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「入社後ギャップを撲滅せよ!」 “同じパンを食う仲間”を大切にしない会社に警鐘。 アドウェイズ岡村、怒りの問題提起

株式会社アドウェイズ代表・岡村陽久(おかむら はるひさ)の抱える多種多様なお悩みを、あらゆるジャンルの有識者に相談する当ブログ「勝手にしやがれリターンズ」

今回、岡村は怒っていた。眉をひそめ口をへの字に曲げる岡村に、岡村をよく知る西久保、高山も思わずたじろぐ。その怒りはどうやら、面接時の“約束”を守らず、求職者の人生を軽んじる世の経営者や人事担当が理由のようだった。岡村がどうしても許せないという、採用ミスマッチによる入社後ギャップ問題とは。

怒れる岡村! 採用ミスマッチに物申す

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岡村:高山さん、僕はね!怒ってるんですよ!

高山:落ち着いてください、岡村さん。

西久保:まずは眉間の皺を伸ばしてください。

高山:いったいどうしたんですか?

岡村:うち(アドウェイズ)って、いったん辞めて戻ってくる社員がけっこういるじゃないですか。

高山:はい。

岡村:戻ってくる理由で、一番多いのってなんだと思います?

高山:やっぱり、岡村さんのことが恋しくなったんじゃないですか?

岡村:ぜんぜん違います。

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西久保:ぜんぜん違うんだ。

岡村:戻ってきた社員にその理由を聞くと、「転職先の業務内容が、面接で聞いていた話と全然違って……」と、悲しそうな目をして言うんですよ。これが許せなくてね。要は会社が転職者にウソをついているわけじゃないですか。しかも、うちの大事な元社員を騙して悲しませている!

高山:なるほど。募集内容と実務内容に差異がある会社に対して憤っているわけですか。

岡村:そう。けっして社員を奪われたことを怒っているわけじゃないんですよ。もちろん、大好きな社員が転職してしまうのは身を切られるほど辛いし、寂しい。でも、その人が「どうしてもやりたいことがある」と言うんだったら、僕は快く送り出しますよ。

なのに、その「どうしてもやりたい」という気持ちを利用する会社がいたりするんです。耳障りのいい言葉を並べ立てて、実際には募集時と違う業務を命じられたりする。これはね、もはや詐欺行為ですよ。オレオレ詐欺ですよ。

西久保:オレオレ詐欺ではないけど、ひどい話ですね。

岡村:そんなの、巨人にドラフト1位指名されたのに、三軍で球ひろいばっかりさせられるのと同じですよ。もしくは高山さんをヘッドハンティングして経理をやらせるようなもんです。

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高山:そっちのほうが分かりやすいですね。
※高山は事務作業が絶望的にできないことで知られる

岡村:僕はね、シンプルに約束を守ってほしいだけなんです。悩みに悩んで、勇気を出して新しい道を踏み出した人の思いを簡単に踏みにじらないでくれよ!と。

高山:でも、そこを辞めてアドウェイズに戻ってきてくれたこと自体は嬉しいんですよね。

岡村:それは正直、超嬉しい。

西久保:「嬉しさ」と「怒り」の割合はどれくらいですか?

岡村:嬉しさ9、怒り1ですね。

高山:人間、1割でそこまで怒れるものなんですね。

岡村:だってね、考えてみてくださいよ。人を採用するってことは、これから仲間になるわけじゃないですか。仲間に嘘をつくって、いつの時代もご法度ですからね。ルフィがゾロに嘘を吐きますか? 悟空がクリリンを騙して金を巻き上げますか?

高山:金を巻き上げる悟空、超イヤですね。

岡村:というか、そんなことして転職者はもちろん会社にとって何の得があるんだと。転職した社員は在籍している時期、決して気持ちよく働けないと思うし、転職元は社員が流出するし、転職先だってそんなことして入れたところで長く定着するわけがないでしょ。

西久保:誰も得しないですよね。どうしてそんなことになっちゃうんだろう?

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岡村:経営者に問題があることは明らかですが、それ以外にも原因はある気がしますね。例えば、人事がノルマの帳尻を合わせるために、ミスマッチなことを分かっていながら採用している、とかね。

会社のためとか転職者のためじゃなくて、単なる数合わせで入社させているようなケースもあるのかもしれない。もし、本当にそんな不毛な仕事をしていたとしたら許せない!許せないし、一周回って悲しい!!

高山:ああ……情緒が……。

西久保:瞳が潤み始めてきている……。

高山:岡村さん、定期的に動物と触れ合ったりした方がいいですよ。                       

岡村:たぶん、「今度、あそこの会社でこんな新規事業をやるんだ!」とか、妻や子供にも言ってると思うんですよ。そしたら「パパ、すごーい」って子供が喜んで、「パパも新しいお仕事がんばるから、ケンジも宿題がんばるんだぞ」ってなりますよね。

西久保:家族や友達にも説明しづらいですよね。

高山:なりますかね?っていうかケンジって誰?

岡村:なるんですよ。でも、実際は新規事業どころか“リストラ部屋”だったらどうですか。子供は宿題しなくなるし、パパのことをウソつきだと思って軽蔑して、しまいには家庭崩壊ですよ。

高山:話が飛躍したけど、それくらい罪が重いってことですね。

面接で何よりも大事なのは「正直」であること

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おもむろにお味噌汁を飲み始めた岡村

高山:ちなみに、アドウェイズはそのへんどうなんですかね。入社後のギャップって、あんまりない会社なんでしょうか?

岡村:もちろん、全くないとはいえませんよ。でも、少なくとも面接でウソはつかない。面接時と入社後のギャップをなくすために必要なことってテクニックじゃなくて、「正直であること」だと思うんです。

採用担当者は「こういう仕事をしてくれる人を探してるんだ」と正直に開示して、社風や残業のあるなしも全て包み隠さず面接で伝えないといけない。ようは、相手が正しく判断するための、正しい情報を提供しないといけない。

西久保:社長はこんな人ですよ、とか。

高山:シュっとしたIT社長とかじゃないですよ、とか。

岡村:そうそう。会社でも平気で寝グセつけて歩いているような人ですよ、と正直に言わなきゃだめなんです。

高山:じゃないと、「シュっとしたIT社長」のところで働きたい人はガッカリしますよね。なんならシュッとしたIT経営者は真逆の風体ですもんね。

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岡村:ちょっと言いすぎですね。

高山:ちょっと言い過ぎました。

岡村:うちの会社の人事担当者もノルマはあります。でも採用で最も重視すべきなのは「会社や仕事に合うか、合わないか」なんです。入社したところで定着しないなら、人事担当者の利益にもならないですから。

西久保:会社の文化や、細かい業務内容まで伝えることは大事ですよね。

岡村:人によっては強いアレルギー反応を起こして体を壊してしまうケースもありますからね。大げさじゃなく、命にかかわるレベルだと思いますよ。

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高山:ただですよ、会社側はともかくとして求職者側が面接で全て正直にさらけ出すことって、難しいと思うんですよ。僕もそうだったんですけど、やっぱり採用されたいから自分を盛るじゃないですか、多少は。

岡村:確かに、高山さんもアドウェイズの面接の時にかなり盛ってましたもんね。エクセル、ワード、パワポが一切できないのに、全部「できる」って。

西久保:盛るどころか、大ウソですけどね。

岡村:まあウソはよくないけど、求職者側は多少オーバーなことを言ってもいいと思いますよ。自分を少しでもよく見せたいと思うのは当然だし、それを見抜くのも人事の仕事ですから。ただ、会社側がそれをやっちゃダメ、絶対。それは自戒も込めて強く言いたいですね。             

採用を軽んじる経営者は「Company」の語源を知るべし

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岡村:ところで、お二人は「Company(カンパニー)」の語源を知っていますか?

西久保:知りません。

高山:まったくわかんないです。

岡村:もともとCompanyの語源は「ともにパンを食べる仲間」って意味なんです。つまり、“同じ釜の飯を食う”ってこと。みんなが同じパンを食べているのに、一人だけコメを食わされたら嫌じゃないですか?

高山:すみません、コメが食えるなら、それはそれでちょっと嬉しいかもしれないです。ラーメンだったら、むしろサイコーです。

岡村:……僕の例えが悪かったのかもしれませんが、言いたかったことは会社っていう組織の本質を忘れちゃいけないってことです。

西久保:つまり、会社っていうのは同じ思いを持った「仲間」の集まりなんだと。カンパニーの語源が、そのことを教えてくれるわけですね。

高山:胸が熱くなりますね。いま、みんなでパンを食べたい気分です。

岡村:今ってコロナ禍で、採用は買い手市場になってるんですよ。だからこそ、会社側は傲慢になっちゃいけない。もちろんアドウェイズもそうだし、他社にも求職者目線で真剣に考えてほしい。他人の人生を狂わせているような会社は、100年かかってでも買収してやりますよ。

高山:でも、岡村さんにそんな権限ないですよね。だって、7月から社長じゃなくなるじゃないですか。
※岡村陽久は2021年でアドウェイズ代表取締役社長を退任し、取締役会長に就任する

西久保:そう、「代表」じゃない岡村さんには……。

岡村:社長は辞めても会長なんだけどね……。

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