見出し画像

なぜ、「野洲新病院」に反対しないの

元々は、駅前整備に賛成=体育館東側整備には反対でした。

 議員を志した当初(平成28年の市議補選に出馬、次点)は、病院整備問題は私自身の中心課題ではありませんでしたが、野洲市の大きな課題であったため、膨大な資料を読み込んだ上で客観的に判断し、「駅前整備」に賛成の態度を決めました。初当選した平成29年に向けては、再度一から学び直し、当選後は駅前整備派の議員として一貫した行動をとってきました。
 その姿勢は、駅前整備に反対の栢木氏が市長に当選されてからも全く変えず、信念を貫いてきました。
 その私が新病院整備関連議案に反対したのは、昨年(令和5年)3月の野洲市病院事業会計予算案に対する修正案(病院整備事業費を削減する修正)の採決時が最後となりました。
 ちなみに、元の病院事業会計予算案には、医師や看護師をはじめとする病院職員の人件費や備品費、薬剤費など、現在の市立野洲病院の運営に必要不可欠な予算も当然含まれています。新病院整備事業費を削減する修正案に賛成した時点でこの部分(整備事業費)には「反対」と意思表示できており、その上で必要不可欠な予算が含まれている予算案には反対できない、との判断で元の予算案にも賛成しました。
 ついでに言うと、今でも「ゼロからの整備」なら野洲駅南口での病院整備が合理的と考えていますが、既に状況が大きく変わっています。

ではなぜ、体育館東側整備を進める議案(補正予算など)を認めるようになったのか

①現在の野洲病院の状況から。
新病院整備は、条例や予算など議決を経て進行中です。そして何より、現在の野洲病院は、老朽化が著しく一日も早く新病院を整備し、移転しなければならない状態。⇒もう整備場所の議論はおしまいにして、決まった場所で、少しでも良い病院にするための議論をすべき時、と考えます。

②働く人の気持ちや医療スタッフ確保の観点から
野洲市における病院整備は、長年にわたる曲折がありました。最初は駅前整備を進めようとした市とそれに反対した議員や市民がおられ、今は逆の構図になって賛否が渦巻いてます。
その賛成・反対の激しい戦いに翻弄されてきたのが、実際に病院で働く人たちです。賛否どちらも信念を持っておられるが故に、それぞれの意見に確信があり、譲れない部分があり、激しい論争が10年以上にわたり続いています。当然、現野洲病院はどんどん老朽化が進みます。
そこで働く人の気持ち、モチベーションはどうなるでしょうか。
また、非常に古く使い勝手の悪い配置(現野洲病院は、建て増しを繰返し現状の病院となっており、諸室のレイアウトや機能性が良くありません。また、現在の病院の基準では「不適格」である病室の広さや廊下の幅・・。挙げればキリがありません)。そこで新規採用の募集をかけて充分な応募があるでしょうか。客観的な判断が必要です。
こうした「当事者」の立場、お気持ちを考えれば、これ以上ゴタゴタを続けるべきではない。私はそう思います。

③上記2点を軸に「野洲市の地域医療を守る」という大きな目的をどう達成するか、という視点に立った時、当初の私の思いとは異なる整備地ではありますが、現在の体育館東側での整備を予定通り進め、同時にその中身を少しでも向上させるべく力を尽すことが私の役割と考えています。

市民の皆様から見た時・・

 信念を曲げたと写るかも知れません。裏切り者と評されるかも知れない、と思いつつ、しかしそれでも「野洲市の地域医療を守る」ためには、もう駅前に拘り体育館東側整備に反対していてはいけない、との思いがあります。己の思いを封印してでも、新病院整備を進めるべき時である、と非常に重い判断をして今に至っています。

優先順位を考えるべき

 野洲市における医療分野の最大目標は「野洲市の地域医療を守る」だと思います。病院は、そのために必要な手段であり、病院整備自体が目的ではありません。
 政治に携わる者は信念を貫くことも重要ですが、一方で全体の的確な状況判断の下、より重要な目標(ここでは地域医療を守ること)のため必要とあらば己の思いは封印し、妥協の道を選ぶことも重要と考えています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?