『パルムの僧院』の簡単な感想
スタンダールは日本でも格別知られたフランスの小説家ではないでしょうか。代表作『赤と黒』は「世界の十大小説」に入れられており、シンプルでまた奥深い題名が読書欲を刺激する作品です。この『赤と黒』と双璧をなす長編が『パルムの僧院』。たしか、村上龍氏の『限りなく透明に近いブルー』にもちょろっと登場しますね。
この『パルムの僧院』は大変な傑作です……主人公のファブリス・デル・ドンゴは、『赤と黒』のジュリヤン・ソレルとは対照的に貴族で、幸福を追い求める若者です。若者らしい無鉄砲さでワ