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サウナ選びにイキリは厳禁!ヨッピーが教えるサウナ上級者の心得

株式会社アドウェイズ代表・岡村 陽久(おかむら はるひさ)が、さまざまな悩みを抱える人の元にアドバイスをしにいく企画として発足されたブログ「勝手にしやがれ」ですが、当初582万人の相談者のお悩みに答える予定が、企画開始からの累計実績が相談者5人とふるわず、岡村に「大人気ですよ」「相談者が爆増しています」などとだましだまし49回続けたブログは惜しまれながらも終了しました。

そんな幕の閉じ方に、ときにため息を漏らし物憂げな表情をする岡村。そこで心配した部下が、リニューアルを企てることに。この「勝手にしやがれリターンズ」では、岡村の持つ悩みを部下が予想し、あらゆるジャンルのプロフェッショナルに相談に乗ってもらおうという企画。

今回はサウナに週5で通う岡村がサウナ上級者になるため、“銭湯神”を迎えサウナの極意を伝授してもらいました。

※注……今回の記事は2月に撮影されたものです。外出自粛でサウナに行けなくなった岡村は毎日泣いていますが、サウナ活動が再開できることを祈って記事を公開致します。

サウナ中級者が上級者になるために銭湯神を召喚

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高山:岡村さん、サウナに通い始めてどのくらいになりますか?

岡村:だいたい4ヶ月くらいでしょうか。でもそれからかなりの頻度で通ってるので「濃さ」ではかなりのものだと思います。

西久保:じゃあサウナ中級者くらいですね。さらなる高みを目指したくはないですか?

岡村:それはもちろん。

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高山:だったら現在のサウナライフを客観的な視点で見直さなくちゃ前進しません。

岡村:ほう。というと?

西久保:今日はサウナ上級者になるための指導をしていただくために、ある方をお呼びしました。どうぞ!

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週に8回銭湯に通うという「銭湯神」ことヨッピーさんにお越しいただきました。何故かキレ気味です。長野にある名サウナ「THE SAUNA」のTシャツで登場。どこで買ったんだ。

ヨッピーさん:今日は「サウナの上級者になりたい」という相談があるとの事ですが。

岡村:これはわざわざ……。実は私、ヨッピーさんに勧められてサウナに通うようになったんですよ。あの日から僕はヨッピーさんの弟子になったつもりでいます。

ヨッピーさん:じゃあ今日は弟子に指南を仰ぐ師匠という立ち位置で厳しく指導させて頂きますね。

岡村:よろしくお願い致します!

通えばいいってもんじゃない。サウナ選びにイキりは禁物

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ヨッピーさん:まず、普段どんな銭湯に行っているかを聞かせてください。

岡村:日常使いしてるのは新宿の「AKスパ」、週一で通ってるのは「上野サウナ&カプセルホテル北欧」、土日は千葉の「君津の湯」によく行っています。

ヨッピーさん:……。なるほど。入場料がいくらか覚えてます?      

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岡村:確か「AKスパ」、「上野サウナ&カプセルホテル北欧」ともに3時間1,400円、君津の湯は※740円だったと思います。どうですか?僕のサウナライフは。なかなか趣味がいいでしょう。

※平日料金:590円

ヨッピーさん:あー、なるほど。

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ヨッピーさん:完全にイキってますね。

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岡村:ええ……。

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ヨッピーさん:岡村さん、上場企業の創業者だし、一般的に見てどう考えても大金持ちじゃないですか。

岡村:まあ人並みには……。

ヨッピー:普通の人は週5で1,400円の銭湯に通えないですよ。1,400円はたまの楽しみの金額です。

岡村:でも、“北欧”のサウナで汗を流してから食べるカレーが今人生のトップスリーに入るくらい楽しみなんです。もはや上野に引っ越そうか悩むくらい。

ヨッピーさん:熱心なのは結構です。でもね、それだって週一で食べてたらありがたみも薄れるでしょう。今、「弟子の育て方を間違えたな」って非常に後悔しています。

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「もう責任を取って死ぬしかない」と舌を噛んで死のうとするヨッピーさんと、慌てて制止する高山。

まずは世間とズレのない“基準点”を自分の中に持とう

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岡村:じゃあどんな銭湯を選べば良いんですか?

ヨッピーさん:僕が通う銭湯は基本、入浴料が500円以下。それでいうと1400円のスパに通う岡村さんは900円分のイキリが見えてます。

岡村:900円分のイキリ。

ヨッピーさん:銭湯通いで大切なのは世間の感覚とズレのない“基準点”を自分の中に持つことなんですよ。話はそこからです。

岡村:基準点?                            

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ヨッピーさん:銭湯やサウナのいいところって、偉い人も金持ちもおっさんも若い人も関係なく全員裸でいられるところなんですよ。

岡村:なるほど。

ヨッピーさん:何度も世界王者になってる格闘家の青木真也さんって知ってますか?

岡村:もちろん。

ヨッピーさん:僕、その青木さんから聞いた話がすごく好きで。青木さんが銭湯行ってサウナに入ったら格闘技がテレビで流れてたらしいんですよ。黙って見てたら隣に座ってた格闘技好きのおじさんが「あんた、ヒョードルって格闘家知ってるか?めちゃめちゃ強いんだよ。あれには絶対勝てないよ」ってひととおり話した後、青木さんの顔を見て「え?青木じゃん!」っておじさんがびっくりしたっていう。

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岡村:それは驚くでしょうね。

ヨッピーさん:その場では世界王者も、格闘技好きのおじさんもフラットな関係なんですよ。

岡村:肩書きも何も関係ないんですね。

ヨッピーさん:そう。だから岡村さんももっと知らないおっさんとかに絡まれないとダメです。

岡村:まず絡まれなくちゃいけないんですね。             

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ヨッピーさん:そうやって普段接することのない人と話すことも大切なんです。例えば最近香川県でゲームの規制条例が可決したじゃないですか。

岡村:はいはい。

ヨッピーさん:Twitterユーザーなんかのネット民からは非難轟々だったけど、普通のおじいちゃんからしてみれば「ゲームをやりすぎるとバカになる!」と条例に賛成してたりする。そこで「Twitterの意見ってもしかして少数派かも」って疑問が持てるわけです。Twitterをやってるのってせいぜい国民の3割くらいでしょう。Twitterユーザーっていう時点で何かしらのバイアスがかかってるかもしれない。

岡村:客観視する場でもあると。

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ヨッピーさん:そう。だから「基準点」なんです。「普通」の基準点。普通の人たちの価値観を注入するんです。それなのに金持ちぶってイキってたらダメですよ。

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ヨッピーさん:居酒屋を選ぶときも同じです。岡村さんは普段、飲み屋でいくらくらいの金額を使ってますか?

岡村:新宿近辺の店でだいたい5,000円〜1万円くらいでしょうか。

ヨッピーさん:ね。完全にイキってるじゃないですか。普通のサラリーマンが単価1万円で飲みに行けないですよ。「ワイは金持っとるんやでぇ~!」っていうイキりが透けてるんですよ。僕が新宿でめちゃめちゃ使うのは「白木屋 歌舞伎町総本店」です。一人あたりの飲食代は3,000円くらい。ここが僕の居酒屋の“基準点”です。

岡村:なるほど。

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ヨッピーさん:自分の中で“基準点”を持っておくと、高価な料理を食べたときも普段の食事とのギャップが感じられて美味しく味わえるでしょう。銭湯もそう。だから1,400円の銭湯に週5で通うことは異常だと理解できる脳みそじゃないと困るわけですよ。

岡村:お恥ずかしい限りです。これからは1,000円オーバーは自分へのご褒美にします。

ヨッピーさん:あー。ご褒美という感覚が違うんだよなあ。

岡村:えっ。

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ヨッピーさん:ご褒美って自分に与え出すと止まらなくなるじゃないですか。「今日は頑張ったから自分へのご褒美にサウナ行こう」じゃなくて、「今日は朝からバタバタしてすごく疲れた。けど明日も早くから仕事だ。その戦いに備えて今日はサウナに行こう」という気持ちで臨むのが正しいと思います。ご褒美じゃなくて明日戦うために行くんです。

岡村:明日の活力のため……。慢心していました。

ヨッピーさん:会食も次から「白木屋 歌舞伎町総本店」を使った方がいいですよ。

岡村:そうします。

ヨッピーさん:うん。六本木の会員制バーに行ったら破門です。     

入浴料500円以下。ヨッピーさんが勧める都内の銭湯

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岡村:具体的におすすめの銭湯ってありますか?

ヨッピーさん:僕の場合、サウナはありませんがホームは高円寺の「小杉湯」ですね。ここはミニタオルが無料で借りられて470円で入浴できます。

岡村:え、毎回サウナに入るわけじゃないんですね。

ヨッピーさん:基本は交互浴ですね。サウナは入浴料と別料金の銭湯が多いので毎回入ると高くなっちゃうんですよ。

岡村:勉強になります。

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岡村:基本は交互浴、と……。

ヨッピーさん:交互浴なら中野の「清春湯」もおすすめです。470円で入浴できる。水風呂が異常な冷たさです。新宿付近だと新大久保の「万年湯」ですね。ここも470円で入浴できるし熱湯が本当に熱い。交互浴に最適です。

岡村:サウナがある銭湯でおすすめは?

ヨッピーさん:サウナメインだと鶯谷にある「萩の湯」もいいですね。入浴料470円にプラス120円でサウナが利用できる。そこに加えて70円でタオルを借りても全部で660円です。

岡村:基本的にヨッピーさんは入浴料470円ラインを抑えてるんですね。 

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ヨッピーさん:そうそう。あと、あとは中野にある「昭和浴場」。ここは入浴料470円にプラス100円払うと次回使えるサウナ無料券がもらえるんで、実質50円ですね。

岡村:なるほど。なか卯の唐揚げ無料券みたいなノリですね。      

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ヨッピーさん:まさしく。都心だと新宿の「羽衣湯」や、表参道の「清水湯」もおすすめですがサウナを使うとなると少し高くなるんですよね。共に入浴だけだと470円ですが、「羽衣湯」じゃサウナを利用するとプラス730円の1,200円。「清水湯」でサウナを使う場合はプラス550円かかり1,020円です。まあ、立地が良いから仕方ないんですけど。           

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岡村:一つ聞きたいんですが、サウナが別料金の銭湯でサウナを利用するのはイキりに入りますか?

ヨッピーさん:難しい問題ですね。うーん……「萩の湯」くらいの価格帯であればセーフじゃないでしょうか。

岡村:プラス200円くらいの価格であればOK……と。

ヨッピーさん:200円って言ったら蕎麦にエビ天をトッピングするくらいの感覚じゃないですか。エビ天はまだセーフな気がしますね。そこに追加でコロッケ乗せはじめたら「おい、イキってるな」って思いますけど。    

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岡村:エビ天はセーフ、と……。

ヨッピーさん:常に「イキらない」というのを心がけてください。

岡村:はい。イキっちゃわないように心がけます。

ヨッピーさん:日常使いする銭湯は基本800円以下。これを今後の岡村さんの“基準点”にしましょう。1,000円を超える銭湯は週1回まで。      

サウナは自分の考えを俯瞰で眺め、軌道修正できる場所

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岡村:分かりました。あとお恥ずかしい話、今まで銭湯に入って“整った”ことが数回しかなくって……。

ヨッピーさん:僕もいわゆる「脳内麻薬が出る!」的な整いは一度もないですよ。

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岡村:えっ、そうなんですか。

ヨッピーさん:はい。中には「サウナに入ると脳内麻薬が出る」みたいなことを言う人もいますが、僕は全くないですね。人によって脳の構造も違いますし。体がポカポカして眠くなったりすれば良いな、くらいの感覚です。それが僕にとっての整い。そもそも、整いなんて無視してください。

岡村:分かりました、無視します。

心の逃げ道であり、心のお守りである。それが銭湯

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ヨッピーさん:銭湯ってね、ここ(心臓のあたりを指さしながら)にあるものなんですよ。銭湯・サウナはそれぞれが心の中に持つものなんです。

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岡村:銭湯は心の中に。

ヨッピーさん:思えば銭湯にはサラリーマン時代から支えてもらってます。当時は朝の8時半に出社して夜の9時10時に帰社する毎日で。それだけの繰り返しだったら気が滅入っていたと思んですよ。

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ヨッピーさん:でも僕にはそんな日常の中にも銭湯があった。「仕事が終わったら銭湯に行こう」と思えるんです。上司からドヤされても銭湯が心のバリアになって僕を守ってくれるんですよ。銭湯は心の逃げ道でありお守りなんです。

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岡村:確かにどんなに忙しくても「この仕事の向こうに銭湯が待ってる」と思うと気分が明るくなります。これからも僕の心の銭湯を大切に生きていきます。ヨッピーさん、今日はありがとうございました。

ヨッピーさん:これまでで僕が最初、不機嫌で入ってきた理由がわかりました?

岡村:そうですね。フラットな基準点が大事なのに、中級者、上級者って階級に分けようとしていたのが良くなかったですね。

ヨッピーさん:まったくその通りです。

西久保:すいません、一点だけお伺いしたいんですが、「上下関係がダメ」というのは良くわかりましたけど、それなのにヨッピーさんは銭湯の神を名乗ってますよね?それは矛盾しないんでしょうか?

ヨッピーさん:しません。

西久保:それはなぜでしょうか?

ヨッピーさん:矛盾してないからです。

西久保:なるほど。わかりました。



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