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宝塚っていいなぁ…と噛み締めたお祭り〜タカラヅカスペシャル2019 Beautiful Harmony〜

12月22日、もう年末!映画館じゃなくむしろ大掃除でしょ、っていうツッコミは置いといて、TOHOシネマズ川崎でのタカラヅカスペシャル2019のライブビューイングを観に行きました。

タカラヅカスペシャルというのは、年に1回の組を超えたイベント。公演中の組を除き専科も含めて一堂に会し、組の中でも番手が上の生徒が集まるのでそれは華やか。宝塚は組ごとに公演をするため、普通なら絶対に観られない同期との共演や、異なった組の二番手とトップ娘役さんとの組み合わせ(いわゆるシャッフル)など「これが観たかったのよ!」「わかってるね、○○(←演出家の名前が入る。誰目線?)」というファンは謎の評論家モード発動してしまう面白い趣向なのです。

最近だと花組と星組のトップが退団して、新しいトップコンビになり、組替え(会社員の配置換えですね)があって、新しい組で出演という生徒もいました。

ライブビューイングとはいえ、久しぶりに観たタカラヅカスペシャル。石田昌也先生が監修だったけど、石田色がほぼない。構成・演出の中村一徳先生、上田久美子先生、野口幸作先生、マジでGJ。え、こんなに愛情こもった場面が多くていいんですか?と思うくらい、宝塚初心者に観せて楽しい公演だった。

1幕でインパクトがあったのは宙組、専科、雪組コーナー、そしてトップスターのSpecial Songのコーナー。そして最後のラテンのコーナーね。各組のコーナーは今まで上演した作品をモチーフに構成していたんですが、宙組は「ベルサイユのばら」、小公子とはとても言えないバリッバリのそらくんたちが「ごらんなさい」と歌う反則。「アイーダ」で星風さんと桜木さんは新人公演で組んだのね…とじんわりしていたら、「風と共に去りぬ」で二番手の芹香さんがでっかいスカーレットで出てくるわ、そのままでソーラン節を踊るソーラン宙組を法被来て踊るって、上田先生何したいんですか?と。振り返っても爆笑コーナーはここだけだった。いいね、もっとやれ!

専科コーナーは、凪七さん、華形さん、轟さんがソロを歌う。華形さんが貧乏神で来るとは!次の星組公演で退団だけど、星組にご縁が多かったし、良かったなって謎の親目線になっちゃった。凪七さんはモーツァルトを観てから同伴者がお気に入り。轟さんは喉の調子が「が、頑張れ!」って部分もあったけど、もう存在感の勝利です。

雪組コーナー、えげつないほど歌がうまい望海さんと真彩ちゃんなわけですが、「ルパン三世」でルパンになっているあーさ(朝美)が好きです。「ひかりふる路」久しぶりに観たくなった…曲がいいなぁ。ひとこちゃん(永久輝)がいなくて、組替え実感しちゃいました。

トップスターのSpecial Songのコーナーは、それぞれ思い入れのある一曲ということだと思うんだけど、やっぱりこの曲好きだなと思ったのが真風さんが歌った「NEVER SAY GOODBYE」さすがフランク・ワイルドホーン。ものすごく耳に残る曲で、改めて「宝塚の作品は主題歌も立派な演出家」だと実感する。この作品で真風さんは初舞台だったのね…。

で、最後のラテンの場面は、二番手以下の男役が総動員で、エル・クンバンチェロでもうオラオラが止まらない!そんな男役の色気を楽しんでいたんだけど、そのうちにこんなに競わせてどうすんの?と思いつつ「こういう場面で生徒さんたちは採点されているんだろうか」と頭に浮かび、宝塚の深い深い怖さを見た気がしました。もうお願いだから全員観せて!とライブビューイングならではのフラストレーションがありましたね。

二幕は幕開き娘役さんだけの場面、それもトップ娘役以外の娘役さんも登場させた上田先生本当についていきます!娘役ファンの私は本当に嬉しい!こっちも全員観せて!!!の3乗でした。正直、花組の華ちゃんは歌は苦手なんだろうと思うんだけど、彼女のキーに合ったパートを任せてたんじゃ?と思った私でした。

花組コーナーは幕開きが「虞美人」だけど、直前のコーナーで娘役が全員集合しているので、虞美人役は男役の聖乃さん。綺麗…。劉邦には永久輝さんだったのだけど、彼女の袴の履き方、胴布団の入れ方が決まってて「さすが雪組育ち…」そして何がいいって、「ME AND MY GIRL」という作品でビルとサリーをトップコンビにやらせたという野口先生GJ。合わないわけがない!柚香さんは向かい合った華ちゃんの髪の毛がくるりんとひっくり返っていたのを自然な感じで手で直してあげて、もうそれだけで「俺の女の子感」満載すぎて、多分、この作品やるだろうな…って会場の全員が思ったと思う。それくらい合っていた!

星組コーナーは上田先生の演出だったのだけど、ここは幕開きにガチの宝塚ファンである愛月さん(愛ちゃん)と舞空さんの「うたかたの恋」。これ絶対愛ちゃん泣いて喜んでるはず。だって、最高だったもん(全然客観的じゃない)。そして「眠らない男・ナポレオン」では、瀬央さんのマルモン。今までギャグみたいに話していた場面しか観たことがなかったマルモン。今日の瀬央っちは違ってた。そしてこの曲(嵐のように生きた男)も良い!と思って改めてウィキペディアで検索したら、ロミオとジュリエットのスタッフが作曲していたのか。どうりで。そして最後は「桜華に舞え」この曲はやっぱり好き。齋藤先生、この作品はすごく良かったんだけどな(以下、自粛)

今年は柴田侑宏先生が逝去されたので、柴田先生の特集があり、全員がそれぞれ柴田作品を歌い継ぐという趣向。どれも素晴らしかったのだけど、じんわりと当時を思い出した「凱旋門」大好きな「あかねさす紫の花」宝塚にはまるきっかけになった「仮面のロマネスク」なんつっても雪組の日本物の真骨頂「忠臣蔵」でも最後に、柴田先生がなくなった悲しみも、お芝居がある限り生き続けると言わんばかりに「もう涙とはおさらばさ」。柴田先生の作品はとにかく日本語の美しさに尽きる。主題歌だけで言えば、寺田先生のドラマティック演歌があればこその相乗効果であるような気もしますが…。最後に一言、だいもんの「忠臣蔵」観たい!!

今回は余興的なパロディが少なかった(なかったとは言わない)ものの、曲とメンバーと構成が秀逸で、見応え満載。きっと来年のこの時期になるとSKY STAGEで放送されるんだろうけど、楽しみ!と思える公演でした。

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