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#1 パンケーキを毒見する

パンケーキを毒見する」を観てきました。多くの方がいろいろなサイトでレビューを書いているので、僕はあまり他の方が書きそうもないことを書いてみます。

この手の映画が日本で少しずつ。「新聞記者」「i-新聞記者ドキュメント」もありましたが、それに続いて時の政権に対して真正面から批判する映画を公開できたことが希望と言えるかなと。政治関連のネタとしてはあまり新鮮味はなかったかな。ニュースをしっかりチェックしていれば既出の情報がほとんどです。元々政権に批判的なスタンスだったとはいえ、自民党系の議員が出演していたのは評価できますね。政権側の人物が登場しないのは、取材拒否のためだそうです。うん、まあこの手の映画ではお約束ですが、欲を言えばそこを突破してほしかった。「ジャマイカ 楽園の真実」が凄かったのは、IMFの関係者がロングインタビューに応えて出演していることかな。あと政治に関心のない人にも知ってほしいのは、最後の方で示されるデータ。日本は既に先進国とは言えないことを白日の下に曝しています。それにしてもアマプラもやりますなぁ。今でもジャマイカ観られるんだね。リンク張っておきましたので興味ある方は是非どうぞ。ゲオ宅配レンタルでも借りられます。

 でもね、営業妨害したいわけじゃないけど、出来れば映画館の巨大スクリーンで観ないほうがいい。テレビ画面くらいで十分です。だってさー何故あのおじさん達の顔のアップが必要なの?分からん。そりゃ多少撮影用にメイクしてつやつやしてた気もするけど、どアップであの顔を映してどうするの?暑苦しい方々の巨大な顔が、なんだかもう、異常な圧力となって迫ってくるんだもの。映画館のスクリーンの半分以上占めてるシーンが何度も・・・もっと引きの画でいいでしょ、まったく。この映画に出演して忌憚のない意見を述べて下さった方々には敬意を表したい。だけどね、これは作り手の問題だと思う。世の中には、大スクリーンで観るべきではない映画ってのがあってですね。「ブルーノ」の無修正版では、インテリコメディアンのサシャ・バロン・コーエンの巨大な○○○が堪能できるそうです!観たい方は海外から無修正版DVDを取り寄せて、ご自宅の大スクリーン(?)でご覧ください。僕は日本版だけでもうおなかいっぱいです。

 何の話だか分からなくなりましたが(^_^;)巨大な顔の画はさておいて。僕はアベスガ政権には批判的な立場です。あらゆる点で評価していません。ただ、政治的イデオロギーと映画の作り方に関しての評価は全く別物として考えています。やっぱりマイケル・ムーアのドキュメンタリーと比較するとちょっとツッコミが甘い気がする。「華氏911」では、カーライル社の社員がコメントしてますからね。あの一言はトンデモナイぞ。全人類が知るべきだ。イデオロギーが強く出ているという点で、マイケル・ムーアは中立的な視点は放棄していて、それが彼の作風なんだけど、先述の「ジャマイカ 楽園の真実」とは実に対照的。こちらは素材を出来る限りそのまま提供して、「さあ、あなたはどう思いますか?」と問いかけてくる。そう見ると、やっぱりまだまだ「パンケーキを毒見する」はどっちつかずな印象。観客に判断を委ねるのか、あるいはマイケル・ムーア的イデオロギーに寄せるか。本作でちょっと使われてた「サウスパーク」的アニメで押してもよかったかもね。そのあたりも含めて今後に期待!より激しく権力を撃つ、そして死ぬほど笑える政治コメディを!


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