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SHIOKURI -葛尾村と全国をつなぐ野菜たち-

 SHIOKURIとは、葛尾村サポーターの方々に当団体が不定期で送っている野菜たちの総称です。主にかづろうさんげはたけで採れた野菜を段ボールに目いっぱい詰め込んで送っています。その段ボールには写真のように「野菜不足注意」「帰っておいで」「頑張り過ぎ注意」などのラベルが張られています。このSHIOKURIは全国の様々な葛尾村サポーターの元へ送り届けられます。

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1. シェアハウス

 SHIOKURIが生まれたきっかけは大学生たちのシェアハウスにあります。都内のあるシェアハウスには何人かの大学生が出入りしており、その中に葛尾村によく遊びに行っている大学生がいました。彼をきっかけにして、写真のように葛尾村から定期的に野菜と米を送るようになりました。これがまるで実家からの仕送りのようだったので、縁もゆかりもなかった村からの仕送りということでSHIOKURIという名前が付けられました。

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 シェアハウスのSHIOKURIでは、無料で野菜を送る代わりに、首都圏でのイベントのお手伝いを月に1~2回ほどしていただいていました。今年はコロナ禍の影響で軒並み中止になっていますが、昨年以前は当団体で作っている甘酒や煎餅などをイベント販売していました。その際に、SHIOKURIを送っている学生たちが手伝ってもらっていました。この大学生たちのシェアハウスをきっかけにして、全国の葛尾村サポーターの方々にSHIOKURIを送る仕組みが出来上がっていきました。

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2. お返し

 全国の葛尾村サポーターの方々にSHIOKURIを送ったところ、嬉しいことに様々なお返しをいただきました。先ほどの大学生はイベントのお手伝いというかたちでお返しをしてくれましたが、全国の葛尾村サポーターの方々は地元の名産品を送っていただける方が多いです。大阪からは大阪王将の餃子、東京からはBermeのお菓子、他にも地元の果物や日本酒など、葛尾村では手に入らないような物を送ってくださいます。SHIOKURIをきっかけにして、このような贈与でつながる関係ができはじめています。

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3. 地域間交易

 SHIOKURIが発展して生まれたのが地域間交易です。地域間交易とは、各地域の特産品を物々交換するという縄文時代から行われている方式です。この方式を取ることで、より安くより良いものを手に入れられるという意味では現代でも非常にメリットがあります。直接交換するので価格を安く抑えられ、さらに新鮮な食材が届くのです。

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 昨夏は石巻の魚介類と葛尾の野菜で地域間交易をしました。夏に食べきれないほど収穫されたキュウリ・ナス・ピーマンたちが、海のない葛尾村では獲ることのできない魚に化けました。いただいた魚介類は村の近所の方々とスタッフで美味しくいただきました。

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 このように、当団体のまわりにはSHIOKURIを通じたつながりができつつあります。この取り組みを通じて、野菜をただ売るのではなく、あえて贈与や物々交換の形式をとることで、新たなコミュニケーションが生まれることを体感しました。また2021年もかづろうさんげはたけで採れた野菜をSHIOKURIとして全国に送り届けたいと思います。


一般社団法人 葛力創造舎

 葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)は、通常なら持続不可能と思われるような数百人単位の過疎の集落でも、人々が幸せに暮らしていける経済の仕組みを考え、そのための人材育成を支援する団体です。

余田 大輝


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