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ドラマの解説者になってしまう私の話

何年か前からドラマを見るようになった。

正確には『始まる前から見たいドラマをチェックして見るようになった』だ。それまではあまりドラマ以前にテレビを見なかった。

数年前に流行った『逃げ恥』を同僚から勧められて、途中から見始めてハマって以来、そういえばドラマっておもしろいんだった、と思い出して今は次クールの新ドラマ一覧を検索して事前チェックまでして見るようになった。

1クールにつき、7つくらい見ようと思ってそのクールが始まって、1話は必ず見るが、途中なんか違うとかこの女優さんが好きじゃないとかアレコレ自分の中で理由を付けて脱落していく。今クールも同様に7つくらい目星を付けていたのに、結局今見ているのは3つだけ。

そしてあまりテレビ自体が好きじゃないので、基本ドラマはアプリで見る。見逃し配信って録画しなくていいし、どこでも見れるから便利だ。そんな中でほぼリアルタイムで見ているドラマは『天国と地獄』。警官の綾瀬はるかと殺人容疑をかけられた会社社長高橋一生が入れ替わるというドラマ。このドラマだけは、子供たちに「おやすみー」と声をかけて、少しリビングを片付けてから、追いかけ再生で見るほどに続きが気になっている。

全然先が読めず、推理しようにも検討もつかない内容で頭をフル回転させながら見ている中で、横から口を挟んでくる男がいる。旦那だ。彼はこのドラマがやっている日曜21時の時間帯はゲームのなんとかタイムとやらでソファーの隣に座ってはいるものの、テレビは見ず、ゲームをしている。基本テレビを見ない嫁が唯一テレビを見ている=よほどハマっている、というのはもう10数年一緒にいるんだから十分承知しているはずなのに

「ねぇ、この人(高橋一生)ってオネエなの?」

「え、このドラマってサスペンス的なやつなの?」

「で、この犯人って結局誰なわけ?」

などなど話しかけてくる。

ち ゃ ん と 見 ろ

見 て か ら 聞 け

私も私で相手をしなければいいのに、ちゃんと見てない人相手にいちいち解説していた。そして計らずも、私も私で彼に説明することでドラマの復習や疑問点に気付いていた。正直ドラマを見てるそばから子供以外にアレコレ聞かれるのは滅入る上に、きちんと見ていないといい場面も見逃してしまうから疲弊はするが。
おかげでTVerで何回も見返す羽目になっているが。

その成果か、8話になってやっと内容を理解したらしく、この前の放送は質問がなかった。でもなぜだろう、彼は7話まで断片的にしか見ていないはずなのにドラマの内容を完全に理解したような顔をして見ていた。そして実際に理解しているんだろう、だって都度わからないことがあれば隣にいる人に聞けば答えが返ってくるんだから。きっと来週も彼はまたゲームのイベントをこなしながら私と続きを見るんだろう。

隣に私という、解説者を携えて。

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