見出し画像

みんなみんな家族だよ♪

桂台学童保育ちびっこの家 父母会だより」。2022年度役員でnoteを開設し、1年間、桂台学童の魅力を内外に発信してきました。今期最後の更新となります。

♪ ここは放課後のおうちだよ
♪ みんなみんな家族だよ
♪ ひとりひとりが思いやり 
♪ ほっとできる おうちにしよう

『放課後のおうち』

卒所式や入所式で歌われる『放課後のおうち』。「おうち」「家族」というシンプルな言葉に、桂台学童らしさが込められているなあ、と1年を通して感じていました。

毎月の父母会では、学童の日々の運営、予算などについて話し合う

桂台学童保育は、「運営委員会」という任意団体によって運営されています。横浜市放課後児童健全育成事業の補助金を受けて運営する「放課後児童クラブ」で、運営主体はNPOなどの非営利組織か、地域の代表と父母によって組織される運営委員会で、営利を目的とせず、各クラブの実態に応じて創意工夫をもって運営すること、「児童の人権」や「子どもの最善の利益」を考慮して育成支援をしていくことと、厚労省のガイドラインで示されています。学童とは=子どもたちの育成支援をする場、なのです。
「子どもの最善の利益」を考慮して育成支援を進めるためには、子どもの立場に立ち、将来的・長期的視点から子どもにとっての最大限の権利を保障することが求められます。子どもの人権の尊重が、学童にとって最も重要なことなのです。

「子どもの権利条約」4つの原則
差別の禁止(差別のないこと)
すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。 
生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)
すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。
子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)
子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。
子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること)
子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

日本ユニセフHPより

子どもが子どもらしくいられること。
思い切り遊ぶ。笑う。泣く。食べる。喧嘩する。仲直りする。
集団の中で育ちあい、いろんな「色」を持った子どもたちが、それぞれらしく、自分の「色」を発揮できる。
桂台学童に通うちびっこのカラフルな笑顔やふくれっ面を見ていると、ああ、いいなあ、子どもらしいなあ、とホッとします。

学童の新しい仲間と出会う「入所説明会」も役員の大切な仕事です

私たち父母が、わが子以外の一人ひとりのカラフルな表情に気付けるのは、父母が運営に関わるからなのかもしれないな、と思います。
わが子を預けて、わが子を迎えにいって、先生とちょっと話して、家に連れて帰るだけの関係だったら、他の子の持つ「色」に気づくことすらできないかもしれません。
1年間役員をやって、日々の役員業務で必要な子どもの名前を覚えて、行事のたびにわが子以外の子どもたちと思い切り遊び、時に協力し合って何かを成し遂げていくなかで、否が応でも学童のちびっこたちとの関わりが深まっていきます。

日常の出納や行事会計など、表には見えない仕事も誠意を持って対応した会計チーム

一緒に役員をやる父母たちは、一つのチームです。
桂台学童では運営の実務を、入所2年目の父母が行うことが通例になっています。どうやら桂台学童に限ったことではなく、運営委員会方式の学童では同じように、行政からの補助金を適正に執行管理する事務局や、経営計画を立て実行する会計、指導員の労務や給与支払い、環境維持や美化などの総務、行事など各自が役割分担をして、責任を持って運営をしています。

コロナ禍で1年目はほとんど顔も名前も一致しなかった父母たちが、突然グラウンドに集められ、ポンッとボールとグラブを渡され、チームを作ることになります。誰がどんなポジションが得意なのか、どんな隠し球を持っているのか知る間も無く、いきなり試合本番、4月からの父母会の運営を任されます。初心者にとってみれば、最初は右も左もわからず、すりむいて泥だらけになって、必死にルールブックを読んで食らいつきます。経験者は多少はこなれてはいるものの、数年のブランクで新しいルールができていたり球種が増えたりして、意外と思うようにプレイできなかったりして、最初の数カ月はみんなギクシャク。

それでも、子どもたちのためにと、睡眠時間を削りながらも予算管理や運営資料の更新をし、重い荷物を車に積み込んで運搬し、キャンプでは煙に燻され水浸しになり、お祭りでは木に登って装飾したり、汗かいて冷や汗もかきながら、1年、走ってきました。
時には議論が白熱しすぎたり、喧嘩もしたり、愚痴ったり。一方で、見事なプレゼンに感嘆したり、ユーモアあふれる企画にブラボーしたり。頭脳派、肉体派、せっかち、のんびり、、、よくみたら、父母たちの個性もなんてカラフル! まるで子どものように、自分丸出しで、本気で、学童の運営に向き合ってきた仲間たちです。

各種行事も、子ども、指導員、父母の協力なくしては成功しない

この1年は、コロナ禍で失ってしまった「体験」を取り戻そうと、桂台学童の恒例行事だった夏キャンプと、学童祭りを復活すべく、経験者父さんたちが執念を燃やしました。同じ年の子を持つ父母でも、年齢はひと回り以上も違うケースもあり、世代間ギャップが浮き彫りになることもしばしば。コロナに翻弄されながらも、妥協したり、押し通したり、すり抜けたりしながら、最終的には「子どもたちのために」を諦めずに、行事を着地させました。

小さな弟妹を膝にのせながらも、縁の下の力持ちとして学童の運営を支えた母たち

指導員が「育成支援」に集中できる環境を整えることにも、この1年は心血を注ぎました。2022年度は育成支援体制強化加算補助という新しい制度ができ、児童の育成支援に関わる指導員がその仕事を全うできるよう、事務作業や買い出し等の庶務を担う事務職員に対する補助が加算されるようになったのです。桂台学童の指導員は保育アーティストと表現できるようなタレントなので、彼らの才能をより発揮でき、イキイキと保育に専念できるようにしたいと、業務日誌や児童出席簿の記録の効率化や、文書管理などの仕組みを役員で考えました。幸い、私たちが望むような素敵な事務員や、補助金業務をサポートしてくださる行政書士さんと巡り会えて、少しずつ環境が整いつつあります。桂台学童にとって、指導員は保育の要です。彼らの健康と福祉が担保され、イキイキと働けることが、「子どもの権利」を守り、父母の幸せ(保育の満足度)に直結するのです。
「桂台学童の魅力の中心には、指導員がいる。指導員の存在が何より大事」 
この気持ちが中心にあったから、チームが一つにまとまることができたのかもしれません。


学童の前庭に花を植え、誰かへの感謝を伝えよう。
「ありがとうガーデン」は役員の発案からスタートした

桂台学童のシンボルカラーは鮮やかな「パッションピンク」。指導員のアートな才能が炸裂しています。思いっきり好きな色で咲いていいよ! そんなメッセージが感じられるような、元気なカラーです。
この1年を振り返ってみると、なんて色鮮やかで、カラフルな時間だったんだろう、と思います。役員父母たちそれぞれが培ってきたキャリアも、仕事のペースも、やり方も、全然違う人同士が、「(わが子だけでなく)子どもたち(みんな)のために」と、真剣に意見を交わしながら、一つのチームになって、1年、学童の運営をまわしてきました。もっとうまくできたかもしれない、もっとこうしたかった、という思いは、1年経ったからこそようやく見えてくる景色なのかもしれません。

そうして、ああ、私たちはこの1年、家族だったんだなあ、と思うのです。「子どもたちの放課後が、健やかで、子どもらしくいられる時間であるように」。わが子のために選んだ場所で、わが子だけでなく「すべての子どもの権利」を考えて行動する。寄せ集めチームのメンバーが、1年間、学童保育という「おうち=家庭」を回していくために、父母同士が「家族」となって本気でぶつかっていったように思います。
桂台学童保育ちびっこの家という「おうち」の主役は、子どもたちです。子どもたちの健康と安全を守り、健やかに、子どもらしく過ごせるように、信頼する指導員に放課後の時間を託し、お父さんとお母さんたちは一生懸命、その裏側で屋台骨を支えてきました。


どっピンクの装飾の中で、ピンクのネクタイを身につけ卒所式の挨拶をした父母会H会長

先日行われた卒所式で、たくさんのOBOGたちが「ただいま」と言って帰ってきて、幾つも年の離れた6年生の門出を、本当の家族のように祝っていました。10数年変わらずに「おかえり」と言ってくれる指導員が、ここではいつも迎え入れてくれます。巣立っていくあの子もこの子も、これからも「だたいま」と言って顔を見せてくれるかな。ちびっこたちが安心して自分の全存在を託して甘えられる指導員が、これからも変わらずにいてくれるといいな。父母にとっても「ふるさと」のようなこの場所を大切に守っていきたい。そんな思いで、先輩父母から受け継いだバトンを、次の年に渡します。

思い思いに、好きなことを書いてきた1年間。読んでいただきありがとうございました。

♪ ここは放課後のおうちだよ
♪ みんなみんな家族だよ
♪ ひとりひとりが思いやり 
♪ ほっとできる おうちにしよう

『放課後のおうち』


おかえりっ♪

(文:父母会事務局 K)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?