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ガチ中華店員 12/4

もう12月8日ですけど。諦めてません。

お昼、羊の丸焼きを出す中華料理屋に旦那のご両親と行った。行ってみると店内はほぼ中国系の人ばかり。いわゆる「ガチ中華」の部類に入る店で、当たりの店っぽいなと早めに確信した。

メニューも多く、まずグランドメニューから選ぶか、ランチメニューから選ぶかで迷っていると、ガチ中華店員はせっかちで、早々に「こいつらはきっとランチメニューで安い定食を選ぶはず」と決め込んだらしく、取り分け皿とおしぼりをわざわざ謎に片づけてしまった。おしぼりまで片づけんでもと思いつつ、私は店員に強く出れないタイプなので、ガチ中華店員も見送った。
旦那のお父さんはそういう時にちゃんと物申せるタイプの人だった。
でも相手がガチ中華店員だったので、お父さんによるキレ気味の「いやまだ決めてないから置いといて!」とか「さっきのおしぼりは?」に対して、何も怯むことなく、なんならさらにキレ気味に「は??」と返したり、「あー、おしぼりねー」とダルそうに返していた。
何も言えないタイプの私は卓球のすごすぎるラリーを見ているような感覚で感心しつつ笑ってしまった。

「異次元のものを見る」「日常ではあまり見ない光景を見る」というのは笑いにつながる、と感じるときは多い。伊藤美誠と丁寧の試合も凄すぎるがゆえに、私は見ていてなんかウケちゃう。客と店員が自分ではしないようなケンカをしている、というちっちゃい異次元であっても、やっぱりおもろい。
まず他人同士が大っぴらにケンカしているところをそんな見ない私にとってはまずそこが面白い。あと、お父さんがキレるのはまだわかるけど、それに「は?」と勢いよくキレ返すのが意外過ぎて面白かった。

私は「面白い」という概念に一番興味がある。最も一貫性がなくて、瞬間的だから。
色んなことに面白い、と思うけれどもその理由をいつも一貫させられない。漫才やらコントを見ていても、王道漫才もとても面白いと思うし、秩序を崩してくるような漫才も面白いと思う、気持ち悪いシュールコントも好きだし、ほっこりするようなコントも好きだ。道端に靴のソールだけ落ちていたときも面白かったし、ガチ中華店員だって面白い。
一貫した理由を見つけられなさ過ぎる。
だからこそ、「面白い」をつくる要素をもっと知りたい。
「なんかウケるな」と思ったときに、その理由を細分化して、言語化して、自分の中にため込んでいきたいな~と思う。面倒くさがりだから、今までほわっとさせてきてたけど。頑張ろう。

夜は恵比寿のガーデンシネマで「笑ったり泣いたり」という映画を見に行って、帰りにガーデンプレイスのイルミネーションのところを歩いた。

イルミネーション自体は好きだが、恵比寿イルミを見に来る層は自意識が強い人たちが多く、嫌な気を感じたので早めに退散することにした。
帰ろうとしたとき、ちょうどお茶割の缶を飲みながらガハガハ笑っているおじさんがいて、カップルでいっぱいのキラキラとした一本道で完全に彼は異次元で、私はまたここでもウケてしまった。
面白い人はそこら中にいっぱいいる。




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