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ISOURO -葛尾村で暮らす-

 先日の記事で紹介した「かづろうさんげはたけ」は葛尾村に滞在していた学生たちのサポートによって成り立っていました。そのような村に滞在している学生たちを当団体は「ISOURO」と呼んでいます。本記事では、ISOUROについて紹介していきます。

ISOUROとは何か

 ISOUROとは、当団体が運営する民泊ZICCAに長期間滞在する人たちの総称です。昨年はコロナ禍の影響もあり、オンライン授業を受けながら葛尾村に滞在する大学生が複数いました。リモートワークに切り替わった会社員が東京から移住する動きが見られますが、大学生にも一部そのような動きがあるようです。東京などでなかなか外出することのできない生活をするよりは、葛尾村のような豊かな自然に囲まれた土地で生活する方がよいというような声が聞かれました。

 彼らは村内企業でのアルバイトや村内での自発的な取り組みを行いながら、ZICCAにて共同生活を送っていました。それぞれ葛尾村に来る目的は異なりますが、一緒に食事を作ったり、畑仕事や大工仕事をしたりと、ZICCAでは同じ時間を共有していました。

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ISOUROのきっかけ

 今夏のISOUROは、ISOUROとして募集されて葛尾村に来ていたわけではありません。復興創生インターンシップに参加していた学生が過去インターン先のアルバイトに来たり、稲刈りイベントに参加した学生がバーテーブルの製作に来たりするなど、以前より葛尾村に関わりのあった学生が全国から様々な目的で集まってきました。

 ISOUROという言葉が生まれたきっかけは、彼らが滞在している中で自分たちのことを「居候」と呼ぶようになったことにあります。その背景には、村で暮らすことへの尊重があるようです。全員の葛尾村滞在の目的はバラバラですが、村民や土地との関わりを楽しみながら暮らしていることは共通していました。そのような暮らしを大切にする想いが「居候」という言葉に込められているそうです。

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ISOUROへの想い

 「居候」という言葉と、そこに込められた想いを受けて、当団体は居候をISOUROとして仕組み化することを考えました。様々な目的で葛尾村を訪れる人たちが民泊ZICCAを拠点に長期滞在できるような環境を作るということです。具体的な仕組みは検討中ですが、前回は畑仕事などの手伝いをしてもらうことで、滞在する部屋と米・野菜などの食材を提供しました。このような取り組みによって、滞在者が葛尾村の人や土地に触れる機会を作ることが葛尾村を取り巻くコミュニティを形成する上で重要であると考えています。

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ISOUROとかづろうさんげはたけ

 先ほども述べたように、昨年はISOUROの人たちに「かづろうさんげはたけ」を手伝ってもらっていました。民泊ZICCAの大家さんに教わりながら、苗植え・草刈り・収穫などの作業を行ってもらっていました。原発事故による避難の影響もあり、葛尾村には多くの休耕田・休耕畑があります。「かづろうさんげはたけ」も元々は休耕畑となっていた場所につくられています。このようなISOUROの人たちに畑を手伝ってもらい、先日の記事で紹介したSHIOKURIのようなかたちで全国の葛尾村サポートに送ることは、休耕畑活用の1つの方法だと言えるでしょう。

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ISOUROのこれから

 今年も大学の春休み期間に合わせて何人かのISOUROを受け入れる予定です。コロナ禍であまり外出ができない、特に大学生は課外活動ができない状況の中で、隔離期間も含めた長期滞在の機会を提供することで、学びの機会を作ることができればと考えています。


一般社団法人 葛力創造舎

 葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)は、通常なら持続不可能と思われるような数百人単位の過疎の集落でも、人々が幸せに暮らしていける経済の仕組みを考え、そのための人材育成を支援する団体です。

余田 大輝


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