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嘘グルメ 第八話「ジュディ・オングの袖のヒラヒラ」

あの時代は良い~時代でしたね。全てがキラキラしてたっていうか、日本中が夢で溢れてましたね。私が彼女の付き人になったのは、まだ10代だった頃でした。厳しい人でね、何かあるとこっぴどく怒られました。楽屋のテーブルにある水や差し入れのお菓子は全部ミリ単位で置く場所が決まっててね?一度、分かんないだろうと思って2ミリだけ水をずらして置いといたんですよ。そしたらね?彼女、気付いたんですよ。「水の位置が違う!」って(笑)それで彼女が怒って帰っちゃうもんだから、まあそのあとの収録は大変でしたよ。

そんな厳しい彼女でしたが、たまに優しくしてくれるんですよ。それがあなたが聞きたがってるやつでしょ?「魅せられて」の衣装の袖についてるヒラヒラ(笑)彼女もいつもは自分で持って帰るんですが、機嫌が良いときはくれるんですよ、あのヒラヒラを。それが嬉しくてね~。。なんせあれ、、めちゃくちゃうまいんですよ!恐らく日本で私だけでしょうね。ジュディ・オングの「魅せられて」を見てヨダレを垂らしてたやつは(笑)

ヒラヒラは色んな料理の仕方があったと思うんだけど、僕は一人暮らしだったしあんまり料理もやらなくてね。だから僕は決まって、地元宮崎の名物でもある釜揚げにうどんみたいにして茹でてすすってたよ。その方が素材の味を楽しめるからかえって良かったんだ。

大きな鍋になるべく多目に湯を沸かす。強火のまま、大量のヒラヒラを湯に放り込む。ヒラヒラが沈んで、沸騰していたお湯が静かになってから1分くらいするとヒラヒラが浮き上がってくるんだけど、これ見ると頭の中ではつい「魅せられて」のイントロが流れちゃうんだよな(笑)
そっから8~10分で、ヒラヒラに透明感がでてくると茹であがり。釜揚げの桶にゆで汁とヒラヒラを一緒に入れて、濃い目に作ったつけつゆにつけて一気呵成に吸い込んでみなよ…。気絶するぐらいうまいんだ!(笑)

…付き人やめちゃってからはもう、あれを食べれてはいないんだけど。今でもテレビやラジオから「魅せられて」が流れると、ヨダレを垂らしちゃうんだ(笑)

「魅せられてのヒラヒラの釜揚げうどん」

材料

魅せられての衣装のヒラヒラ 1束(一回の衣装分)

☆つゆ

みりん 大さじ1と2/1

しょうゆ 大さじ1と2/1

和風顆粒だし 小さじ1

水 150cc

作り方

1 ジュディ・オングの付き人になって衣装のヒラヒラをもらう。

2 鍋に☆を入れて沸騰直前まで熱し、火を止める。

3 別の鍋に湯をわかし、ヒラヒラを9~11分茹でる。

4 器にヒラヒラを盛り、つゆを添える。

コツ・ポイント

汁もヒラヒラも熱々の状態で生姜、ネギ、一味唐辛子なども入れると香りもよくなって体も温まりやすいので、寒い日にはピッタリです☆

※本文に出てくる料理は、嘘です。

special thanks チュランペット藤並

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