークホースとして注意しないといけないだろう。
次のフロンターレとの対戦は9/10、そこまでにしっかりとリサーチはしておきたい。

お気持ちよろしくです。