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難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(9)

補聴器をつくるの巻13

「困ったこと・嫌だったこと」のつづき。

新型インフルエンザの対策で,最近は病院だけでなく乗り物の運転手さんとかお店の店員さんもマスクをするようになっている。これがまた弱っているのである。
マスク越しの声はこもっていて,もごもごとして聞こえるので,どうしても聞き取りにくい。

こないだ熱出して夜間救急診療所に行ったとき,マスクを付け慣れているからかお医者さんのいっていることはよくわかった。が,お店の店員さんなどは,ふだん付け慣れていないせいか,寝言を言ってるのかと思うありさまになっている人もいる。

「声がこもらないマスク」が開発されたら,グッドデザイン賞(?)とかなにか賞をとれるんじゃないかと思うくらいである。開発してもらえないものでしょうか。
2009年09月27日15:13

◆その後、新型コロナ感染拡大でさまざまな種類のマスクが開発されるようになり、口の動きが見える透明マスクなるものも売られるようになった。が、「声がこもらないマスク」はやはり難しかったようだ・・・

このところのSNSでの日記は非常勤講師の仕事の記録、研究活動記録、落語鑑賞日記がメインで、その合間にぽつぽつと補聴器体験日記があった。今回はちょっと別の話。

声がれで耳鼻科を受診するの巻

後期から担当授業が週に10コマになったわけだが。
週末は必ず声がかれるようになり,10月10日頃から咳が出るようになり,21日にはいよいよ授業中に咳き込んでしゃべれなくなる事態におちいったので,その帰りに耳鼻科へ行った。補聴器をつくったときの耳鼻科である。

16:30に受付して,わたされた番号札が31番。そのとき17番。自分の番になったのが18:00ごろだった。公式の診療時間の終わりの時間。

始めに看護師さんに症状,経過,今何か薬を飲んでいるか,熱があるかなどの聞きとりをされて,持参したおくすり手帳を渡した。

診察では,のどの中を内視鏡(硬性ファイバースコープというらしい)でみることになった。はじめにのどに麻酔のスプレーを噴射して(にがい),しばらくしてからガーゼを使って自分で舌を持って,マイク?を胸に装着され,口の中にカメラを挿入した。
その後,先生の指示に従って,声を出したり息を吸ったりを2,3回繰り返した。痛くはないけれど,カメラが奥まで入るとちょっとぐえってなった。

結果,声帯の炎症はそれほどひどくないということで,声が出やすくなる薬を出してもらうことになったのだった。3種類。麦門冬湯という咳止めの漢方,ムコソルバン錠(痰をとる),トランサミン錠(止血)。
目の前にモニターがあるので,撮影された声帯を自分でも見ることができた。ちょっとしろっぽくてふくらんでいました。

カルテで難聴であることがわかっているためか,終始,ものすごく大きい声で,フレーズごとに1つ1つ区切って(さすがに形態素レベルではなかったが),大きなジェスチャー入りで先生方から話されたのだった。

先生「いまからっ,これ(内視鏡を何度も指さしながら)でっ,のどを見ますからねっ」
わたし「(検査は)いたくないですか?」
先生「ぜんぜんっ,痛くないですっ(首ぶんぶん)」
とか。

ただでさえ病院に来て患者モードに入って気持ちが弱くなっているのに,さらにこの接し方でなんだか自分が幼児にでもなったような気持ちになってしまう。
そこまでせずともわかる…とちらっと思ったが,すでに公的な診療時間を過ぎていてお疲れのはずなのにめんどくさい対応させてしまって申し訳なく,されるがままになっていた。そのおかげで先生の指示にきちんと従えて,検査が終えられたから結果的によかったのだが。

とはいえ,病院の中で「患者」の役に入っている時だけだからいいけれど,日常生活でもずっとこのような接し方をされたら,自分はどうなるだろうと思った。少なくとも,自己効力感や自尊心は低下してそうな気がする。
難聴者との円滑なコミュニケーションという点で,いろいろ考えを巡らせるきっかけになったのだった。いつか必ず難聴者の臨床社会心理学的な研究はやるつもり。

このところは学内行事などで5コマや7コマの週が続いたが,来週からまた10コマに戻る。それまでには声をなおしたいものである。
2009年10月23日11:05

●日記のコメントへの回答(抜粋)

わたしも耳鼻科では幼少時から各種の苦しい経験をさせられているので,
行くときにはかなり覚悟がいります。待合室では不安で何もできません。

別の病院にかかったときも,先生の話し方が「やさしい言い方だな」と感じたことがあるのですが,幼児的扱いには感じられませんでした。この違いはなんだろうと思いました。

2月に難聴でかかった先生がたまたま音声関係も専門にされていて,非常勤で声をやられたらまたお世話になろうと思っていたのでした。その先生が書かれた声についての本を読んだのですが,やはり声を出さないで休めるのが一番よいとありました。9月のおわり頃から声がれがあると伝えたので,薬がたくさん出されたのかもしれません。最近のわたしは授業で話してばかりなので,それ以外の時はすごい無口です…。

話し方ですが,たしかに声の高さの違いはありましたね。
耳鼻科での看護師さんは,患者を呼ぶときや聞きとりの時など全体的に甲高くて上り調子の言い方(「○○さ~ん↑!」)がほとんどでした。先生ももともと高めの声質でしたし。別の院で「やさしい」話し方と感じられた先生は,たしかに高すぎずに落ち着いた話し方をされていました。「やさしい」「穏やか」と感じられる話し方でした。診療時間が短くてもすごく癒やされました(笑

わたしの場合はなおらないし,一生つきあっていかなくてはならないものです。
身体障害者手帳ですが、補聴器をつくるときに補聴器やさんに聞いてみました。取得できるほどの聴力ではないそうで、取得にはいたりませんでした。
障害の程度の設定がかなり厳しいのですね。

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