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SAKE DIPLOMA (日本酒ソムリエ)ノート 18

このところ、大学の講座を受け持っている関係で、記事更新がランダムになり申し訳ありません。
この記事の趣旨はこちらをご覧ください。

生酛系酒母 
菌を増殖させ、その乳酸菌の生成する乳酸によって雑菌の汚染を防ぐ酵母培養法 
①生酛    江戸時代初期に確立  品温摂氏5〜6度(悪玉乳酸菌は摂氏10度以上で生えるから)「寒酛」とも

たくさんの微生物が関与

技術や手間がかかる

より強靭な細胞膜

摂氏30度以上、高めのアルコールにも強い酵母

濃醇かつ深い味わい


②山卸廃止酛(山廃酛)1909(明治42)年から

水麹(汲水+麹→酵素が出る)を使うことにより、山卸し(酛摺り)作業を省略する

品温摂氏5〜9度

蒸米は摂氏15〜20度まで冷ます

濃醇かつ深い味わい(余韻も長め)


③秋田流生酛

半切り桶を使わず、大きなタンクで攪拌擂砕機(電動)を用いて山卸し作業を行う

摂氏14〜15度仕込み(高めの温度)

総ハゼ麹を使用(早湧きを防ぐ)

電熱行火(木樽を使わない)

    


生酛の仕込み   
〈①仕込み・酛立て〉 
蒸米(摂氏40度くらいまでむしろを掛けて徐々に冷ましたもの)と麹を半切りに入れてヘラでよく混ぜ、さらに水を加えて混ぜる 摂氏4〜5度の仕込み水 品温摂氏5〜6度 
酛100kg=蒸米+麹  これを6〜8個の半切り桶に分ける 
↓ 
数時間ごとに櫂で混ぜる 
↓ 
半日経過〈②荒摺り・粗摺り・一番摺り〉半切り桶1枚あたり12〜15分 
↓ 
3時間経過〈③二番摺り〉半切り桶1枚あたり5〜7分 
↓ 
3時間経過〈④三番摺り〉工程②から④1つの桶を2〜3人で山卸作業(酛摺り)する 麹の酵素作用促進の為 
↓ 
〈折り込み〉桶2つを1つに合わせヘラで混ぜる 
↓ 
翌々日〈酛寄せ〉タンクに全部まとめる 
↓ 
〈打瀬〉5日目 摂氏5〜6度で3日間攪拌  硝酸還元菌が水の中の硝酸塩を分解し亜硝酸をつくる(野生酵母の増殖を防ぐ) 
↓ 
〈暖気入れ〉暖気樽等で1日で1度程温度を上げて行く  乳酸の生成(自発的に)もしくは添加 
15日目〈酵母添加〉または蔵付き酵母 
↓ 
〈枯らし期間〉乳酸菌がアルコールによって死に多量の乳酸と清酒酵母のみになる 

乳酸菌は亜硝酸に強いが酸に弱く(乳酸) 
生き残った乳酸菌も酵母がつくるアルコールによって死滅する 

最後までご覧くださりありがとうございました。

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