帯
私には気になっている男性がいて。
知人の紹介で知り合った3つ年上の原田さん。
これまで食事に2回、美術館に1回行ったんだけど、正直いいなって思ってて。
でもそんな原田さんの好きになれないところが一つあって。
それは読書好きの原田さんが、読み終えた本を帯がついた状態でInstagramに写真を載せていること。
彼は読んだ本を読書記録としてInstagramに載せている。
角度や照明は特になんとも思わないけど、帯がついていることが私は好きではなくて。かなり。うんかなり。
これはなにも帯を否定しているわけではなくて。
例えば書店に並べられている本であればなんら問題はない。帯を見てその本に興味を持ち、結果その本を買うことは私だってよくあって。
そこはやはり買って読んでもらわないと意味がないので売れ行きに影響する帯はとても重要。
でも読んだ本を記録として残すだけならそこはちゃんと表紙を写してほしいなって。
表紙の下4分の1に帯のカラフルさが入ってくるフォルムが嫌い。
表紙も合わせて一冊の本だと思っているからその一部を隠すんて考えられなくて。
『ラブ・ストーリーは突然に』で小田和正の膝下が隠れてたらやっぱり嫌。
『およげ!たいやきくん』の店のおじさんが隠れるのも絶対嫌。
もし原田さんに抱かれることがあれば、そのときに"あぁこの人読み終えた本を帯がついた状態でInstagramに写真を載せるんだよなぁ"と脳裏をかすめたら冷める。
原田さんから母の日にお母様に素敵なプレゼントを渡したという心あたたまる話を聞いてるときに"あぁこの人読み終えた本を帯がついた状態でInstagramに写真を載せるんだよなぁ"と脳裏をかすめたら冷める。
映画館で英語だらけのエンドロールを眺めている横の原田さんを見て、"あぁこの人読み終えた本を帯がついた状態でInstagramに写真を載せるんだよなぁ"と脳裏をかすめたら冷める。冷める冷める。
『読み終えた本を帯がついた状態でInstagramに写真を載せる人を好きになる方法』という本があればな。
原田さん。どうか帯を外してほしいです。
もし次原田さんからなにかしらお誘いがあれば断ろうかなって。
でもその矢先、原田さんからとっても美味しい鯛めしがあるから食べに行かないかと誘われた。
行く。
帯はまだ鯛めしに勝てない。
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