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#2 地下室のメロディー

前回は第1回の投稿にも拘わらず、「映画館の大スクリーンで観なくてよい、だけど観てほしい」などというよく分からない映画紹介になってしまった。うん、素直に反省している。でもそれでよいと思ってる。子曰、過而不改、是謂過矣。間違ったら「すいませんでした!」と言うべきである。

という訳で、今回はこの記事を読んでくださっている稀有な読者の皆様へのお詫びとして、とっても素敵で楽しい犯罪映画を紹介させていただく所存です。その映画は、「地下室のメロディー」です!

地下室のメロディー 1963年/フランス/121分/監督:アンリ・ヴェルヌイユ/出演:ジャン・ギャバン アラン・ドロン

上映時間がデータベースによって若干違うようです。図書館から借りてきたDVDは107分でした。編集が異なっているのかどうか分かりませんが、まあ映画としては標準的な上映時間の範囲内かと思います。

この映画を例えるなら、ラヴェル作曲のボレロであり、「ルパン三世カリオストロの城」、といったところでしょうか。あらすじを超簡単に、ネタバレなしで説明いたします。ベテランと若手ギャングの二人組が、カジノの売上金を強奪する話です。以上。この上なくシンプルな話でございます。

ではいったい何がボレロであり「カリ城」なのか?まずはメロディーがボレロでなのです。この映画の中では、どこかで聞いたことのある?超有名なメロディが、例えばボサノバ調だったりアコギだったりと、何度も何度も別のアレンジでリピートされます。これがかっこいいんですねぇ。そしてボレロのクライマックスです。このあたりも「地下室のメロディー」のラストを想起させます。どうなる?どうする?という感じで最後までハラハラさせて、いや、お見事!アッパレ!!という素晴らしい画でFINとなります。

そして「カリ城」です。「カリ城」の冒頭のシーンでルパンと次元がカジノから売上金を強奪します。はい、全く同じですね。「地下室のメロディー」では、ルパンと次元が普段どうやって下準備工作をしているか?を、冒頭からつぶさに描いているんです。例えば、カジノの隣にある劇場の踊り子さんを、アラン・ドロン演じる若手ギャングがナンパしたり、カジノの下見をするために金持ちのふりをしたり。その方法を伝授するのがジャン・ギャバン演じるベテランギャングという構図。まあルパンと次元ではどちらがベテラン若手なのかよく分かりませんが(^_^;)そして盗んだのは偽札だったというのが「カリ城」なのですが、さてルパンは偽札だと気付いて、それをどうしたでしょう?はい、ご存知の方はもうはっきりと画が浮かんでいますよね?その画が、「地下室のメロディー」のラストと繋がるんです。

気になった方は、ボレロと「カリ城」も合わせて「地下室のメロディー」をお楽しみください。「カリ城」はともかく、「地下室のメロディー」はレンタル店にはあまり置いていないのが難点ですがm(__)m

もっと「地下室のメロディー」について知りたい方は、映画評論家・町山智浩さんの解説がYouTubeで観られますので、そちらでぜひ。「カリ城」の解説はオタキング・岡田斗司夫さんの解説でどうぞ。そういえば10月上旬から2週間限定で劇場で観られるみたいですよ。


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