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【かつらのお話:立役襟の簑付け】

前回貼りました襟毛の糊も乾きました。

こんにちは。京都時代劇かつらです。

今回はここに立ち役の簑を付けていく。そんなお話です。

立役襟簑
二本の絹糸に人毛を編み込んで作る
襟の中心に毛が集まるように編む
中寄せの簑とも呼ばれる。

女形の襟簑付けと同じく、革鞄や革靴の手縫いのイメージです。緩すぎず、きつすぎず、結い上げた時に髱が綺麗に出るよう加減してつけます。

使う糸は絹糸です。和裁で使う細い絹糸ではなく太目の強い絹糸です。
絹糸は強くしなやかなので、簑を編んでいる絹糸とも相性よく鬘を長持ちさせてくれます。
その絹糸を爪弾きしてヨリを詰めて蝋引きします。

粒の間を狙い針を通していく
和裁の絹糸よりだいぶ太い簑付糸

この太めの絹糸ですが、入手が非常に難しくなってきました。

以前は糸問屋さんで購入していたのですが、店主さんが高齢でお店を閉じてしまいました。京都ですら、着物関係は色んな業種で廃業がすすんでいます。
糸屋、染屋、白生地問屋など、かつら作りにも関わる業種もだんだんと少なくなっています。

需要、高齢化、賃金の問題、物価の問題と様々な要因があるので、時代の流れと言えばそれまでなのですが、持続できる何か良い方法がないものかと、ふと思ってしまいます。

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